米Metaは9月3日(現地時間)、写真・動画共有SNS「Instagram」のiPad専用アプリをリリースした。サービス開始から約15年を経て、初のタブレットに最適化されたInstagramアプリの登場である。
Instagramは2010年10月にiPhone向けアプリとして登場し、モバイル写真の投稿とシェアを中心に世界的に急成長を遂げた。同年4月にはAppleが初代iPadを発売しており、当初から大画面で写真を表示したいというユーザーの要望があったが、これまでiPadに最適化された公式アプリは提供されてこなかった。iPadではiPhone版アプリを拡大表示するか、機能が制限されたWeb版を利用するしかなかった。
Instagramの責任者であるアダム・モッセーリ氏は、iPad用アプリが社内の機能追加候補リストに入っていることを認めつつも、「他に優先すべき機能がある」として、これまで開発は後回しになっていた。しかし、TikTokやPinterestなど競合サービスがすでにiPad用アプリを提供していることや、折りたたみスマートフォンを含む大画面モバイルデバイス市場の成長を背景に、方針を転換したとみられる。
新たに登場したiPad版アプリでは、起動時に「リール(Reels)」が表示される。リールは短尺動画を簡単に撮影・編集・投稿できるInstagramの人気機能であり、近年は投稿時間の延長やリポスト機能の追加、倍速再生などのアップデートが重ねられてきた。MetaがTikTokに対抗する戦略の一環として強化を進めてきた機能でもあり、それが反映された設計といえる。
画面上部には、「ストーリーズ(Stories)」が並び、左側のサイドバーに「フォロー中」のフィード、ダイレクトメッセージ(DM)、発見、アクティビティ、作成、プロフィールといった主要機能がまとめられている。DM画面では、左側にチャットリスト、右側に選択した会話が表示されるレイアウトとなっていて、大画面を活かした効率的なコミュニケーションが可能だ。
ただし、現時点でiPad向けの最適化は「閲覧」に重点が置かれており、投稿機能や編集ツールの使い勝手については今後の改善が期待される。
Metaはまた、iPad用アプリに続いて、Androidタブレットに最適化されたアプリも近く提供予定としている。











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