整理整頓や片づけは、少しでも生活を快適にするために避けては通れない課題の1つですが、いざ取り組んでみたところで「なかなか片づかない…」という方は少なくないようです。そこで、整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの資格取得の際に学んだ内容から、仕事や家事、気持ちを片づけるときの基準にしていることを紹介します。
自分の心を鈍感にしすぎずに「違う国の人」と仕事するコツ
ある連休明けの日のこと。朝からあちこちからSlackでややこしい連絡があり、ダメ出しがあり、なんとなく嫌な気持ちになるやりとりがあり、先方の認識違いから突然発生しためんどうな仕事があり。あっという間に消耗し、疲れた…もう何もする気が起きない…余裕がない…イライラする…と、ネガティブな感情が湧いてきました。
もう、何も感じないようにしたい…。そして、めんどうなやりとりをできるだけ早く終わらせたい。相手の言う通りにすれば丸くおさまる上に、仕事が進むならそれでいいではないか。
どうせ相手は自分の思うようにしたいのだし。だったら反論も、意見も言いたくない。その時間が無駄だ。いちいちまともに受け止めて、時間をかけてじっくり考えている余裕がない。そして、これ以上嫌な気持ちになりたくない。
自分の心を守るために、心を閉じよう。
感じなければ、淡々と仕事をこなしていける。何も心に入れない、受け止めない。言われた通りにミッションこなしていきますね! はい、喜んで!
これならなんとかやっていけるかもしれない。……そう思いつつ。
こんな状態が続くと、心がどんどん硬く、鈍感になっていくように感じます。それはまるで、頑丈な壁で周りの世界から自分を隔離しているような感覚です。
仕事や人間関係において、やり取りがすれ違うのは、誰もが自分の「国=価値観」から物事を見ているからではないでしょうか。だから、どんなに腹が立つこと、理解できないことを言われたとしても、それは相手にとっての正義です。向こうから見たら、それを理解できないわたしこそが、違う国の人。
相手が「違う国の人」なら、多少嫌なことを言われても、そんなに気にしなくてもいいのではないのでしょうか?
「この言葉はちょっと遠い国の言葉だからよくわかんない。ニュアンスだけ受け取っておくか」
くらいのざっくりした感覚で、時には受け流すことも必要なのかもしれません。
……そんなことを思いながら寝た翌日。「きのう言われたこの内容がどうしてもわたしには完全にはわからなくて、悩んでいます(心の声:あなたは自分が正しいと思ってダメ出ししまくったのだと思うけど、その理由が少し理不尽だし説明不足なんだよ)」と、前日にダメ出しされまくった相手に素直に伝えて、話し合った結果、いったん、その内容についてはお互い理解することができました。
ああ、よかったよかった。
と、思ったのもつかの間、その翌日にはまた別の「この国ではこういうルールなのである!」という話が勃発するのですが…。
でも、考えてみれば、私たちはみんな「違う国の人」みたいなもの。そう思えば、少し気持ちが楽になるかもしれません。自分の心を鈍感にしすぎないためには、こういう違いをスルーし、自分の国(心)を「鎖国化」することで守って一見うまくやるのではなく、時には長期戦も覚悟して、
「隣国のものですが、あなたの国の文化を理解したいのです」
と扉を叩くことも必要なのだろうな、と思いました。自分の扉をほどよく開けながら、そして相手の扉も開けてもらう努力をしながら、柔かい心で周りの人と繋がって生きていけたらいいなぁ。そう思っています。<text:なまけるための片付け/花太郎(整理収納アドバイザー) https://note.com/namake_kataduke>