30代を迎えて、周囲がどの程度貯金をしているのか気になる方は多いでしょう。30代の貯金に関して、先日あるSNS投稿が大きな注目を集めました。
この記事では統計データも交えながら、30代の貯蓄がどうなっているのか、リアルな姿を読み解きます。

30歳で貯金3,000万円?

先日、X(旧Twitter)で、「30歳で貯金3,000万円あるのが普通って見たけど、本当なの?」という投稿が注目を集めました。これに対し、いろいろな意見が寄せられましたが、やはり「普通に無理」「どこの世界線の話?」「超レアケース」といったコメントが多く見られました。

一般的にも、30歳の時点で貯金3,000万円はかなり上位であり、大部分の30代の方は達成していないでしょう。
統計で見る30代の貯蓄事情は?

ここからは金融庁が発表している「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」のデータを引用しながら、30代の貯蓄がどの程度あるのかを解説します。
○金融資産3,000万円以上の保有者は?

まず、30代では金融資産をどれくらい保有している方が多いのか、人数割合を見てみましょう。二人以上世帯の場合と、単身世帯の場合で、次のようになっています。

調査結果によると、30代で金融資産3,000万円以上を保有している人は、二人以上世帯で7.9%、単身世帯ではわずか3.4%です。30歳~39歳までの平均のため、30歳のみではさらに少なくなるでしょう。

さらに、ここでの金融資産とは預貯金だけでなく、株式や投資信託、生命保険なども含みます。30代の預貯金額の平均は、二人以上世帯で344万円、単身世帯では237万円です。

よって、「30歳」でなおかつ「預貯金だけで3,000万円」を達成している方は、非常にごくわずかと考えられます。

○平均値と中央値

30代の金融資産額に関して、平均値と中央値は次のとおりです(金融資産を保有している世帯のみのデータ)。

平均値で見ると高いですが、実態を反映しているのは中央値です。なぜなら平均値は高年収に引っ張られ、全体が高くなるように見えるためです。

中央値を見ると、二人以上世帯の半数は500万以下、単身世帯の半数は255万円以下であることがわかります。金融資産を保有していない世帯も含めると、さらに中央値は下がります。

大多数の人は3,000万円に届いていないことが、ここからも見て取れます。
30代で3,000万円を達成するための年収の最低ラインは?

たとえば35歳で金融資産3,000万円を達成する最低年収ラインは、だいたい年収700~800万円が目安と考えられます。

22歳から貯蓄を開始して、35歳で到達するには、貯蓄期間は13年です。利回りなどを一切無視すると、年間で約230万円貯める必要があります。

年収700万円の場合、手取りは520万円程度のため、230万円を貯めるなら貯蓄率は44%です。独身で実家住まい、あるいは一人暮らしでも家賃をかなり低く抑えれば達成できるかもしれません。

年収800万円なら、手取りは640万円程度のため、貯蓄率は35%です。
無理なく3,000万円を貯められる水準といえます。

ただし、22歳時点で年収700万円~800万円を稼げる方はほとんどいないでしょう。あくまで13年間の平均が700万~800万円ということであり、実際にはさらに多くの年収が必要となると考えられます。
高貯蓄でも生活が破綻するリスクとは

たとえ貯蓄の多い世帯でも、生活リスクがゼロということではありません。次のようなリスクに備えておく必要があります。
○インフレによる目減り

世界的にインフレが進んでおり、日本も例外ではありません。インフレが継続すると、預貯金の価値は徐々に目減りしていきます。

預貯金にはわずかな利息しか付かないため、インフレが年2%・3%などと進んでいくと、対抗できません。預貯金以外の投資・資産運用も必要になってきます。
○債務や出費の増加

住宅ローンや教育ローンなどの負債があると、貯蓄があっても100%安心というわけにはいきません。また子どもが大きくなるにつれて、教育費をはじめとした支出は増えていくため、家計を圧迫する可能性があります。

とくに中学生以降から支出が急激に増えていくため、あらかじめ準備しておく必要があります。

○生活ショック

会社員の方は、現在の仕事や収入がそのまま続いていくと無意識に思っている方が多いでしょう。しかし、疾病・失業・災害などの生活ショックが発生すると、事態は一変します。

しばらくは貯蓄を切り崩せば問題ありませんが、次第に追い詰められていくかもしれません。貯蓄があっても、急に失業して負債なども重なると、生活が破綻するリスクはあります。

失業したらどうするのか、災害のダメージを減らすにはどうするべきなのか、考えておく必要があります。

安藤真一郎 あんどうしんいちろう マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。 多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。 ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。 ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。 この著者の記事一覧はこちら
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