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菅田は、蜷川幸雄にあこがれ成功を夢見る劇団演出家の主人公・久部三成に扮する。物語は、怪しい商店街「八分坂」に迷い込んだ久部が、風営法改正でストリップショーが規制され寂れた「WS劇場」を中心に繰り広げられる。
通称『もしがく』と呼ばれる本作には、菅田のほか、神木隆之介、浜辺美波、小池栄子、菊地凛子、市原隼人など豪華なキャストが勢ぞろい。中でも、第1話で存在感を放ったのが女優の二階堂ふみだ。
二階堂は、ミステリアスなWS劇場のダンサー・倖田リカを演じている。第1話では、久部が訪れるスナック「ペログリーズ」の店番として登場。濃いメイクにソバージュという昭和的なビジュアルで、妖艶な“夜の女”を見事に表現した。
顔立ちのはっきりした二階堂は、昭和のメイクも髪型もよく似合い、抜群のスタイルでバブリーな衣装を華麗に着こなしている。訳アリな雰囲気を漂わせるリカというキャラクターを抜群の演技で作り上げた。なんともいえない気だるそうな演技で危険なムードをまとい、まさにハマり役といえる。
圧巻だったのは、第1話のラストで披露したダンスシーンだ。
このシーンでは、劇場の照明係が夜逃げをした後で、リカはスポットライトを満足に浴びられないまま踊ることになる。そこに久部が駆けつけスポットライトを当てるという、即興のコラボで物語を締めくくった。第1話でもっとも美しく盛り上がったシーンで、多くの視聴者の印象に残ったようだ。
主演の菅田を食ってしまいそうな存在感を見せた二階堂だが、第2話以降も間違いなくヒロインとして活躍しそうだ。今後の展開がわからない謎の多い『もしがく』だが、危険な匂いのするリカは最も過去が不明なキャラ。第1話では、スナックで三島由紀夫の小説をさびしげに読む場面もあり、なぜ場末の劇場でダンサーをしているのかわからない。今後、その過去が明かされるにつれ、物語の中心人物としてドラマを牽引していくのだろう。
また、エネルギッシュな久部とは対照的に、リカはクールでどこか人生を諦めた雰囲気を漂わせている。久部との関係性がどう変化していくのかも、見どころのひとつだ。
これまで数々のドラマや映画に出演して、名演技を披露してきた二階堂。秋ドラマの注目作でも、唯一無二の女優魂を見せつけてくれそうだ。
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