藤井聡太棋王に増田康宏八段が挑戦する第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負(主催:共同通信社、日本将棋連盟)は、両者2勝で迎えた最終第5局が3月29日(日)に鳥取県鳥取市の「有隣荘」で行われました。対局の結果、一手損角換わりに対して早繰り銀で対応した藤井棋王が77手で勝利。
○中2日での大一番
フルセットにもつれ込んだ永瀬拓矢九段との激戦を制して王将防衛を決めたばかりの藤井棋王。2日はさんで迎えた再びの大一番は一手損角換わりに早繰り銀で挑む構図となりました。先に仕掛けたのは後手の増田八段。序盤早々に9筋の端攻めに打って出たのが決断の一手で、歩損ながら先手陣に馬を作って早くも定跡のない力勝負に足を踏み入れました。
本格的な戦いを前にしてどちらも持ち時間を半分以上使う展開に。8筋に歩を合わせて攻めたのが増田八段期待の一手で、桂得が確定しますがここから藤井棋王の指し回しが光りました。「受からないときは受けない」の方針に従って右辺の早繰り銀を活用に踏み切ったのが単純ながら厳しい構想。手順に敵陣突破が確約されて先手優勢が明らかになりました。
○連続での逆転防衛
優位に立ってからの藤井棋王の指し手は冷静でした。飛車の王手で合駒請求したのが決め手で、後手が節約して歩の合駒をすると詰み筋が生じるのを見越しています。終局時刻は18時13分、最後は自玉の詰みを認めた増田八段が投了。
1勝2敗とリードを許しながらも2連勝で防衛に成功、棋王4連覇を果たした藤井棋王は局後「内容のよくない勝負が続いて自信が下がったところがあった、かなり苦しいシリーズだっただけに防衛できて非常にうれしい」と喜びを語りました。一方惜しくも敗れた増田八段は「第4局の作戦が良くなく、流れを失ってしまった」と悔しさをのぞかせました。
水留啓(将棋情報局)
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