美容やダイエットの話題でよく聞く「水を1日2リットル飲むと痩せる」というフレーズ。なんとなく信じて実践している人も多いのでは?でも、この「2リットル神話」はやや誇張気味。
水を飲むと代謝が上がるのは本当。でも劇的な効果ではない
水を飲むことで一時的に代謝がアップするという研究は実際にあります。とくに冷たい水を飲んだとき、体が体温を保つためにエネルギーを使う「水熱産生」という働きが起こるのです。
例えば、「500mlの水を飲むと約24kcalほど消費する」と言われていますが、このカロリーは小さじ1杯の砂糖にも満たない程度。つまり、水だけで劇的に痩せることは期待できません。あくまで“代謝のサポート役”として考えるのが現実的です。
「むくみやすい人」こそ、水をしっかり飲むべき!
「水を飲みすぎるとむくむ」と思っていませんか?実はその逆で、水分不足こそがむくみの原因になるケースが多いんです。
体が水分不足を感じると、少ない水をため込もうとする“防御反応”が起きてしまい、かえって体が重だるくなることも。しっかり水分をとることで巡りがよくなり、老廃物の排出や代謝の安定にもつながります。便秘がちな人や汗をかきにくい人にも、水分補給は効果的。体内バランスを整えるためにも、積極的に水をとる習慣を意識しましょう。
あくまで「2リットル」は目安。自分に合った量を知ろう
よく聞く「1日2リットル」という数字は、あくまでひとつの目安にすぎません。運動量や汗のかき方、気温や湿度などによって、必要な水分量は人それぞれ。さらに、スープや生野菜、果物など食事から摂る水分も含めて考えると、「2リットル飲まなきゃ」と無理する必要はありません。
おすすめなのは、「のどが渇く前にこまめに飲む」こと。そして「尿の色が濃すぎないか」「トイレの回数が極端に少なくないか」を目安に、自分の適量を見つけていくことです。
水は“痩せ薬”じゃない。でも、痩せやすい体の土台をつくる
水を飲むだけで痩せるわけではありませんが、代謝や巡りを整えることで“痩せやすい体”をつくるサポートにはなってくれます。大切なのは、「水に頼る」ダイエットではなく、「水を味方にした」生活習慣を身につけること。無理せず、こまめな水分補給を意識することで、体の内側からスッキリ整えていきましょうね。<監修:かめやまあけみ(食生活アドバイザー)>