テレビを見ながら、スマホをいじりながら…気づけばお菓子の袋が空っぽ。そんな“ながら食べ”は、無意識にカロリーを摂りすぎてしまう代表的な原因の1つ。
“ながら食べ”は満腹中枢を鈍らせる
人は「どれだけ食べたか」を記憶しながら満腹感を得ています。ところが、テレビやスマホに注意を奪われると食べた量を把握しづらくなり、食べすぎを招いてしまうのです。
実際、英国・バーミンガム大学の研究では、ゲームに集中しながら食事した人は、そうでない人より食後30分以内の間食量が増えたことが明らかになっています。さらに、ハーバード大学でも「注意散漫な食事習慣が肥満リスクを高める」と指摘されており、世界的にも“ながら食べ”習慣が過食と体重増加に直結することが裏付けられています。
お菓子1袋で“運動1時間が帳消し”に
例えばポテトチップス1袋(60g前後)は約350kcal。チョコレートは数粒で200kcal程度。合わせれば簡単に500kcalを超えます。これはジョギング約1時間、ウォーキングなら2時間以上のカロリー消費量に相当。せっかく運動しても、無意識にお菓子を食べるだけで効果が帳消しになってしまう可能性があるのです。
特に夜の“ながら食べ”は、寝る直前で消費エネルギーが少ないため、脂肪として蓄積されやすいのも注意点。つまり“ながら食べ”は、痩せたい人にとって最も避けたい習慣の1つと言えるでしょう。
防止には“意識”と“仕組み化”がポイント
完全にお菓子をやめなくても、“ながら食べ”を防ぐ工夫で摂取カロリーはぐっと抑えられます。
・お皿に移して食べる
袋ごと食べると無限に手が伸びがち。小皿に分けることで量を視覚的にコントロールできます。
・食べる時はスマホを触らない
「食事中は食べることに集中」とルール化するだけで、無意識に手が動くのを防げます。
・水分をセットにする
お茶や水を一緒に飲むことで、少量でも満腹感が得られやすくなります。
こうした小さな工夫が、知らぬ間に増えるカロリー摂取を防ぎ、ダイエット成功に直結します。
無意識の“ながら食べ”で積み重なる500kcalは、1週間で脂肪約0.5kg、1ヶ月で約2kgに相当。小さな習慣の積み重ねが「太る」か「痩せる」かを分けます。ダイエットを成功させたいなら、まずは“ながら食べ”をやめ、食べ物をきちんと味わうことを意識することから始めてみてくださいね。<監修:かめやまあけみ(食生活アドバイザー)>