2025年はAKB48の結成20周年イヤー。12月4日からは日本武道館でのコンサートを控えている。
そこに参加するOG・倉持明日香は、今年事務所を移籍し、新たにスタートを切った。平成元年生まれ、9月で36歳を迎えた彼女を直撃した。 (前後編の後編)

【写真】AKB48の20周年コンサートに出演する倉持明日香【5点】

――武道館では久しぶりに踊ることになりますが、体力は大丈夫ですか?

倉持 今のところ、1曲ずつでしか踊っていないんですね。通しで踊っていないから不安で不安で……。1曲なら踊れるんです。しかも、本番は衣装を着て、熱い照明を浴びながら、ですから。練習と本番って体力の消耗がまったく違うんです。劇場公演は約2時間ありましたけど、それを続けられたのって、今さらですが、すごいことだったんだなと思います。

卒業してから舞台に出演させていただいた時、私と男性5人が殺陣を演じるシーンがありました。私はずっと動いていて、男性陣は順番に戦うわけですけど、そのシーンが終わってから男性陣はへとへとになって座っているのに、私は立っていたんですね。それを見て、「AKB48って体力ヤバいね」って言われたんです。そこで初めて気がつきました。
公演で培った体力ってすごいんだなって。卒業後、ジムは2年でやめちゃって、今はまったく体力を使わないピラティスに通っています。柔軟性は現役のままですけど、体力面は心配です。

――体力面を心配しているOGは多いかもしれませんね。

倉持 私は未婚ですけど、結婚して、子どもを産んでいるOGだっているんです。子どもをレッスン場に連れてきている人もいるんですけど、「2人産んでるのに、そのスタイルを維持しているなんて、すごい!」って思います。あきちゃなんて当時よりスリムですから。

――衣装は着ましたか?

倉持 1着だけ着てみました。そこで思ったのは、「あれ、こんなに丈が短かったっけ?」ということです。衣装さんいわく、「AKB48はずっとこの丈だよ」と。なんかスースーするんです。プライベートではあんなに短いスカートをはくことはないから、もはや新鮮でした。
こんな丈の衣装を着るのも最後になると思います。

――今のAKB48のことは追っていますか?

倉持 いや、あまり追えていません。私の現役時代のファンだった方がたまに教えてくださいます。「AKB48にチーム制がなくなったよ」とか「いとももちゃんは落語が好きなんだよ」とか。劇場がリニューアルしたことは知っています。今度、あきちゃと行こうよと話しています。しーちゃんが行ったらしくて、オススメされました。「知っているメンバーがいなくても、絶対行った方がいい!」って。公演も観たいけど、楽屋に入ってみたいな。聞く話によると、大きい冷蔵庫があって、洗濯機もあるみたいで。日常的に使っていた場所だから、気になりますね。

――これからのAKB48はどういうグループであってほしいですか?

倉持 15年くらい前のAKB48と比べられることが多いと思うんですね。
だけど、そういうことは忘れてほしいです。私たちの時代を意識してしまうと、以前のAKB48を超えることが目標になってしまうじゃないですか。それを目標にするのではなく、後輩たちが作りたいAKB48像を目指してほしいです。

私たちはたくさん失敗してきました。何が正解なのか、わからないまま進んでいって、試行錯誤の連続でした。でも、レコード大賞とか東京ドームとかWミリオン達成とか、いいところばかりクローズアップしてもらっているだけなんです。失敗したっていいと思います。失敗したら、「じゃあ、次」でいいんです。

――成功体験がないから、まだ自信を持てていないメンバーが多いように見えます。

倉持 そっか。でも、自信のつけ方って何でもいいと思うんです。劇場でファンの人を増やすのもいいし、SNSで注目してもらうのもいい。
私たちはXをやっちゃいけない時代でしたから(笑)。今は自分で発信できるツールがたくさんあります。自分の好きなことを発信して、種をいっぱい撒くことは大事だと思います。そうしたら、期や年齢に関係なく、誰かが拾ってくれるものです。

――倉持さんの場合、それが野球とプロレスでした。

倉持 そうでした。私の場合は運がよかったです。テレビで企画を組んでいただいて、好きなことを発言できました。だけど、それは劇場公演で発言したことを拾ってもらったんです。そうすると、外の世界につながって、自信がついていくんじゃないかな。

――よく指摘されるのは、「いい子が多い」ということですね。それ自体は悪いことではないんですけど。


倉持 それは感じます。実際に会ってみると、いい子たちばかりです。私たち、反省しましたもん。「ウチらはこんな穏やかな子はいなかった」って(笑)。私はまるちゃんに弾けてほしいと思いました。まるちゃんはウルトラマンが好きで、絵が上手なんですよね。美術系の高校に入るために、新潟から上京してきたとも聞きました。その時点ですごい決意をしていますよね。周りからどう思われても、自分のやりたいことを貫いてほしいです。私が現役なら、一緒にステージ立ちたかったなと思えた、初めての後輩でした。どの方向でもいいから、花開いてほしいです。

まるちゃん以外にも、“個の花”をどうやって咲かせていくか。
そして、グループとしても花を咲かせられるか。そこがメンバーとスタッフさんの勝負だと思います。これからのAKB48を楽しみにしています。

▽プロフィール
1989年9月11日、神奈川県出身。2007年、4期生としてAKB48に合格。選抜総選挙での選抜メンバー入りや、ユニット「フレンチ・キス」のメンバーとして活躍。2015年、AKB48を卒業。趣味である野球、プロレス関連の仕事を中心にタレントとして活動している。この秋、15年間所属したワタナベエンターテインメントからゼストに移籍した。12月6日、7日にはAKB48 20周年コンサートに出演。

(文/犬飼華)

【前編】AKB48結成20周年へ――倉持明日香、36歳の決断「事務所移籍とSNS克服で新しい自分に」
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