スクリーンタイムを活用すれば、端末の使い方を見直せたり制限できたりするので大変便利です。
スクリーンタイムにはパスコードが設定可能で、それにより細かい設定・変更が行えます。
ただし、端末本体のパスコードとは異なるため、管理には気を付けなければいけません。
そこで今回は、スクリーンタイム・パスコードの基本情報についておさらいするとともに、忘れた場合の対処方法・忘れないための対策について解説します。
【iPhone】スクリーンタイム・パスコードとは?基本をおさらい!
まず、スクリーンタイムとはどのような機能のことなのか、そしてパスコードがどのような役割をなすのかについておさらいしていきましょう。
スクリーンタイムとは?
スマホやタブレットは手軽に触れるものなので、気づいたら長い時間使っていたという経験がある人も多いのではないでしょうか。
ですが、自分がスマホやタブレットを1日にどれくらいの時間使っているのかを把握している人は意外に少ないようです。
そんな時に活躍するのがスクリーンタイムです。
端末がどのような使い方をされているのかがデータ化されたもので、使用時間の合計はもちろん、どの時間帯にどれくらい使っているかなどがグラフで表示されていて見やすいんです。
自分の使用状況を把握すれば今後の使用の仕方を改善しやすく、使い過ぎていると感じた場合には、端末の使用に制限をかけることも可能です。
大人はもちろんですが、子どもの使い過ぎ防止のために、iPhoneやiPadの使用時間を管理・制限できるという点においても魅力的と言えるでしょう。
パスコードはなぜ必要なの?
設定内容には、端末の使用制限などの制限に関わるものがあるため、簡単に変えられないようにパスコードが設定できます。
また、子どもに不適切なサイトを表示させないようにするなど、子ども向けの設定をすることも可能です。
この設定については保護者が行うため、子どもが端末を触った時に勝手に設定が変更できないようにするためにもパスコードが設定されているのです。
iOS 11以前の「機能制限パスコード」=「スクリーンタイムパスコード」
iOS 11以前の端末にはスクリーンタイムの機能はなく、「機能制限」という項目がありました。
これはどちらかと言えば子どもが使用する場合に役立つ機能のことです。
子どもが不適切なサイトにアクセスするのを防いだり、特定のアプリを使えないようにしたりなどの制限が可能です。
これが、iOS 12以降に新しく設けられた「スクリーンタイム」と統合され、今ではその中に、機能を制限できるような項目が入っています。
iOS 11の「機能制限」の際にも専用のパスコードの設定は可能だったので、この時に設定したものは、iOS 12以降でもスクリーンタイム・パスコードとして引き継がれています。
初めて使う時にパスコードの入力画面が出てきたら、それは、iOS 11以前に「機能制限」を利用していたということになります。
当時設定していた4桁の数字を入力すればOKです。
スクリーンタイム・パスコードの設定手順
iOS 12以降でスクリーンタイムを初めて使う場合は、パスコードの設定が必要です。
設定の方法や手順についてもチェックしておきましょう。
「設定」の中にある「スクリーンタイム」を開きます。

少し下にスクロールすると、下図のような設定項目があるのでそちらをタップします。

あとは、忘れないような4桁の数字を入力するだけ。

再確認のため2回入力する必要があるので、その際間違えないように気を付けましょう。また、もしも忘れてしまった時に復旧させるために、Apple IDも続けて入力してください。

これで設定は完了です。
設定以降は、各項目を変更しようとするたびに、パスコードの入力を求められるようになります。
子どもによる誤操作を防ぐためにも、子どもが分からないような数字の組み合わせにするなど、工夫をしておきましょう。
ファミリー共有の設定
13歳以下の子どもがいる場合、子ども用のアカウントを作ることが可能です。
アカウントを作っておけば、子どもがiPhoneやiPadを使用した際に子どもだけに使用の制限をかけられてとても便利ですよ。
子ども用アカウントにスクリーンタイムを設定する場合は、まず先ほどの設定画面の中にある「ファミリー」の項目の中から、該当の子どもの名前をタップしてください。

そしてスクリーンタイムをONにし、表示される設定項目を見ながら手順通りに先に進んでいきます。

使用できる項目や使用可能時間など、細かい設定が可能です。
一通りの設定を終えたら、最後にパスコードの入力画面が出てきます。
子どもが分からないような数字を入力して設定完了です。
【iPhone】スクリーンタイムのパスコードを忘れた!対処方法①リセットする
パスコードを忘れてしまうと細かい設定や変更ができません。
そのため、忘れないような数字の組み合わせにした方が良いのですが、たくさんのパスワードを日々使っていると、そうもいかないこともあるでしょう。
でも、設定したパスコードを忘れてしまったとしても大丈夫です。
パスワードをリセットする方法があるのでご紹介してきます。
iOS 13.4からリセットできるようになった
iOS 13.4より前のバージョンではリセットはできず、忘れてしまった際には、端末自体を初期化するしかありませんでした。
再設定するために、iPhone自体を初期化するのはかなり手間がかかります。
しかし、iOS 13.4以降ではリセットが可能となったため、初期化が不要になります。
これで、万が一パスコードを忘れてしまった場合であっても安心です。
iOS 13.4より前のバージョンでスクリーンタイムを使っている人は、万が一に備えて、最新のバージョンにアップデートすることをおすすめします。
リセット手順
スクリーンタイムの設定画面で「スクリーンタイム・パスコードを変更」をタップします。

すると、変更するかオフにするかを選択できるようになるので、「スクリーンタイム・パスコードを変更」を選択します。

すると、パスコードの入力画面が出てくるのですが、その画面下に忘れた時の誘導箇所があるはずです。

そちらを押すと復旧画面に遷移するので、Apple IDとパスワードを入力してください。あとは、新しいパスコードを入力すればOKです。
【iPhone】スクリーンタイムのパスコードを忘れた!対処方法②初期化する
何らかの理由により、iOS 13.4より前のバージョンを使わなければいけない場合は、スクリーンタイム・パスコードのリセットには対応していないため、端末を初期化するしかありません。
以下では初期化する際の手順について解説します。
PCでiTunesを操作して初期化する
初期化はiPhone本体でも可能ですが、iTunesにつなげて初期化するのがスムーズです。
iTunesとiPhoneをつなげると、使っている機種はもちろん、空き容量・最新バックアップ情報・新しいバージョンのダウンロード状況などが一目で分かるように表示されています。
また、その状況に応じて画面からそのままバックアップやアップデートの操作ができるのでスムーズに操作できますよ。
iPhoneで操作する時のように、画面を行ったり来たりする手間が省けるので、スムーズであるのはもちろん誤操作も防げるでしょう。
初期化手順
まずは、PCとiPhoneを接続してiTunesを立ち上げます。
場合によっては、iPhone側に「PCを信頼するかどうか」というポップアップが出ることがあります。
その際は「信頼する」を押し、画面の指示に従って先に進んでください。
正常に接続されると、iTunesの画面左側にスマホマークが出てきます。

そちらを押すと、接続したiPhoneの概要・設定が見られるようになります。

機種名が表示されている枠の中に書かれている「iPhoneを復元」を押すと初期化が可能。

ただし、「探す」機能がONになっている場合は、そちらをOFFにしてからしか初期化できません。

iPhone側で「探す」機能をOFFに設定してから、PC側で復元を試みるようにしてください。


設定し直したうえで「復元」をクリックすると、以下のような画面に切り替わります(バックアップと復元の両方を選択した場合)。

こちらを実行すれば、工場出荷前の状態になり、完全に初期化されます。
注意!操作する前にバックアップは忘れずに!
上記でも触れましたが、初期化する前にはiPhoneのバックアップを取ることが必須です。
PCに接続して初期化する場合、上記項目でも触れたように、初期化と同時にバックアップを取ることも可能(ポップアップから選択)。
そのため、、事前にバックアップを取り忘れていても安心です。
ただし、大切なデータを守るためにも小まめにバックアップは取っておいた方が間違いないので、定期的にバックアップを取っておきましょう。
もしくは、自動的にバックアップを取るような設定にしておくことをおすすめします。
バックアップ方法は以下の通りです。
設定からユーザー名をタップして「iCloud」に進みます。

その中にある「iCloudバックアップ」を選択。

これがONになっていれば、状況次第で自動的にバックアップを取ってくれるので安心です。
下図の赤枠のところに最新のバックアップデータの状況が書かれているので、少し古いデータであるようならば、そのまま手動でバックアップを取ってもOKです。

