国内のおもちゃメーカー及び団体193社で構成される日本玩具協会は、2025年8月28日(木)から8月31日(日)までの4日間、第62回目となる国内最大規模の玩具見本市「東京おもちゃショー2025」を、東京ビッグサイト(西1?4ホール)にて開催。これに先駆け、8月21日に東京国際フォーラムにて、「東京おもちゃショー2025記者発表会」、そして“今年の玩具業界を代表するにふさわしいおもちゃ”に授与される「日本おもちゃ大賞」の各賞授与式が行われました。


○2025年の玩具トレンドは?

今年で17回目を迎える「日本おもちゃ大賞」は、全9部門(エデュケーショナル/キダルト/ベーシック/バラエティ/アクション/デジタル/キャラクター/ゲーム&パズル/共遊玩具)。44社350商品の応募があり、その商品の中から各部門より「大賞」および「優秀賞」を受賞した商品が発表され、さらに「ヒット・セールス賞」「特別賞」が発表されました。審査委員長は、第1回開催から引き続き玩具コレクターとして著名なトーイズ代表取締役 北原照久氏が担当。その他、玩具業界、百貨店、家電量販店、メディアなどさまざまな分野の計25名が審査員を務めました。

まず初めに、日本玩具協会 前田道裕会長が、「『東京おもちゃショー』はこれまで、新製品の発表の場、商談の場として大いに活用されてまいりました。今年も、9月のロサンゼルスなど海外でも開催されますが、これらの先頭を切って、8月末の東京で情報発信に努めてまいります。『東京おもちゃショー』は、夏休みの大きなイベントとして一般来場者の皆さまに楽しんでいただける内容になっており、昨年同様、中学生以下のお子さまは無料。専門家から見てもすばらしいと評価できる新商品をご紹介するショーとなっています」と挨拶。

続いて、日本玩具協会 見本市委員会 藤井大祐専門委員が、玩具のトレンドを説明しました。まずは「玩具市場規模は2019年度以来、5年連続で拡大を続けています。特にカードゲーム・トレーディングカード市場の伸びが昨年度に引き続き、非常に大きく、市場全体の27.5パーセントを占めるまでに拡大しています」と市場の動向を解説。

次に、「2025年の注目最新玩具はバンダイの『Tamagotchi Paradise』、仮面ライダーの『変身ベルト DXゼッツドライバー』、シャープの『コンパニオンロボット ポケとも』など。
注目のジャンルはパズル&ゲームで、子どもたちを中心としたアルファ世代に刺さる最新玩具は『PRINT CAMERA プリカ』などです。また、今年はキダルト向けの商品も多彩にそろっており、シルバニアファミリーの『赤ちゃんコレクション』などは注目の商品。“体験”と“作る”、この2つがキーワードとなった玩具としては、『運動・知育・遊びもいっぱい!GoGo!アンパンマンサイクリング』、『まげて!のばして!くっつけて!くねくねチューブメカシリーズ バイキンUFO』などが出ており、子どもたちの創造力を養います。『東京おもちゃショー』には、話題になるようなこれらの商品がありますので、ぜひご確認いただければと思います」と、アピールしました。

○エデュケーショナル部門 大賞「トミカ・プラレール ブロック のりものブロックタウン ボックス」(タカラトミー)

そして、「日本おもちゃ大賞2025授賞式」にて受賞商品が発表されました。「ベビー、知育、遊びながら学べるものなど、豊かな情操の発育、知識・知恵の発達に寄与する、知育・教育・教科学習に役立つ玩具」として、エデュケーショナル部門の大賞に選出されたのは、「トミカ・プラレール ブロック のりものブロックタウン ボックス」(タカラトミー)。受賞した同社は「この商品は、『ブロックで遊ばせたいんだけれど、うちの子にはまだ早かった、遊べなかった』というような現場の声、お子さまの声から生まれたと思っています。そういった願いを解決してあげたい、という思いで開発を進めてまいりました。この賞に恥じぬよう、今後も精一杯、お子さまの笑顔のためにお仕事をしていきたいと思います」とコメントしました。

○ゲーム&パズル部門 大賞「ブタミントン」(メガハウス)

ボードゲーム、アクションゲーム、カードゲーム、パズルなどのゲーム&パズル部門で大賞として選出されたのは、「ブタミントン」(メガハウス)。同社は「昔からご存じの方もたくさんいるのではないかと思いますが、今回の商品は、昭和レトロブームというのをきっかけに、進化して令和にリバイバルしたという形になります。昭和世代と平成世代が一緒に開発をして、令和世代の今の子どもたちに届ける商品。
3世代にまたがって愛される商品だと感じております。世代を超えてたくさんの人に遊んでいただけたらうれしいです」と想いを語りました。

○キャラクター部門 大賞「シルバニアファミリー 妖精の森と魔法のお城」(エポック)

「キャラクターIPを題材に、その世界観をとらえた玩具」として、キャラクター部門の大賞に選ばれたのは、「シルバニアファミリー 妖精の森と魔法のお城」(エポック)。同社は「シルバニアファミリーの世界に、小さくてかわいい“星の妖精”が登場しました。星の妖精が暮らす世界は、どんなに素敵で幻想的なのか?というのを考えて作った商品です。星が瞬いて見えるギミックは、星の妖精がまるで本当に不思議な力を持っているかのような気持ちにさせます」と、その詳細を説明しました。

