2019年8月にオープンした草津温泉の素泊まり旅館【源泉一乃湯】。和モダンの館内はスタイリッシュ。
ハイセンスなモダン旅館
大正期に創業した一田屋旅館をフルリノベーション。2019年8月にリニューアルオープンした際、一田屋から「一」の文字を受け継いで、源泉一乃湯と名付けられました。
▲草津温泉バスターミナルから徒歩3分。湯畑にも2分の立地
宿には駐車場がないので、車利用の方は姉妹館「草津ナウリゾートホテル」の無料駐車場に停められます。ホテルから湯畑にはシャトルバスを利用しましょう(バスの時刻表は草津ナウリゾートホテルのホームページを確認ください)。

▲広いラウンジはくつろぎのスペース
玄関で靴を脱いてロッカーに入れ、奥に進むと広く天井の高いロビーラウンジになっていて、窓際には夜にオープンするバーのカウンターがあります。

▲1951年築の建物は柱や梁を残していて、今では貴重な太い木材を目にすることができます
増築を繰り返した古い旅館をリノベーションしているため、建物は中庭を囲むように「口」の字型に配置され、迷路のような館内です。ロビーを含め3箇所にラウンジがあるほか、思いがけない場所に階段が設けられ、高い天井には明り取りがあったりと、館内探検も楽しんでみてください。

▲中庭には自家源泉かけ流しの足湯があって、いつでも自由に使えるほか、フォトスポットとしても人気

▲ロビーの一画にある売店では、飲み物やアイスクリーム、お土産を用意

▲無料で使える大型ロッカー
ロッカーにはチェックイン/チェックアウトの前後にも荷物を預けられます。坂の多い草津の町を手ぶらで観光できるのも高ポイントです。
客室で愉しむプライベート温泉
客室は10タイプ46室で、50平米以上の広い客室が多いのも特徴。すべての客室には2ドアの冷蔵庫と電子レンジを設置。キッチンを備えた客室もあって、フライパンやお皿なども無料で借りられます。そのうえ3分の1が温泉付きの客室で、自家源泉を引いたお湯は12部屋、湯畑から引いたお湯が4部屋ある贅沢さです。

▲「露天風呂付ツイン ミニキッチン付」。リビングにはテーブルも用意
4部屋ある「露天風呂付ツイン ミニキッチン付」は、間取りが異なる36平米~52平米の客室で、“湯畑源泉”かけ流しの露天風呂がついています。

▲「露天風呂付ツイン ミニキッチン付」のベッドルーム

▲冬は部屋で雪見露天風呂を楽しめます
テラスには24時間源泉かけ流しの露天風呂があるほか、シャワーブースを設置。外側の窓はロールスクリーンを降ろせます。

▲広いテラスに設けられた露天風呂。温かい季節は外気浴で夕涼みができます
「露天風呂付ツイン ミニキッチン付」は、宿の3階と4階に2部屋ずつあって、近ごろ“裏草津”とも呼ばれるようになった「地蔵広場」を見下ろせます。

▲自家源泉“新地蔵の湯”を部屋に引く「露天風呂付デラックスツイン」
1部屋のみの「露天風呂付デラックスツイン」は66平米もあるゆったりとしたスペースが魅力的。定員は3名で、ミニキッチンを備えた人気の客室です。

▲ここでしか入れない特別なお湯“新地蔵源泉”
源泉一乃湯は敷地内から湧き出る自家源泉を持つ、草津では数軒しかないお宿のうちの一軒。
湯畑に湧く温泉が引かれた大浴場
大浴場は、女湯と男湯では間取りがちがっていて、女湯のほうが広い造りになっています。46部屋のうち16部屋に温泉が引かれているので、大浴場はさほど混み合わずに利用できました。

▲女湯は大正ロマン風のレトロモダンな雰囲気
大浴場には温度が異なる湯船が2つと壺湯が2つ設置され、湯畑から湧く“湯畑源泉”がかけ流されています。泉質はpH2.1の強酸性ですが、湯ざわりのいい名湯です。

▲湯畑源泉をはじめ、草津では無色透明の泉質が多いのですが、日によって少し白濁することも

▲女湯は2023年に温度の違う壺湯が登場

▲ロッカーは鍵付き。脱衣場にはアメニティも用意しています
草津にちなんだシグネチャーカクテル
ロビーにある「BAR一乃湯」は17時からオープン。外来客も利用可能で、地ビールのほか、ウイスキーなどは種類も豊富で、草津温泉にちなんだカクテルも用意。1杯飲める宿泊プランもあります。湯畑周辺には飲食店がたくさんありますが、気軽に立ち寄れるバーは少ないので、お酒と雰囲気を楽しみたいという人におすすめです。

▲浴衣のままちょっと一杯。気軽に楽しむお客さんも多かったです
多くのお客さんがオーダーするのが、BAR一乃湯のシグネイチャーカクテル「湯畑ナイトラグーン」。ブルーキュラソーとパッションフルーツ、レモン、ソーダを使って酸性の温泉とライトアップした夜の湯畑を表現。ほんのり甘味と、レモンでスッキリ。

▲一番人気「湯畑ナイトラグーン」
「湯釜デイドリーム」は、ブルーキュラソーやピーチツリー、オレンジジュースを使った甘めのカクテル。エメラルドグリーンの水をたたえた白根山の火口“湯釜”をイメージ。ツートンカラーで提供され、ゲストがかき混ぜるとエメラルドグリーンの湯釜が完成。写真を撮りたくなる可愛さで、女性にも人気です。

▲草津白根山の噴火口をイメージした「湯釜デイドリーム」
本格的なラーメンと無料の朝食
源泉一乃湯は素泊まりの宿ですが、無料のサービス朝食を用意。さらに有料となりますが、夜に“こだわりラーメン”を食べられる、ちょっと珍しいお宿です。

▲玄関から中庭をはさんだ奥にあるラウンジはフリースペース。ここで朝食やラーメンをいただけます
ラーメンをこよなく愛する宿のスタッフが、理想の味を求めて試行錯誤したのが「手塩にかけた限定鶏そば」。鶏の軟骨と野菜だけをじっくり煮込んだスープは、深く軽やかで上品。低温調理で柔らかく仕上げた鶏肉と、歯ごたえのある野菜をトッピング。途中別添えの鶏油(ちーゆ)を加えて、コクをプラス。

▲「手塩にかけた限定鶏そば」。19時から21時30分の間に1階のラウンジで提供され、スープが終わり次第終了です(¥1,100)
無料のサービス朝食は、パンやソーセージ、野菜などがついたプレートで提供。朝食を希望する方は、チェックイン時に時間を指定します。日替わりで内容も変わりますが、この日はドライカレーが添えられて、パンにのせて食べても美味しかったです。※有料宿泊者のみ提供

▲3種類のパンとソーセージ、野菜、ドライカレー、コーヒー

▲湯畑まで徒歩2分。夜の散策にも便利なお宿です
モダンでスタイリッシュなニュータイプの温泉旅館【源泉一乃湯】。広くとられた客室や、プライベートに楽しめる客室温泉も魅力的。天下の名湯とうたわれる草津温泉で、新しい旅の形を見つけてみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:源泉一乃湯 https://www.kusatsu-ichinoyu.jp/>