今回は、パソコンの売れ筋をジョーシン浦和美園イオンモール店に取材しました。
同店のパソコン売り場には、そこかしこに「Windows 10 サポート終了」のPOPが貼られていました。
同店スタッフの矢野湧也氏は「Windows 10からの乗り換え需要は、5月の大型連休明けからじわじわ伸びてきています。ひとつ前のWindows 8.1サポート終了時に比べると、結構前から需要の波が来た印象です」と言います。とはいえ、供給が追いつかないほどの急激な駆け込み需要にはなっておらず、購入を検討している人にもパニックのようなものはないようです。
そうしたなかで人気を集めているのは、じっくりと検討したうえで納得できる構成の製品になっているとか。下記の「Windows 11パソコン選び、基本の3カ条」を踏まえて、売れ筋ランキングを順に追っていきましょう。
○Windows 11パソコン選び、基本の3カ条
軽い操作でもCore 5以上、複数操作を同時にこなすなら7以上がベター。長く使うなら、旧来よりワンランク上のCPUを選びたい。
Windows 11は平時のメモリー使用量も大きいので、最低でも16GBはほしいところ。32GBも人気。
ストレージは512GB以上、できれば1TBあれば余裕を持って使える。外付けストレージを検討する手。
※本文と写真で掲載している価格は、2025年7月30日15:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:約848gの軽さで1TB搭載の「FMV UH」
一番人気に挙げられたのは、富士通のモバイルノート「FMV UH93/J3」でした。同社のUHシリーズに属するジョーシンオリジナルモデルで、SSDを512GBから1TBに増量し、生体認証センサーを強化するなどの特徴を備えています。CPUはCore Ultra 7 155Hで、メモリーは16GB。重量は約848gとなります。取材時の価格は269,800円でした。
「とても軽くて持ち運びやすく、学生さんから社会人まで人気があります。AI処理が得意な最新CPUを搭載しているのと、薄型ながらもUSB type-AやLAN、HDMI端子などを豊富に揃えているのも高く評価されていますね」
第2位:バッテリーの劣化を抑えるモバイルノート「LAVIE SOL」
続く2位は、NECのモバイルノート「LAVIE SOL S1376/JAB-J」です。LAVIE SOLシリーズのジョーシンオリジナルモデルで、こちらもSSDの容量を2倍の1TBとしています。CPUはCore i7-1355Uで、メモリーは16GB。重量は約1,197gとなります。
「タッチ液晶を採用していることと、同社オリジナルのAI制御でバッテリーの劣化を防ぐ機能を備えている点が評価されています。4年後のバッテリー劣化が1割以上抑えられるということで、やはり学生さんや社会人の方によく売れています」
第3位:据え置きでも軽くしたい要望に応える「FMV PH」
3位には、16インチ液晶を採用したホームユースモデルがランクインしました。富士通の「FMV PH78/J3」で、取材時の価格は259,800円。こちらもPHシリーズをベースにした同店オリジナルモデルで、メモリー容量を2倍の32GBに強化し、液晶パネルを非光沢に変更しています。CPUはCore Ultra 155Hで、ストレージはSSD 512GBになります。重量は約1.59kg。
「家で使うにしても、なるべく軽くしたいという方によく売れています。光学ドライブを必要としないのであれば、とてもハイスペックですし、長年快適に使えるということで、幅広い年代の方に支持されていますね」
第4位:リモート授業に最適なモバイルノート「FMV Note C」
4位にも富士通のモデルが入りました。モバイルノート「FMV Note C CZ-K1」で、取材時の価格は199,800円でした。FMV Note Cシリーズの同店オリジナルモデルで、SSDの容量を2倍の512GBとしています。CPUはCore Ultra 5 134Uで、メモリーは16GB。
「画面キャプチャーやウィンドウの最前面固定などを長押しで使える『フロートアクセス』機能を備えています。これがリモート授業で便利ということで、学生さんを中心によく売れています」
第5位:キーボードとセットで定番人気の「Surface Pro, 12インチ」
5位には、マイクロソフトのタブレットPC「Surface Pro, 12インチ EP2-27747」が入りました。12インチのタッチ液晶を備え、CPUにはSnapdragon X Plus、メモリーは16GB、ストレージはUFS 512GBを搭載しています。重量は約686gで、取材時の価格は164,780円でした。
「対応キーボード(44,880円)と一緒に買って、2in1パソコンのように使われる方が多い製品です。マイクロソフト製ということで、Office 365を使うことを前提に選ぶ人が多い印象です」
はみ出し情報・・・デスクトップ型は画面一体型がスタンダード
パソコンといえばノート型が主流となるなかで、デスクトップ型の人気も根強くあります。より大きなモニターや広々とした入力スペースが確保できて、接続端子が豊富に使えるといった強みから、同店でも一定の需要があるとのこと。
デスクトップ型の一番人気を尋ねると、矢野氏は富士通の「FMV Desktop F F56-K1」を挙げてくれました。23.8インチ液晶と本体が一体化したモデルで、Core i5-1235Uと16GBメモリー、1TB SSDを搭載しています。取材時の価格は224,800円でした。
「大画面でネットコンテンツが見られるということで、最近はディスプレイ一体型がデスクトップの売れ筋となっていますね。
著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら