コスプレイヤーとして自身の衣装を製作し、そのクオリティの高さで注目を集める天音あずは。活動範囲は日本にとどまらず、台湾でも人気を集めている。
しかし、台湾での認知のきっかけはコスプレではなく、趣味で通っていた野球場で「チアガールの練習生」に間違われたことだったという。衣装制作者でコスプレイヤー、そして台湾のアイドル的存在。いくつもの顔を持つ彼女が今、本気で追いかける夢について語ってくれた(前後編の後編)。

【写真】フリー衣装製作者&コスプレイヤーとして活躍する天音あずは【8点】

――台湾でも活動されていますが、なぜ台湾に行くようになったんでしょうか。

天音 台湾プロ野球のチアガールを応援するのが趣味で、特にリン・シャンさんというすごく好きな方がいて、彼女に会うために休みを作っては2泊3日で試合を観に行くようになりました。

――ファン活動の一環だったんですね。

天音 はい。やっぱりリン・シャンさんに気づいてほしいので、ちょっとチアっぽいかわいい格好をして球場に通っていたんです。そしたら、球場に来ているファンの方たちから「チアガールの練習生なの?」って間違われることが多くなったんです。7月くらいには、球場から帰ろうとすると15人から20人くらいの撮影列ができるようになって……。台湾にはチアガールの写真が載っている野球雑誌の付録があるんですけど、それにサインを求められたり、なぜか野球ボールにサインをしたこともあります(笑)。

――一般人なのに、すでにチアガールのような扱いを受けられていると。


天音 そうなんです。チアガールじゃないのに(笑)。なので、台湾のファンの方は、コスプレイヤーというより「野球場にいる子」「歌わないアイドル」みたいな感じで認識してくれている方が多いと思います。いただくファンレターにも「羽羽(台湾ファンからの愛称)は初めて日本で好きになったアイドルです」と日本語で書いてくださったりして。ファンの半分ほどは、野球場で私のことを知ってくれていると思います。

――そのきっかけとなったリン・シャンさんは、何を見て好きになられたんですか?

天音 Twitter(現X)で「すごくかわいい子がいる」と話題になっているのを見て知りました。「こんなにかわいい子が海外にいるんだ!」って衝撃を受けましたね。ただ、当時は海外に行くという発想がなかったので「かわいいな」で終わっていたんです。でも、お仕事で台湾のイベントに行くようになってから、実際に球場に足を運ぶようになりました。

――実際に会うこともできましたか?

天音 リン・シャンさんが日本の秋葉原で写真集発売イベントをやったときに、初めてお会いすることができました。本を5冊買うとチェキが撮れるイベントで、もちろん5冊買いました(笑)。今では球場に行くとすぐに見つけてくれて、帰り際に日本語で「またね」って言ってくれるんです。
DMでやり取りさせてもらったこともあるんですが、「すぐ見つけられるよ」と言ってもらえて……。迷惑にならないように気をつけてはいるんですが、本当にうれしいです。

――台湾でチアガールとして活動したい気持ちはないのでしょうか。

天音 以前からあったのですが、去年の夏に台湾にオールスターの試合を観に行ったとき、いろいろなチームのチアガールが一堂に会するのを見て「私も台湾でチアガールになる」と決意しました。台湾のチアガールは日本とは少し違っていて「国民的アイドル」くらいのポジションなんです。空港に降りたらすぐ彼女たちがモデルした広告があったり、タクシーのラッピング広告になっていたりもします。日本で言うと、乃木坂46のような存在です。

――それはすごいですね。その夢を実現するために、現在取り組んでいることはありますか?

天音 まずは言葉の壁をなくすために、去年の1月から週2回、台湾で使われる中国語の語学スクールに通っています。自分の感情を伝えられるくらいには話せるようになりました。あとはダンスのレッスンと、体幹を鍛えるためのジム通いです。そして、実は今、とあるチアガールチームのオーディションを受けている最中なんです。


――オーディションを受けられていると。

天音 乃木坂46のオーディションを受けるようなものなので、倍率はすごく高いです……。でも、本気でかなえたい夢なので、やれることは全部やろうと思っています。合格したら活動期間中は台湾に住む覚悟です。

――衣装製作をチーム化されているのは、台湾に住むことを見据えてのことだと。

天音 そうです。台湾でチアガールになるという夢をかなえるためには、私がいなくても製作が回る体制を作っておく必要があります。なので、もしオーディションに受かったら、今のチームを会社にして、スタッフに任せようと考えています。そのために、これまで培ってきた「いかに早くきれいに縫うか」という技術を、スタッフに厳しく指導しているところです。これも未来への投資だと思っています。

――合格を祈っております。最後に、今後の展望を教えてください。


天音 今は、台湾でのチアガールのオーディションに合格することが一番の目標です。コスプレイヤーとしてオリジナルの衣装で写真集を作るという、今の活動スタイルは自分の中で一つの完成形を見つけられたと思っています。でも、ここからさらに新しい展開を広げるためには、何か新しいスパイス、新しいブランドが自分に必要だと感じました。それが、私にとって台湾のチアガールなんです。もし夢がかなったら、オールスターゲームで、憧れのリン・シャンさんと同じステージに立つ。それが今の最大の夢です。

▽天音あずは(あまね あずは)
埼玉県出身。セーラー服のデザインコンテストで入賞したことを機に服飾の道へ。専門学校卒業後はフリーランスの衣装制作者、コスプレイヤーとして活動。コスプレイヤーデビューは、同人即売会「コスホリック」。現在はオリジナル衣装を軸に、コンセプトカフェ衣装や企業からのコスプレ衣装などをチーム体制で製作中。高校時代はチアダンスを3年間経験。
現在は台湾のチアガールチーム所属のためのオーディションに参加中。

【前編】人気コスプレイヤー・天音あずは「チアダンスで体幹が鍛えられました」撮影ポーズの美学
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