RoomClipに登録された新しいユーザーさんの中から、毎回お一人をピックアップしてご紹介する本連載。今回ご紹介するのは、ドイツ在住のnannaさんと風土や文化、歴史を味わうインテリアで彩られたそのお宅です。
今回ご紹介するのはこの方です!
nannaさん北欧の血を引くドイツ人の夫と、ドイツで新築一軒家を建てました。もともとは旧市街の築150年の町屋に住んでいましたが、双子が生まれたのを期に自然豊かな郊外の伝統的集落に家を建てることに。夫は国家資格を持つ元大工、現金融専門職です。わたしは元通訳。現在は子育てしながら日本語と日本文化の講師をしています。
心を豊かにする住まい
■自然と幸せを実感できる空間

nannaさんご家族が暮らすのは、ドイツ郊外にある伝統的集落です。お住まいはあたたかく美しい景観の一部となる可愛らしい佇まい。半地下の1階と地上2階の3階建てで、間取りは6LDKとのこと。今回は2階に当たるLDKを中心に、インテリアや暮らしづくりのこだわりを紐解きます。
まず拝見させていただいたのはリビングです。ゆったりとした空間に白と深いネイビーの爽やかなコントラストが映えていますね♪ちなみにソファは、身長190cmのご主人も含めて大人4人が横になれる特大サイズ。ドイツで大切にされている言葉、『Gemütlichkeit(ゲミュートリヒカイト)』に則って選ばれたのだそう。日本語に変えるならば、快適や心地よさ、あたたかさや和やかさ、親しみやすさ、安らぎ……そんな幸福感を表す表現を包括したような言葉だと教えていただきました。

そんなソファからの眺めを見ると、言葉の真意をより確かに感じることができました。窓の向こうに広がる牧歌的な景色、白を基調とした品よく華のあるスタイリング、アクセントを利かせるアンティークたち……その全てが心を穏やかに、豊かに導いてくれるのです。
■こだわりとルーツを楽しむ、シンプルモダン×北欧

nannaさん宅のスタイリングはシンプルです。詰め込まず、見せたいとっておきをきちんと魅せるスタイルという印象。だからこそ、家具はひとつひとつの佇まいに個性があり表情も豊かです。大きな窓から陽の光を受けて伸びる影まで、なんだかとっても絵になります。

そしてその先に現れるのが、nannaさん宅の顔とも言えるダイニング。テーブルの上を飾る照明のインパクトがとても大きいです。艶やかなガラスの煌めきと泡のようなフォルム、モダンであり幻想的でもあるそれは、照明というよりアートに近い存在かもしれません。こちらはご主人のこだわりの逸品なのだとか。北欧をルーツに持つドイツ人のご主人のセンスとこだわりはここ以外にも、お住まい全体を通して感じるシンプルモダン×北欧スタイルの中にたくさん息づいています。
■ドイツの精神と日本の粋の見事な融合

ドイツではキッチンは『主婦/夫が家事をするための場所』ではなく、『家族やゲストが集う場所』として考えられているそうです。nannaさん宅でも、人が集まりやすい構造と広さを大切に設計されていました。家全体やインテリアの雰囲気に合わせた特注のラントハウス(カントリー調)システムキッチンです。

ここまでnannaさん宅のLDKを拝見してきて分かるのは、ご家族がドイツの風土や文化、ヨーロッパの歴史を大切に暮らしづくりをされているということでした。そこからにじむ丁寧さやあたたかさ、優しさが幸福な雰囲気の源のような気がしてなりません。でも、忘れてはいけないのがnannaさんのルーツ『日本』。もちろん、日本の心もきちんとありました。キッチンとダイニングを繋ぐ場所に掛けられた浮世絵がそれです。そっと飾られていても、静かに力強くその家の人のルーツを示す……その姿はまさに粋。今後増やしていくアートも日本系で揃え、じわじわと主張を強めていきたいとnannaさんは話してくれました。シンプルモダン×北欧+純日本に洗練されていく様、ますます楽しみです。
nannaさんご家族の暮らしは、心地よさや快適さを心得ています。だからゆとりがあって、大らかで、安らか。
nannaさん邸の間取り図

nannaさん宅は、半地下の1階と地上2階から成る6LDKの3階建てです。他に2つのバスルームとガレージのある仕様。みんなが集まれるキッチンとリビングダイニングのある2階を中心に、合理的な生活動線に適った間取りとなっています。
nannaさんのお部屋ギャラリー
クリックすると大きいサイズでみることができます。






執筆:RoomClip mag 編集部