【iPhone】スクリーンタイムのパスコードを忘れた!対処方法③ツール・ソフトを使う
ツールやソフトを使って対処する方法もあります。
以下ではその方法について見ていきましょう。
「PassFab iPhone Backup Unlocker」を使う
「PassFab iPhone Backup Unlocker」とは、上記で説明したような再設定や初期化などの手間をかけずにロックを解除できる便利ソフトです。
どのようなパスコードが設定されているのか、独自の計算方法によって解析してくれます。
この方法によって解除できるのは、iPhoneのバックアップパスワードやスクリーンタイム・パスコード。
ソフトをダウンロードしたパソコンとiPhoneとを接続したらソフトを起動させ、解除したい項目を選んで解析を開始するだけでOKです。
あとはソフトが自動的にパスワードなどを解析し、ロックを解除してくれます。
無事解除されたら、画面上に初期設定の方法が出てくるので、それに従って新たなものを設定してください。
PassFab iPhone Backup Unlockerをダウンロード
「AnyUnlock」を使う
「AnyUnlock」はiPhone上におけるすべてのロック画面に対応しており、Apple IDまで削除可能です。
もちろん、スクリーンタイム・パスコードも対象です。
操作自体も簡単なので、初心者でも安心して使えるでしょう。
AnyUnlockを立ち上げたらロックを解除したいiPhoneを接続させます。
さまざまな項目が出てくるのですが、その中から「スクリーンタイムのパスコードを解除」を選択しましょう。「今すぐ解除」を押せば解除されます。
ただしこの際、本体バックアップのために、iPhoneそのものに設定されているパスワードの入力が必要です。パスワードを入力してバックアップがされれば、解析が開始されて無事解除されます。
AnyUnlockをダウンロード
「PhoneRescue for iOS」を使う
なくなってしまった写真・連絡先などのデータをiCloudから復元できるソフトです。
ほかにも、端末本体のパスワードやスクリーン・パスコードの削除にも対応しています。
しかも、端末に残されているデータを消すことなく削除・復元できるのも魅力的ですよ。
データ復元に加えてパスワードなどを削除して設定し直したい人におすすめのソフトです。
PhoneRescue for iOSをダウンロード
【iPhone】ファミリー共有で管理しているアカウントの場合は?
上でも触れましたが、スクリーンタイムはファミリー共有しているアカウントにも設定可能です。
アカウントがそもそも違うので、パスコードも別に設定できます。
万が一ファミリー共有しているスクリーンタイム・パスコードを忘れた場合はどのように対処したら良いのでしょうか。
方法を見ていきましょう。
管理者のデバイスからしかリセットできない
ファミリー共有しているアカウントに関する設定は、管理者側の端末からのみ行えます。
つまり、パスコードの変更や解除は管理者側の端末でしか行うことができません。
管理者のデバイスからリセットする手順
設定画面を表示させ、ファミリーの欄に書かれている、リセットしたいアカウントを選択してください。

画面を開くと、ファミリ―共有しているアカウントに関する設定画面が開きます。その中の「スクリーンタイム・パスコードを変更」に進みます。

そして出てくるポップアップのうち青字で書かれた「スクリーンタイム・パスコードを変更」を押してください。

まずは今使っている端末の認証(Face IDもしくはTouch IDで)を行い、次にパスコードの設定です。
自分の端末本体のものとは異なり、ファミリー共有しているアカウントに関しては、端末本体の認証さえ済んでしまえば自由に変更ができます。
つまり、以前設定したパスコードを忘れてしまったとしても、新しいものを設定できるのです。
設定画面で、新しいパスコードを2回入力(2回目は確認のための入力)すれば設定完了となります。
【iPhone】スクリーンタイムのパスコードを忘れないようにする方法
上記のようにスクリーンタイム・パスコードの解除は可能ですが、まずは忘れないようにしっかり管理しておくことが大切です。
そこで、忘れないためのおすすめの対策を紹介します。
パスワードマネージャーを使う
パスワードマネージャー:パスワード管理アプリ

開発:Trend Micro Incorporated
掲載時の価格:無料
Ver:iOS 5.7.1129
iPhoneアプリを
App Storeでダウンロード
Androidアプリを
Google Playでダウンロード
パスワードマネージャーは、登録したパスワードなどの情報を管理できる便利なソフトです。
iPhone専用のアプリをインストールすれば、いちいち入力をしなくても、端末の認証さえできれば、アプリに入っているパスワードのデータを使うことができます。
スクリーンタイム・パスコードの場合は自動入力に対応してはいませんが、保存自体は可能です。
iCloudキーチェーン機能を使う
iCloudキーチェンとは、あらかじめサイトやアプリ・アカウント情報を登録しておくことで、自動入力してくれる機能のことです。
自動入力のために登録するのはもちろんのこと、パスワード管理用のメモとしても活用できます。
設定から「パスワード」を選択します。

端末の認証を済ませたら、登録済みの情報や設定項目が表示されています。

右上の「+」を押して新規でアカウント情報などを登録できるので、ここからスクリーンタイム・パスコードの情報を保存しましょう。
万が一に備えて、スクリーンタイム・パスコードを忘れた時の対処法を覚えよう!
スクリーンタイムは、iPhoneなどの端末の使用を管理する際には大変役に立つ機能の1つです。
特に子どもがいる方はこの機能を使えば使用制限ができて、使い過ぎ防止などに役立ちます。
細かい設定には専用のパスコードが必要ですが、万が一忘れたとしても、リセットなどの適切な対処法を取ることで、再び機能を使うことができます。
スクリーンタイム・パスコードを忘れた場合に備えて対策を整え、スクリーンタイムを上手に活用しましょう!