整理整頓や片づけは、少しでも生活を快適にするために避けては通れない課題の1つですが、いざ取り組んでみたところで「なかなか片づかない…」という方は少なくないようです。そこで、整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの資格取得の際に学んだ内容から、仕事や家事、気持ちを片づけるときの基準にしていることを紹介します。

自分の言葉で自分の心が落ちてしまわないように

ある週末。わたしより少し年上の女性と、かなり年下のインストラクターさんの3人で飲みに行きました。全員まあまあ飲むのですが、その日は少し体調もよくなかったようで、気づいたら記憶が吹っ飛んでいました。3軒目の記憶がないのです。怖。

そして、それはもう1人の女性も同じだったようなのですが、その反省の仕方が激しく…。

「◯◯さん(インストラクターさん)からしたら、おばさん達、なんでこんなになるまで飲むかな…と思ってるだろうな~…」

と、かなり長い間、すさまじく反省し、「もう◯◯さんのレッスン受けられないかも…」とまで言っていました。

わたしも反省はしています。でも、「おばさん達が飲んで酔っ払ってしまったこと」にそこまでフォーカスしなくてもいい気がしたのです。普通に呑兵衛の反省でよくないだろうかと!

そして、確かにそうなのですが、その女性から「おばさん達」と言われたことに、

「あれ、わたし巻き込まれおばさんになっている」

と、ちょっとだけもやもやしていることに気がつきました。いくらわたしがおばさん世代だからといって、同じおばさんの立場なら相手を「おばさん」呼びしてもいいわけではない、と個人的には思っているからです。

少なくともわたしは同年代の方を「わたしたちおばさんがさ」というような発言をして巻き込んだことはありません(…ここまで、おばさんおばさん連呼して少し疲れてきました。

あまりポジティブなワードとされていないからでしょうか)。

おばさんは、酔って記憶なんて飛ばしたらみっともない。若い世代の人がおばさんと飲んでくれるなんてありがたくて申し訳ない。おばさんだから見た目をどうにかしないと…。(さらにおばさんを連呼)

このように、おばさんが自らをおばさんとして自虐するのが、わたしは昔からあまり好きではありません。

20代のときは、自分より年上の女性が「おばさんだから…」と自分を下げた感じで話すのを聞くのはなんだかつらかったのです。「将来、この未来がやってくるのか」と、必ずおばさんになる自分の行く末を感じたからかもしれません。

そして、自分が迷うことなくおばさんと言われる年代になった今も、まわりの女性が自分のことを「おばさん」と自虐するのはあまり見たくはない。

なんならおじさんに対しても同じことを思っています。お腹が出た、老けた、おじさんぽくなった…とか。そんなおじさんおじさん言わなくてもいいのにな、と。

だって、みんな等しく年はとるのに。

そんなに老いって悪なのでしょうか…。

わたしは立派なおばさん世代ではありますが、自らを「おばさんだから◯◯」とはあまり言いたくないと思っています。周りの人が聞いても楽しい内容でもないし、頑張ってここまで生きてきたことを自ら否定してしまうような気がして、自分が発したその言葉によって心が落ちてしまうから。

体に関することも、「歳のせいだから」とは言いたくない。だってさんざん周りから言われるから、これ以上自分で言わなくてもよくない? と思っています。たとえば…病院に行けば「ストレスです」のかわりに言われるのは「加齢です」。

わかってるわかってる。

でもつらいから少しでもどうにかしたくて来ているのに…とちょっと悲しくなることがあります。

もう十分周りから浴びているから、せめて「加齢」「おばさん」などの言葉を自分で自分に叩きつけずに過ごしていきたい。
年を重ねた自分を必要以上に否定することなく、加齢を受け入れながらできるだけ日々を心楽しく過ごせる「年配の女性」でいたい。

自分を必要以上に「おばさん」設定すること、そして同年代の女性を「巻き込まれおばさん」にすること、この風潮がもう少し減っていったらいいなぁ…と思っています。<text:なまけるための片付け/花太郎(整理収納アドバイザー) https://note.com/namake_kataduke>

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