海のない岐阜県で育った私が海を初めて見たのは福井県でした。
3歳か4歳の頃だったかと。
次から次へと打ち寄せる波に好奇心はあったのでしょうが、
恐怖の方が先に立ち、海に入っていけませんでした。
旅先で海を見ると今でも思い出すことがあります。
大人になり、歳を経るにつれ、今度は好奇心より億劫が先に立つようになりました。
「私はいいかな」
などと言って機会を逃すことも多い。
先日、愛媛県の伊予市に滞在していると、サップ(SUP)に誘われました。
サップとはスタンドアップパドルボードの略称で、ボードの上に立ち、パドルを使って水面を漕ぎながら進むウォータースポーツの一つらしい。
瀬戸内海は穏やかなので波がなく、初心者にはいいらしい。
私は海に10年近く入っておらず、
海に入った後、海水を流すためのシャワーや海パンの処理など考えると「億劫」が頭を過ります。
しかも足がつかない海でボードから落ちた時のことを考えると「恐怖」も加わりました。
ただ、せっかくの初体験の機会。
逃してはもったいないと思う気持ちが、どんどん大きくなり、
「やります!」と答え、指導を仰ぐことにしました。
ボードから落ちまくりましたが、
予想以上に楽しく、
衰えてきている体幹を鍛え、再挑戦したい……そして、 改めて強く思いました。
初体験をおそれないようにしようと。<text:イシコ>