ASUS JAPANは9月26日、ポータブルゲーミングPCの新モデル「ROG Xbox Ally」「ROG Xbox Ally X」を発表しました。発売は10月16日、メーカー希望小売価格はそれぞれ89,800円、139,800円で、本日より同社のECサイト「ASUS Store」や家電量販店での予約受付が開始されています。


本日の発表に先駆け、メディア向けに新製品内覧会が実施されましたので、今回はイベントの模様や発表された新製品についてご紹介していきます。

○カジュアルプレイから、ヘビーゲーマーにも応えられる新モデル

2023年に初代「ROG Ally」が、2024年には上位モデルとして「ROG Ally X」が発表、発売されています。それに対し今回は「ROG Xbox Ally」「ROG Xbox Ally X」の2モデルが同時に発表、発売されます。

これについてASUS JAPAN株式会社の藤原 拓馬氏は「新しいゲーム機を開発するにあたり、ユーザーの動向を調査したところ、スペックを求めるユーザーと、もっとカジュアルに遊びたいというユーザーがいて、それぞれにリーチできるモデルを用意する必要があった」と説明し、今回2つのモデルの同時発表が行われました。

ROG Xbox AllyはCPUにAMDの「Ryzen Z2A」を搭載しています。メインメモリは16GB、ストレージは512GBのSSDで、720p解像度のゲームに最適化されています。

そしてROG Xbox Ally Xでは同じAMDのRyzen Z2シリーズの最上位SKUである「Ryzen AI Z2 Extreme」を採用し、内蔵GPUも同社のRDNA 3.5アーキテクチャベースのものが利用でき、メインメモリ容量も24GB、ストレージ容量も倍の1TB、さらにバッテリー容量も大容量の80Whのものを搭載しています。

先の発表内容の通り、正反対のニーズから、それぞれキャラクターの違うモデルを用意し、ポータブルゲーミングPCを求める様々なユーザーを取り込もうとする同社の気概を伺いしれる仕様になっています。

もちろん性能だけでなく、操作感などゲーム機としての使い勝手も改善されています。「Xboxコントローラーを融合させたデザインで、使い慣れた操作感でゲームを遊べるようにした」とあり、ROG Xbox Ally/ROG Xbox Ally Xの筐体の左右には大型のグリップが備え付けられ、ボタンの位置なども微調整されたことで操作性が大きく向上しています。

さらにソフトウェア面も「デザインを融合させただけでなく、起動させたらすぐにゲームが遊びたいというニーズに応え、使い慣れたXboxアプリが立ち上がるように、XboxアプリやWindowsにも手を入れチューニングを行っている」とのことです。

また、Xboxボタンの長押しから表示されるメニューも専用のカスタマイズが行われ、ゲーム画面のキャプチャーや、ゲームの裏で動かしているチャットアプリへの切り替えも、ゲームパッド操作で行いやすいようになっていて、Windows PCであることを意識しないでいいような、ゲームに没頭できるよう徹底した作り込みが行われています。

○新製品の実現には、パートナー企業との強力な関係が不可欠

今回のイベントには、ROG Xbox Ally、ROG Xbox Ally Xを支える強力なパートナー企業のセッションも同時に実施されました。 日本AMD株式会社の関 路子氏(代表取締役副社長)から、新製品に搭載されている「Ryzen Z2シリーズ」のラインナップや特徴についての説明がありました。

「ゲーム市場が拡大する中で求められるのはパフォーマンス。そしてポータブル、ハンドヘルドのPCとなると長時間ゲームに没頭できる電力性能を実現できるのは、Ryzen Z2シリーズだ」とし、その上でROG Xbox Allyに搭載される「Ryzen Z2A」については「最小6WのTDPで動作するため、バッテリー稼動時間が実現できている」と言及。

ROG Xbox Ally Xに搭載されている「Ryzen AI Z2 Extreme」については、「RDNA 3.5アーキテクチャを採用したGPUと、50TOPSのAI性能で、ゲーム画面のアップスケーリングなど今までにないハンドヘルドでのゲーム体験を実現できる」と、Ryzen Z2シリーズがポータブルゲーミングPCに最適なCPUであることを強くアピールしました。

続いて、Xboxのドミニク・ゴードン氏から、新製品がXboxの名前を冠するにあたって重視したこと、取り組んでいることについて説明がありました。

ドミニク氏は「Xboxは多くの人がリビングで遊んでいると思います。それをもっと気軽に、リビング以外でも楽しめるようにしたいと考えました。そのためにはハンドヘルドのデバイスが必要で、ユーザーにもどういったデバイスがあれば満足できるかの調査を行い、最適なパートナーとしてASUSを選び、たくさんの協議を行って、本日、発表することができました。」と発言。

Xbox側からASUSをパートナーに選ぶまでの経緯と「ハードだけでなくソフトの面でもXboxの体験を損なわないよう、例えばゲームストアではポータブルゲーミングPCに最適化されたゲームかどうかを一目で判断できるコンパチビリティプログラムを開始する」といった、Xboxとしても本機のハード・サービスを展開していくことをアピールしました。

○ROGは自分たちがほしいもの、大切な人におすすめできるものを作っている

内覧会ではASUS JAPAN株式会社のDAVID CHU氏(システムビジネスグループ コンシューマービジネス事業部 統括部長)から「自分たちがほしいもの、家族や友人に心からおすすめできるものを開発している」と説明もありました。

また「ゲーマーの皆さんに寄り添った製品開発をしている」とも説明し、ユーザーの声を反映した結果としてROG AllyからROG Ally Xのようにメモリ容量やバッテリー容量を増量したバリエーションモデルのリリースを行ってきたことをアピールしました。


今回発表されたROG Xbox Ally。ROG Xbox Ally Xも同様で、先にも書いたようにユーザー、市場のニーズを聞き入れ、進化の方向性、ラインナップの拡充に真摯に向き合った結果登場した製品といえます。

実際、内覧会でふれたROG Xbox Ally、ROG Xbox Ally Xは従来モデルから改められた筐体のグリップ感も良く、いくつかのゲームタイトルを遊んでみましたが、格闘ゲームやRPG、アクションゲームなど、どのようなタイトルでも操作感はもちろんのこと、ゲーム体験として「専用のゲーム機で遊んでいる」ように感じられるほど、完成度が高くなったように感じました。

これまでにも数多くのメーカーから、ポータブルゲーミングPCが発売されており、その進化の勢いはどんどん増していくばかりです。その中でも真摯にゲーマー、ユーザーからのニーズに応え開発された新しい「ROG Xbox Ally」「ROG Xbox Ally X」は、今秋、特に注目を集めるゲーミングデバイスになるはずです。
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