AI検索サービスを提供するPerplexityは10月2日(米国時間)、AI検索を中核に据えたWebブラウザ「Comet」を無料公開した。

同社は5月にCometの招待制による小規模の早期アクセスプログラムを開始。
7月に、招待制に加えて有料プラン「Perplexity Max」(月額200ドル)の加入者を対象とした提供を開始していた。今回の公開により、誰でもすぐにCometを利用できるようになった。

CometにはPerplexityのAI検索機能とAIアシスタント「Comet Assistant」が統合されている。従来のブラウザでもAI検索機能の追加が始まっているが、後付けされたAI機能とは異なり、CometではAI検索とComet Assistantがブラウジング体験そのものに組み込まれている。

このAI機能は、ユーザーが閲覧中のWebページに関する質問への回答、コンテンツの要約、Webページの代理操作など、多岐にわたるサポートを提供する。ユーザーのWebブラウジングに常に付き添い、リサーチ作業、ドキュメント作成、コーディング、オンラインショッピングなど、あらゆる場面で生産性向上を支援する設計となっている。

Perplexityによれば、Cometを初めてダウンロードしたユーザーは、初日に質問数が6~18倍に増加している。ブラウザとAIアシスタントの組み合わせにより、ユーザーの好奇心が自然に引き出されているという。

○無料版と有料利用の違い

Comet自体は無償で利用できる。Comet Assistantに加え、パーソナライズされたニュースを提供する「ディスカバー」、プロジェクトごとに情報を整理できる「スペース」といったPerplexityの機能を利用可能だ。

ただし、CometにはPerplexityが統合されているため、Perplexityの料金プランによってブラウジング体験が異なる。無料プランでも基本的な検索や質問応答は無制限に行えるが、Proプラン(月額20ドル)やMaxプラン(月額200ドル)では、より高性能なAIモデルや高度な画像生成、精度の高い分析・文章作成などを利用できる。


Maxプランの加入者には「Email Assistant」(メール関連のタスクを自動化するエージェント機能)に加え、「Background Assistants」が提供される予定である。Background Assistantsは複数のタスクをバックグラウンドで同時並行処理する機能で、ユーザーは専用ダッシュボードから実行状況を確認でき、必要に応じて介入することが可能だ。
○モバイル版とコンテンツ品質への取り組み

Perplexityは、Cometのモバイル版アプリも近日中にリリースする予定であることを明らかにした。モバイル版では、スマートフォンに最適化されたパーソナルAIアシスタント体験を提供。「モバイル広告や時代遅れのアプリモデルによる煩雑さとストレスを解消する」としている。

また、Perplexityは質の高いコンテンツを重視し、8月に「Comet Plus」というサブスクリプションサービスを発表した。これは厳選されたメディアのコンテンツへのアクセスを提供するもので、10月1日にCNN、Conde Nast、Fortune、Le Figaro、Le Monde、The Los Angeles Times、The Washington Postなどがローンチパートナーとなることが発表された。Comet Plusは、ProプランおよびMaxプランに含まれ、その他のユーザーは月額5ドルで利用できる。
編集部おすすめ