新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るった為に、いつも側に当たり前のようにあったフットボールは人々から遠ざかった。ファンが居なくなったスタジアムは経営悪化を招き、倒産するクラブも後を絶たない。
世界最高峰のクラブであるレアル・マドリードも例外では無いようだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、同クラブは今夏人員整理を考えており、数人の選手の放出を許可する構えだ。英紙『ミラー』の特集に基づいて、今夏最もマドリードからプレミアリーグに移籍する可能性が高い5選手をご紹介しよう。

ガレス・ベイル
国籍:ウェールズ
2013年に当時1億ユーロ(約118億円)の移籍金でトッテナムからスペインの首都にやってきたベイル。このウェールズ人のレジェンドはチャンピオンズリーグ3連覇をはじめ、合計14個ものタイトルをマドリードにもたらしてきた。
今月初めにベイルは英紙『サンデータイムズ』が発表した長者番付で、最も裕福な若いスポーツスターに選ばれた。その主な理由は彼がマドリードで受け取る35万ポンド(約4600万円)の週給だという。
マドリードが今夏人員整理による経費削減を進める中、ベイルが最初の放出候補だと名指しを受けたようだ。プレミアリーグ復帰となれば古巣であるトッテナムが第一候補だと考えられるが、サウジアラビアのPIE(公的投資資金)による買収が濃厚なニューカッスルも、新チームの顔になって貰うべく獲得に動く見込みだ。

ブラヒム・ディアス
国籍:スペイン
この若きプレーメイカーは2019年1月にマドリードに加わったが、今シーズンは23分しかトップチームで出場していない。
昨シーズン、ディアスは後半戦からチームに加入したにも関わらず、11試合に出場した。更なる飛躍が期待された2年目だがジダン監督の信頼を掴めず、これまではベンチ要員に甘んじている。昨年の夏、ヘタフェやアラベスなどをはじめとするラ・リーガのクラブが彼に熱視線を送ったが、本人の強い意向もあり移籍は実現しなかった。
現在20歳のディアスは過去マンチェスター・シティで3年間過ごしており、イングランドのスタイルをすでに熟知していることから各クラブで人気を集めているようだ。

ダニ・セバージョス
国籍:スペイン
今シーズン、マドリードからアーセナルにローン移籍中であるセバージョスは数少ない出場機会の中で確かなポテンシャルを見せている。
同選手はジダン監督との関係が氷山のように冷え切っており、出場機会が見込めないことから来季以降マドリードからの脱出を計画しているようだ。
現在アーセナルは彼との完全契約を検討しているが、財政面に不安を抱えていることからマドリードにさらなる12ヶ月の契約延長を申し込むのではないかと報道されている。
また、選手本人は来年夏に開催されるヨーロッパ選手権(EURO)の本戦メンバーに選ばれるべく、より多くアピールが出来る環境を求めている模様。セバージョスの古巣であるレアル・ベティスやバレンシアも獲得に関心を寄せており、彼の今夏での退団はほぼ確実だとか。

ハメス・ロドリゲス
国籍:コロンビア
コロンビアのスーパースター、ハメスは、今シーズン4回しかスターティングメンバーに選ばれていない。さらに、衝撃的な敗戦を喫した昨年10月のマジョルカ戦以降はケガも相まって1分たりともリーガで出場していない。
ジダン監督は彼を戦力として計算しておらず、ベイルと同じく高給取りであることから放出を検討しているようだ。
ハメスは2017年から2019年の2年間、レンタル移籍でバイエルン・ミュンヘンに貸し出されていた。同クラブで67試合を出場し、15ゴール、20アシストを記録している。
スペイン紙『as』の情報によると、マンチェスター・ユナイテッド、エヴァートンのプレミアリーグ勢をはじめ、ユベントスやナポリも彼に関心を寄せている。また、ハメスとの再会を特に待ちわびているのが現エヴァートンで監督を勤めるカルロ・アンチェロッティ氏のようだ。同監督はかつてマドリード、バイエルンで度に渡りハメスを指導しており、今でも両者の間には特別な関係があるようだ。
2014年のワールドカップで一躍スーパースターの仲間入りを果たした同選手は、現在3600万ポンド(約47億円)の市場価値があると言われている。

ルカ・ヨビッチ
国籍:セルビア
ヨビッチを巡ってプレミアリーグで最も強い関心を寄せているのがチェルシーのようだ。チェルシーはFWミシー・バチュアイの去就が不透明であり、頭数が足りなくなる事から夏の移籍市場でFWの獲得を目指しているそう。ブルーズ(チェルシーの愛称)はタミー・エイブラハムと同等レベルのFWを希望しており、去年のヨーロッパリーグ(EL)で対戦した際のヨビッチが特にチェルシー首脳陣の興味を引いた模様。
3月19日に新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するための自主隔離規則に違反したヨビッチは、すでにクラブから信頼を失ったとされており、報道によればわずか1年でマドリーを去る可能性もあるかもしれない。