日本のトップコスプレイヤー・えなこほか、インスタグラビアの女王・似鳥沙也加などが所属する事務所としてここ一年で一気に注目度を高めているPPエンタープライズ。

そんな話題の事務所に所属するコスプレイヤーたちに私服での撮り下ろしとインタビューを実施。
今回はブシロードが展開するDJ×アニメ×ゲームの新プロジェクト「D4DJ」に出演するなど、活動の幅を広げているつんこに、コスプレを始めるまでの軌跡を聞いた(3回連載の1回目)。

【写真】“美形コスプレイヤー”つんこの私服撮りおろし【17点】

──つんこさんがコスプレを始めたのは、かなり遅かったそうですね。

つんこ 小学生の頃からアニメもマンガも大好きで、気付いたらオタクだったんですよ。でも自分がコスプレするなんて考えたこともなくて、始めたのは大学卒業後です。

──最初にハマったマンガは何だったんですか?

つんこ 『なかよし』が大好きで、すごく記憶に残っているのは『東京ミュウミュウ』。その後はマンガ好きのお兄ちゃんの影響で『週刊少年ジャンプ』を好きになって、『NARUTO -ナルト-』とか『シャーマンキング』を読んでいました。

──学校ではどんなキャラクターだったんですか?

つんこ オタクなんですけど、うるさい人間でしたね。男の子の友達が多くて、いつも運動場で鬼ごっこをしていました。お兄ちゃんのおさがりを着て、男の子とばっか遊んでいたので、男っぽい女の子だったと思います。

──女の子っぽい恰好をしたいなという気持ちはなかったんですか?

つんこ いや、自分で好んでおさがりを着ていたので(笑)。うちはお兄ちゃんが2人いて、女の子は私だけだったので、小学1、2年生まで母は可愛い服を着せてくれたんですよ。でも年齢と共に自我が芽生えて、「私もお兄ちゃんみたいになりてえ!」みたいな感じになっちゃって(笑)。
その方がかっこいいと思っていたし、お兄ちゃんは私にとってのスターだったんです。

──男装のコスプレに定評のある現在に繋がるような子供時代ですね。

つんこ 中学生になってからも最初はお兄ちゃんの影を追っていたんですけど、徐々に色気づくというか。小学校からコミュニティががっつり変わって、周りが彼女や彼氏を作り出したんです。だからオタクというのも、あんまり外に出さなかったですし、中2ぐらいになると可愛いと思われたい気持ちがありました。それで女の子っぽい服を着たり、見た目を気にしたりするようになって。

──突然の変化にご家族も驚いたでしょうね(笑)。

つんこ 「こいつちょっとメスになったな」みたいな(笑)。

──部活はやっていましたか?

つんこ 本当は全く運動をしたくなかったんですけど、バスケをやっていました。どうしてバスケ部に入ったかというと、中学受験をしたんですよ。そうすると小学5、6年生は勉強中心になるじゃないですか。だから遊ぶ頻度が減って、その分、脳みそを使っていたのでゴハンばっか食べちゃったんです。
そのせいで、めっちゃ太っちゃって、お母さんに「太り過ぎじゃない? 運動をした方がいいよ」って言われたので、じゃあ部活をやろうと。でも陸上やバレーボールはやりたくないから、何となくバスケかなと、すごく消極的な理由で選んだんですよね。

──親の言うことを聞く子供だったんですか?

つんこ 見た目に反して真面目でした(笑)。コツコツやる方で、大学も3年生の時点で大半の単位は取り終わっていました。お母さんとお父さんが大好きでしたし、親からしたら素直な子供だったと思います。

──中高は目立つタイプだったんですか?

つんこ 暗い性格ではなかったので、明るく元気にみんなとワイワイ遊んでいました。高校時代は文化祭の実行委員も務めていましたからね。

──学生生活を謳歌していたんですね。家では相変わらずオタクだったんですか?

つんこ ずっとアニメとマンガは好きで、アニメイトにも通っていました。中1から学校にオタク仲間がいて、今でも繋がりがあります。むしろ当時、オタクじゃなかった友達で今でも連絡を取り合っている子はいないですね。

──学生時代、コスプレに興味を持つことはなかったんですか?

つんこ 学生時代からコミケには行っていたんですけど、コスプレをしようと思ったことはなかったです。


──こうして話していると、大阪出身とは思えないほど完璧な標準語で、関西訛りもないですよね。

つんこ 地元が河内弁なので、実際は言葉が強いんですよ。大学は東京だったんですけど、京都出身の子がいて、お互いに関西弁で話していたら、私が普通に「我、何しとん?」とか「死ねや!」とか言うから周りが怖がるんです。「怒っているの?」って聞かれることがけっこうあって、河内弁は誰にでも使うものじゃない、標準語の方が柔らかいなと思って意識的に矯正しました。

──大学時代にハマっていたことはありますか。

つんこ 相変わらずマンガとアニメは好きで、あとはインターネット。ニコニコ動画で「歌ってみた」やMADを観たり、東方Projectの歌に触れたりと、基本オタクしてました。あんまり大学のサークルにも参加しなかったですし、地元にいたときよりも引きこもっていました。

──自分も配信しようとは思わなかったんですか?

つんこ ずっと観る側でした。自分から何かを発信することはなくて、ただのツイッタラーでしたね。でもオタク文化が好きなので大学卒業後は、そういうコンテンツに関われる会社に就職したいなと思っていました。実際、就職活動もしたんですけど大失敗したんです(笑)。


──大失敗というと?

つんこ いっぱい入社試験を受けたんですけど、全部落ちて、自分は好きな仕事ができないんだって心が病んじゃったんですよ。それでガリガリになっちゃって、私の変化にお母さんも気付いたんです。「大学卒業はできるんだし、とりあえず休んだら」と言われて。結局、大学を卒業して1年ぐらいはバイトをしながら暮らしていました。

──そこで地元には帰らなかったんですね。

つんこ 大阪で就活しようかなとも思ったんですけど、就活するエネルギーが持てなくて。関西に友達もいないし、とりあえず東京で全く違うことをしようと思って、声の学校に通いました。そんなときに友達からコスプレの誘いがあったんです。

※インタビュー2<スプレイヤーとして育ててくれた恩人>はこちらから。
※インタビュー3<えなこの事務所・PPエンタに入って変わったこと>はこちらから。

(取材・文/猪口貴裕)
▽つんこ
1月9日生まれ、大阪府出身。161センチ。
AB型。コスプレイヤーとして知られるほか、グラビアやDJとしても活躍している。
Twitter:@tsunko_p
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