女優の吉永小百合が主演を務める映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』(10月31日公開)が、第38回東京国際映画祭のオープニング作品となることが明らかになった。
『てっぺんの向こうにあなたがいる』は、「女性だけで海外遠征を」を合言葉に結成されたエベレスト(ネパール名でサガルマータ、中国名でチョモランマ)日本女子登山隊の副隊長として知られる女性登山家・田部井淳子氏の実話を基にした作品。
主人公・多部純子(田部井淳子氏がモデル)を演じるのは今作で映画出演124本目となる、女優の吉永小百合。純子を支える夫・正明を演じるのは数々の映画賞を受賞している名優、佐藤浩市。純子の盟友であり、エベレスト登頂の相棒でもある北山悦子役には、吉永と映画『最高の人生 の見つけ方』以来、5年ぶりのタッグとなる天海祐希。青年期の純子役はアーティスト活動から俳優活動まで多方面で活躍しているのん。さらに、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずきらがキャスティングされており、険しい高峰へ向けて実力派の俳優たちが揃った「パーティー」となった。
この度、本作が10月27日~11月5日に開催される第38回東京国際映画祭のオープニング作品となることが発表された。本作を手がけた阪本順治監督と、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの市山尚三氏から、オープニング作品選出についてコメントが届いている。
■阪本順治監督
オープニング上映と聞き、大変嬉しく思います。映画を作る工程、作業の形態が様変わりしても、大きなスクリーンと繊細な音設計で観客の皆さんに楽しんでもらえるその喜びは、アナログの時代から変わりません。ましてや、時代を越えてスターであり続ける吉永小百合さんの存在は、いつだって私たちの宝です。どうか、皆さま、劇場へお越しくださいませ!!
■東京国際映画祭プログラミング・ディレクター市山尚三氏
実在の女性登山家とその家族を描いた『てっぺんの向こうにあなたがいる』は、主役を演じられた吉永小百合さんの圧倒的な存在感と、阪本順治監督の的確な演出とで、今年の日本映画を代表する感動作となりました。世界の観客もまた、この映画に感動してくれると確信しています。
(C)2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会
【編集部MEMO】
本作は、女性登山家である田部井淳子氏が執筆した『人生、山あり“時々”谷あり』をベースにしている。1975年にエベレストの女性世界初登頂に成功。その後も挑戦は続き、生涯で76カ国の最高峰・最高地点の登頂に成功している。映画では実話と、前出の著作を基に、エベレスト女性初登頂から、晩年の闘病、余命宣告を受けながらも亡くなる直前まで山に登り続けた姿を描いている。