●“日本一歌がうまいサラリーマン”の結果は…
「は・か・た・の・しお♪」「セ~ガ~♪」――誰もが一度は耳にした“あの音”で、日本一を競う大会が初めて行われた。企業の社員たちが、自社のサウンドロゴに込めた想いを歌とパフォーマンスで表現する「サウンドロゴカラオケAWARD powered by JOYSOUND」の決勝ステージが18日、東京・J-SQUARE SHINAGAWAで開催。
わずか数秒のフレーズに詰まった愛社精神が、会場を熱狂させた。

○オープニングアクトに非情な採点

この大会は、CMなどで流れる超短尺の曲「サウンドロゴ」を全国のJOYSOUNDにカラオケ配信し、「応援ステージ」でのカラオケ歌唱回数に加え、「決勝ステージ」におけるパフォーマンスと採点、審査員による得点を総合的に審査して日本一を決定するもの。決勝の審査ポイントは「企業・団体の結束力が伝わるか」「サウンドロゴに込めた想いが伝わるか」「心に残るカラオケだったか」の3つだ。

初めての開催に、「ものすごいドキドキワクワクが今、堪りません」と主催者挨拶で語ったのは、JOYSOUNDを展開するエクシングの安井正博専務。オープニングアクトとして、JOYSOUND公式キャラクター「ジョイオンプー」を背負ったはっぴをまとい、JOYSOUNDのサウンドロゴを歌唱した。

わずか5秒の間に、大人の“JOYSOUND♪”という歌唱と子どもの“JOYSOUND!”という声が詰め込まれたこのサウンドロゴを、裏声も駆使して1人で演じ分けた安井専務。見事なパフォーマンスに出場者たちも沸き立ったが、モニターに映ったのは「採点できませんでした」という非情な文字だった。その場の全員が脱力する中、安井専務は「皆さん、僕のようにはならないでください!」と笑いを誘って決戦前の緊張感をほぐした。

○「今はない社名ではございますが…」

出場者がステージで披露するのは、「サウンドロゴ映像上映」→「120秒のプレゼン」→「サウンドロゴ歌唱」→「自社にとってのサウンドロゴとは?」という4項目。大阪・堺からやってきたトップバッターの「セルビスグループ」は、プレゼンで本格的な上方漫才を見せ、その完成度の高さに出番を待つ他の出場者たちに動揺が走る。

これにとどまらず、全20組の出場者のパフォーマンスは、それぞれの個性が爆発した。この日のために振り付けを考えて披露する社もあれば、作曲者自身がステージで熱唱する社も。
「くらしあんしんクラシアン♪」でおなじみの「クラシアン」は、プレゼンタイムで魂のポエトリーリーディングを披露し、喝采を浴びる。

また、「保研オフィス」が父娘で参戦したと思えば、「大阪狭山Smile・Smile」からはその家族の母親が登場。「セガ」はプレゼンで“日本一歌がうまいサラリーマン”と紹介した直後に、「セ~ガ~♪」の2音が完全にワンテンポ遅れてしまうという見事な“フリ・オチ”を見せた。

衝撃が走ったのは、「AssIst Path」。今回の大会に応募後、昨年12月に社名変更し、役割を終えた旧社名「T-3」のサウンドロゴを披露したのだ。「今はない社名ではございますが、精一杯歌わせていただきますので、皆さんご堪能ください」というプレゼンは、サウンドロゴにまさかの哀愁を漂わせる。最後に「自社にとってのサウンドロゴとは?」と聞かれると、「旧社名・T-3がそこにあった証し。ありがとうございました!」と感謝を述べ、刻まれた歴史を会場で共有した。

●あの名曲に「耳障りだ」「ダサい」
全国展開する有名企業からは、知られざるサウンドロゴの秘話が続々。「伯方塩業」の男性がシャウトする「は・か・た・の・しお♪」は、導入した1987年当時、視聴者から「耳障りだ」といった苦情が寄せられ、「長谷工グループ」のコミカルな「タラタタッタタ!♪」も、社内の第一印象は「ダサい」「もっとカッコいいほうが良い」と言われ、前途多難な船出だったという。

それでも使用を続け、まさに“手塩にかけて”育てていき、今や聴くだけで企業名にとどまらず商品まで想起される大看板に。サウンドロゴに歴史ありである。


審査員のはなわは「いろんなコンテストの司会や審査員をしてきましたけど、今までで一番面白いですね。 めっちゃ面白いです!」と大絶賛。コンテンツのフォーマットとしての優秀さも称え、「次回はカンテレさん(※今回の出場者・関西テレビ放送)で放送してほしい」と要望した。

