SNSで著名人を装い、巧みな言葉で投資に誘導して、最終的に多額の金銭を振り込ませる「SNS型投資詐欺」が横行している。最近では、詐欺師が前澤友作氏や堀江貴文氏らに成りすました事例が記憶に新しい。
このトラブルを危惧した金融教育ベンチャー「ABCash Technologies」が24日、米国出身のお笑い芸人でIT企業役員の厚切りジェイソンを特別講師として招き、「投資詐欺にダマされないためのABCash特別講座」を開催した。
実はジェイソン自身も、画像の不正使用などで被害に遭っている著名人の一人。自身のイメージダウンに加え、勤めているIT企業では「何か怪しいことをやり出したみたいだな」と社長から疑いの目で見られたという。詐欺広告の一つを追跡したところ、中国の口座につながったといい、ジェイソンは「『Why ジャパニーズ ピーポー?』だけではもう片付けられない話になっている」と語った。
※実際のSNS詐欺広告
一方のABCashも、ジェイソンを広告塔にしていることから、今年2月から4月にかけて広告のクリック率が7割減になるなど、詐欺広告の悪影響が出ているという。
国内で投資に注目が集まるなか、主に投資の初心者をターゲットにしたSNS型投資詐欺から身を守るにはどうすればいいのか。「まずは基本的な勉強を」とジェイソンは訴える。「安全な投資によってのリターンが現実的にどれくらいのものなのかを知るべき。その数値を超えるものは、危険だと思った方がいい」と伝えた。
詐欺かどうか、ジェイソン流の判断方法の一つは、米国の金利と照らし合わせてみること。「米国の金利が約5%として、そのプラスマイナス1%ならもしかしたら長期投資に実現可能な数字かもしれない。
また、詐欺被害をなくしていくために、被害にあった人たちの自尊心を傷つけず、オープンに話せる環境をつくって情報を共有していくことが大事とも。「加えて、自分の身は自分で守る。他人への信頼は素敵ですが、自分を守るという意味では、残念ながらちょっと信頼できない時代になってしまったんですよね」とジェイソン。
今後はAI(人工知能)の活用により、詐欺の手口がより狡猾(こうかつ)になっていく可能性についても言及した。