○アクション部門 大賞「グランドモールトミカビル(トミカ55周年記念特別仕様)」(タカラトミー)

「のりもの・車、動物、恐竜、バトルホビー、RC、スポーツなど、アクティブに遊べる玩具」としてアクション部門の大賞に選出されたのは、「グランドモールトミカビル(トミカ55周年記念特別仕様)」(タカラトミー)。同社曰く「こちらの商品の企画・開発には約3年を要しました。電動と手動、両方で遊べる“らせんエレベーター”、2つの駐車場・2つのコースでの走行、大量の駐車台数、さらに3商品を合体し、ロングドライブコースが楽しめるのがポイント。かつてない挑戦の結晶となっています」とのことでした。

○キダルト部門 大賞「はずる ポケットモンスター シリーズ」(ハナヤマ)

「主に大人をターゲットにした商品」として、キダルト部門の大賞に選ばれたのは、「はずる ポケットモンスター シリーズ」(ハナヤマ)。同社は「『はずる』は、大人をターゲットにした金属製立体パズルシリーズ。
今回は、日本のすばらしいIPと組み合わせることにより、さらにパズルの魅力を引き出せたと思っております。本商品を通して、さらに今まで以上の方々にパズルを解く楽しさと製品の美しさを届けていければと思っております」と話しました。

○ベーシック部門 大賞「ルービックキューブピクセル」(メガハウス)

「人形・ままごとなどごっこ遊び、動物、ぬいぐるみ、アート&クラフトなど、五感を育む基礎的な玩具」として、ベーシック部門の大賞に選ばれたのは、「ルービックキューブピクセル」(メガハウス)。同社は「通常、ルービックキューブは面ごとに色が分かれていますが、このキューブでは、面を飛び越え、色を配色してさまざまな模様を作る……という遊び方ができます。簡単な模様から難しい模様まで作れますので、パズルが得意な方にもそうでない方にも楽しんでいただけると思います」と、商品特性をアピールしました。

○バラエティ部門 大賞「ポケモンチェンジ」(バンダイ)

「雑貨、コレクタブルトイ、サプライズトイ、マジックなど」を表彰するバラエティ部門の大賞として選ばれたのは、変形玩具シリーズの「ポケモンチェンジ ピチュー/ピカチュウ」(バンダイ)。同社は、「変形遊びって、とても難しいなと思うのですが、『ここをどうやったら変形できるんだろう』とか、『こうやったらここが動いて連動する』というところ、そういう気付きが自分でできるいうところが楽しい遊び。今回は、大人気のポケットモンスターを通して、いろんな人にこの難しく、楽しい遊びを体験してほしいなと思い、商品開発を進めさせていただきました」と、商品を紹介しました。

○デジタル部門 大賞「Tamagotchi Paradise」(バンダイ)

「パソコン型、タブレット型、液晶トイなどのデジタルに特化した玩具」のデジタル部門の大賞に選ばれたのは、「Tamagotchi Paradise - Pink Land/Blue Water/Purple Sky」(バンダイ)。同社は「“生きているTamagotchi”を目指して2年前から開発と企画をスタートさせた商品。企画していくうえで困難にぶち当たるところもあったんですが、先月無事に発売を迎えまして、現在は日本を超えて海外で、そして子どもを超えて、大人も含め全世代で楽しんで愛して育てていただいています。ユーザーの方々を見て、玩具が持っている可能性の大きさ、すばらしさみたいなものを日々実感しております」と、感慨深げに語りました。


○共遊玩具部門 大賞「おしゃべりオートロック 2階建てのグラン・メゾン」(タカラトミー)

「目や耳の不自由な子もそうでない子も、障がいの有無に関わらず楽しく遊べるよう“配慮”が施された玩具」として、共遊玩具部門の大賞に選ばれたのは、「おしゃべりオートロック 2階建てのグラン・メゾン」(タカラトミー)。同社は「このアイテムは、社内の関連部署の方々の協力も得まして、初めて盲学校の生徒さんにも遊んでいただいたという商品になっております」とコメント。実際に、視覚に障がいのある子どもたちを会社に招いて調査を実施し、さまざまな意見を取り入れていったそうで、「いろいろ発見したことを楽しい要素としてたくさん盛り込めたんじゃないかなと。たくさんの方々に遊んでいただけたらうれしいなと思っております」と話していました。

○ヒット・セールス賞「くまのプーさん 選べる回転6WAYジムにへんしんメリー」(タカラトミー)

また、「2024年度の販売実績が最も優れたもの」としてヒット・セールス賞に選ばれたのは、「くまのプーさん 選べる回転6WAYジムにへんしんメリー」(タカラトミー)。

○特別賞「BEYBLADE X シリーズ」(タカラトミー)、「スーパー戦隊シリーズ」(バンダイ)

「特に玩具業界に貢献し、顕彰に値する商品」を表彰する特別賞に選ばれたのは、「BEYBLADE X シリーズ」(タカラトミー)、「スーパー戦隊シリーズ」(バンダイ)となりました。

ちなみに同イベントでは、「東京おもちゃショー」のアンバサダーを務める声優の木村昴さんがビデオメッセージで登場。「どれもワクワクさせられるものばかりでした。大人なので全部買っちゃいま~す!」と、笑顔を見せていました。

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