テレビ局からはカンテレのほかに、サンテレビジョンも出場。はなわの言葉を受け、「予選と再放送はサンテレビでお願いします」と謙虚にアピールしていた。

出場者を見渡すと、関西の企業・団体の割合が高く、20社中8社を占めていた。やはり関西のノリとパフォーマンス力は、親和性が高いのかもしれない。

○クラシアン社員に完全に溶け込む川嶋あい

すべてのパフォーマンスが終わり、30分にわたる厳正な審査の結果、審査員賞は以下の通り決定した。

●山田勝也賞:SOHLA(宇宙開発協同組合)

講評コメント「自分の中で、一番分析できなかったサウンドでした。何を言ってるかちょっと分からなくて、何回も聴きたくなるところが結果的には素晴らしいと思いました」

●はなわ賞:セルビスグループ

講評コメント「トップバッターを漫才で盛り上げていただいて、素敵なプレゼンでした。うちの弟(ナイツ・塙宣之)が漫才協会の会長をやってるので、ぜひ一度会っていただきたいです」

●川嶋あい賞:クラシアン

講評コメント「小林亜星さんのメロディーを、すごくきれいでしっかりとした歌声で歌い上げていまして、生で聴いた時に本当にすごいなと、サウンドロゴの力をめちゃめちゃ感じました。私の今日の衣装も“クラシアンカラー”ということで、これからも(水道トラブルが起きたら)ぜひお電話させてください」

●テアトルアカデミー賞:亀田製菓

講評コメント

山根あん(子役)「準備をたくさんされてたんだなっていうのがすごい感じてきました。
しかもターン王子(※「ハッピーターン」のキャラクター)も来てくれて、もうテンション爆上がりでめっちゃ楽しかったです!」

塚尾桜雅(子役)「僕、お菓子が大好きで、特に亀田製菓さんは信頼してて。今日も楽屋のお弁当の横のお菓子の中にハッピーターンがあって、ポケットに入れてきちゃいました!」

●安井正博賞:関西テレビ放送

講評コメント「関西特有の宣伝の癖が強すぎて、(宣伝・ブランディング部の)井上さんの動きが頭から離れなくなって(笑)。それと、キャラクターは大事ですよね。ハチエモンの柔らかい唇に触りたいなっていうのが最後の決め手になりました(笑)」

●初代大賞は「突破していく企業」
そして、映えある初代「サウンドロゴカラオケAWARD大賞」に輝いたのは、TOPPANホールディングス。「TOPPA!!!TOPPAN♪」というシンプルかつ力強いサウンドロゴを、「T・O・P・P・A・N」の文字を象った振り付けとともに魅せた。

本番後、マイナビニュースの取材に応じた宣伝部長の佐藤圭一さんは「大賞は狙っていたんですけど、本当に獲れるとは思わなかったので、びっくりしています」と興奮収まらない様子。振り付けは、今回のために学生時代にダンス経験のある広報部の女性社員、岡本知花さんと米良彩名さんが2人で考えたそうで、アルファベットの細かい確度や脚の開き方までこだわったという。

また、衣装も「この日のためにスウェットとハンカチを手作りしたんです」(岡本さん)という気合いの入りよう。米良さんは「今回の受賞を機に、TOPPANが突破していく企業ということが、もっと皆さんに知っていただけたらと思います」と意気込んだ。

優勝特典には、CM音楽を制作する愛印によるサウンドロゴの楽曲化があるが、「ある程度完成したサウンドロゴなので、これをどう楽曲化するのか、全然ノーアイデアです」(佐藤さん)とのこと。

さらに、カラオケショップJOYSOUND利用券10万円分の特典については、「“TOPPA!!!TOPPAN♪”をずっと歌うつもりです。10万円分なので相当歌えると思います(笑)」と、愛社精神あふれる答えが返ってきた。


○休憩時間には至る場所で名刺交換

どの出場者のステージからも伝わってきたのは、この愛社精神。短いフレーズに詰め込んだ工夫をこらしたパフォーマンスには、自社の魅力をアピールしたいという思いがにじみ出てくる。

その愛は他社にも向けられ、出番を終えた社もこれからの社も観覧席で大いに盛り上がり、会場が一体になる光景が印象的。審査中の休憩時間には至るところで名刺交換が行われ、ビジネスの場としてもしっかり機能していた。

この決勝ステージの模様は、全編にわたりYouTubeでライブ配信され、アーカイブ配信も実施。コメントでは「この大会、素晴らしい!」といった絶賛の声に加え、カンテレの「ハチエモン」、セガの「ソニック」、亀田製菓の「ターン王子」が登場して大いに沸く場面も見られた。
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