俳優の満島真之介波瑠が、2026年2月15日からWOWOWで放送・配信されるドラマ『北方謙三 水滸伝』に出演することが発表された。

このドラマは、作家・北方謙三の小説『水滸伝』が原作で、腐敗した世に抗う“はみ出し者”たちの闘いを、現代にも通じる「理不尽な権力への怒り」や「仲間との絆」とともに描く叛逆の群像劇。
主人公・宋江役の織田裕二をはじめ、反町隆史亀梨和也らの出演が発表されている。

満島が演じるのは、誇り高き義の武人・楊志(ようし)。建国の英雄・楊業の末裔で、顔に大きな青あざがあることから“青面獣”とも呼ばれる。名刀・吹毛剣(すいもうけん)を背に、かつては禁軍の将校として帝に仕えていたエリートだった。だが、腐敗した体制への葛藤と、宋江(織田)、晁蓋(反町)、林冲(亀梨)らとの出会いをきっかけに自らの信じる正義のはざまで揺れ動く。

一方、波瑠が扮するのは、慈愛宿す希望の母・済仁美(さいじんび)。楊志の伴侶であり、孤児であった楊令の母として、温かさとたくましさを兼ね備えた女性で、幼少時代に愛する家族を失い、悲しき人生を歩み続けてきた苦労人。娼館で働く中で、楊志に出会い、幼き頃の自身と同様に天涯孤独の身となった楊令を我が子として引き取る。辛く重い過去に打ちひしがれることなく、伴侶として楊志を支え、母として楊令を慈しみながら、済仁美は家族と共に波乱の世を生き抜いていく。

楊志役としての参加について満島は「時代を超えて受け継がれてきた水滸伝の光。その光を託され、私は楊志に息吹をそそぎ、生き抜かせていただきました」と熱いコメントを。また、済仁美役を演じた波瑠は「闘いのシーンが多く描かれる中で、私たち家族の場面は、一番“親しみやすさ”を感じていただける部分」と、自身の出演シーンを振り返っている。


そんな2人に対して、WOWOWの大原康明プロデューサーは「『水滸伝』は戦いの物語であると同時に家族の物語であり、愛の物語でもあります。作品を通して描かれるこれらのテーマは時代は違えど、不変です。楊志、済仁美、そして楊令の旅の行き着く先をぜひ一緒に見届けていただけますと幸いです」と語っている。

コメント全文は、以下の通り。

○■満島真之介

時代を超えて受け継がれてきた水滸伝の光。その光を託され、私は楊志に息吹をそそぎ、生き抜かせていただきました。血を削り、魂を刻み、宿命の炎に身を投じていくごとに感じる重圧。ですがその重圧は不思議と心地よく、芯に寄り添い、背中を押してくれるようで、自分にしか感じられない気持ちを表現できたと思います。誇りを抱き、苦悩に沈んでも立ち上がる男――楊志。家族の温もりと愛を道標に、出会いの絆を力に変え、守るべきものの尊さに辿り着きました。

その道程は、時に孤独な戦いでもありましたが、闇の中で剣を握りしめた傍らには、光が灯っていたのです。それは、スタッフ・キャストの皆さん。
そして、済仁美と楊令の存在はとても大きな力になりました。楊志として、その誓いを胸に生き抜いたこと。それは人生に深く刻まれた、揺るぎない財産です。水滸伝は、夜空に瞬く星々のようにこれからも輝き続け、物語に触れた方々の心に消えることのない炎を灯すでしょう。
○■波瑠

済仁美の絶望していた過去の人生が、楊令と出会うことですべてプラスに変わっていく。その幸せや喜びが心の中で溢れているように演じました。楊令を助けて、他人同士が家族になる――血のつながりがなくても、家族の思いやりや愛する瞬間が、済仁美にも、満島さん演じる楊志にも、必要だったんじゃないかなと思います。満島さんが本当に引っ張ってくださって、「大きな波瑠と小さな晴(※楊令役・岩川晴)」は、父の大きな背中を見ながら、のびのびとやらせていただきました。闘いのシーンが多く描かれる中で、私たち家族の場面は、一番“親しみやすさ”を感じていただける部分かなと思うので、激動の中にこんな家族があったんだ、というところを見ていただけたらうれしいです。
○■大原康明プロデューサー

楊志という人物は北方謙三先生の『水滸伝』を代表するキャラクターです。楊志一族の生き様を通して、読者はさまざまな場所を旅し、多くの出会いと別れを経験しました。名門の軍人の家系に生まれ、理想と現実のはざまで葛藤する楊志は、満島真之介さんにお引き受けいただきました。
顔合わせの際、満島さんが語られた言葉の"熱さ"、そして、”覚悟”に思わず涙しました。実直さ、思わず背中を追いたくなるような魅力的な姿、プロフェッショナルな姿勢は、楊志そのものでした。満島さんでなくては、楊志は演じきれなかった、と確信しています。そ

の楊志と出逢い、共に孤児を育てていく済仁美役は、波瑠さんが繊細に、そして、温かく演じてくださいました。母としての凛とした強さと優しさを表現してくださるのは、波瑠さん以外に浮かびませんでした。映像化に際し、女性の登場人物を、特に済仁美をどのように描くか。制作陣の中でも重要なテーマのひとつでしたが、映像の中で立ち上がった済仁美の姿は、初めて小説を読んだ際に想像した姿を遥かに超える存在感と魅力を放ち続けています。「水滸伝」は戦いの物語であると同時に家族の物語であり、愛の物語でもあります。作品を通して描かれるこれらのテーマは時代は違えど、不変です。楊志、済仁美、そして楊令の旅の行き着く先をぜひ一緒に見届けていただけますと幸いです。

【編集部MEMO】
『水滸伝』は、『三国志演義』、『西遊記』と並ぶ中国三大奇書の1つで、理不尽な世の中に抗ったアウトローたちが“志の旗”のもとに集う、壮大な群像劇。日本でも江戸時代から広く親しまれ、現代では漫画やゲームにも影響を与え続ける、アウトロー文化の源流とも言える作品。
北方謙三版『水滸伝』では、その登場人物たちの葛藤や誇り、闘志を現代的な視点で描き直し、原作に新たな命を吹き込んだ大河小説の金字塔。続編の『楊令伝』や『岳飛伝』とともに、シリーズ累計発行部数1160万部を超える人気を誇っている。
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