明治安田生命J1リーグ2022シーズンは、早くも半分近くが終了。まるでマラソンのように、三つ巴の首位争い、4位争いグループ、9位争いグループなどいくつかの集団にわかれている。
ここではJ1リーグに所属する全クラブを、5月の全日程終了時点の順位順で見てみよう。単純な順位や勝ち点だけではなく、前回3月終了時点以降の成績、期待や予算、昨2021シーズンの順位をふまえて「大変よくできました」「よくできました」「まずまずです」「今後に期待です」の4段階評価を加えている。
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1位:横浜F・マリノス
- 16試合9勝4分3敗
- 勝ち点31
- 評価「大変よくできました」
4月5月の9試合は6勝1分2敗。非常に安定した成績を積み重ね、首位に立った横浜F・マリノス。ここまでリーグ最多得点を記録しており、持ち味を発揮している。ケヴィン・マスカット監督は多くの選手を活用しており、層の厚さが終盤にいきるか。

2位:鹿島アントラーズ
- 16試合9勝3分4敗
- 勝ち点30
- 評価「よくできました」
4月5月の11試合は5勝3分3敗。開幕当初と比べややペースが鈍化した鹿島アントラーズだが、失点が増えていることが気がかり。強力なメンバーを揃えるが、主力を固定気味なため対戦相手以上に夏場の疲労が難敵となるかもしれない。

3位:川崎フロンターレ
- 16試合9勝3分4敗
- 勝ち点30
- 評価「まずまずです」
4月5月の9試合は4勝2分3敗。J1で2連覇中の川崎フロンターレだが、ここ最近の試合はどこかおかしい。首位をゆずっただけでなく、第15節の湘南ベルマーレ戦では0-4で敗れるなど、3試合連続無得点。チャンスは作れているが決め切れず、攻から守への切り替えに課題を抱えている。

4位:柏レイソル
- 16試合8勝3分5敗
- 勝ち点27
- 評価「よくできました」
4月5月の11試合は5勝2分4敗。第8節~10節に3連敗した柏レイソルだが、第15節の北海道コンサドーレ札幌戦では6-1で大勝するなど攻撃陣が奮起。細谷真大、マテウス・サヴィオを中心にスペースを巧みに突いている。

5位:セレッソ大阪
- 16試合7勝5分4敗
- 勝ち点26
- 評価「大変よくできました」
4月5月の11試合は6勝2分3敗。直近の6試合で失点4と堅守が冴えているセレッソ大阪。やはりセンターバック、マテイ・ヨニッチの存在は大きく、また中盤では奥埜博亮の運動量、攻守の貢献が見逃せない。FWの位置でプレーする選手が得点数を増やせればさらに上の順位も見えてくる。

6位:FC東京
- 16試合7勝4分5敗
- 勝ち点25
- 評価「まずまずです」
4月5月の12試合で4勝4分4敗。第8節からの8試合で1勝と勝てない時期を過ごしたFC東京だが、現在は2連勝中。不動の左サイドバック小川諒也が、ポルトガル1部のヴィトーリア・ギマランイスへ期限付き移籍したことがどれだけ影響するだろうか。

7位:サンフレッチェ広島
- 15試合6勝6分3敗
- 勝ち点24
- 評価「大変よくできました」
3月終了時点では最下位に位置していたが、4月5月の10試合で6勝3分1敗。一気に順位を上げたサンフレッチェ広島。システムを変え、1アンカーに野津田岳人、2列目にハードワークできる満田誠とゲームメイクに長けた森島司、最前線にはジュニオール・サントスとナシム・ベンカリファという形が定着しつつある。

8位:サガン鳥栖
- 16試合5勝9分2敗
- 勝ち点24
- 評価「よくできました」
4月5月の11試合で4勝5分2敗のサガン鳥栖。第13節のヴィッセル神戸戦で0-4、第15節の鹿島アントラーズ戦で4-4と開幕当初に比べやや不安定さはあるものの、どんな時でも諦めない姿はどのチームも苦しめることだろう。夏場でも圧倒的な走力を発揮できるか。

9位:京都サンガ
- 16試合5勝5分6敗
- 勝ち点20
- 評価「よくできました」
4月5月の11試合で4勝3分4敗。昇格組ながら9位争いグループの先頭に立っている京都サンガ。ハイライトは第16節の川崎フロンターレ戦か。王者に対し一歩も引かない積極的な戦い方で、ウノゼロ(1-0)勝利。武田将平、松田天馬、白井康介らのハードワークは一見の価値あり。ピーター・ウタカに続く点取り屋が現れれば残留に向けては安泰だ。

10位:名古屋グランパス
- 16試合5勝5分6敗
- 勝ち点20
- 評価「まずまずです」
4月5月の12試合で4勝3分5敗。本来目指している順位とは異なるだろうが、とはいえ徐々に順位を上げてきた名古屋グランパス。得点力不足は解消できていないが、退場者を出しながら逃げ切った第15節のアビスパ福岡戦(1-0)のように、粘り強い戦いができている。

11位:北海道コンサドーレ札幌
- 16試合4勝8分4敗
- 勝ち点20
- 評価「まずまずです」
4月5月の11試合で4勝3分4敗。開幕当初は「負けないが勝てない」チームだった北海道コンサドーレ札幌だが、守備の不安定さが深刻に。ポゼッション率は高くも、繋ぎの意識が裏目に出てしまう場面が目立ち、リーグ最多失点。セットプレーとカウンターへの対策を講じる必要がある。

12位:アビスパ福岡
- 16試合4勝7分5敗
- 勝ち点19
- 評価「まずまずです」
4月5月の11試合で3勝4分4敗のアビスパ福岡。リーグ最少失点を誇る堅守によって大崩れしない試合はできているが、チーム全体の守備意識と引き換えに得点力不足も深刻でリーグ最少得点。試合を通してバランスが崩れないことで失点はしにくいが、流動的な攻撃はできていない。

13位:ガンバ大阪
- 15試合4勝5分6敗
- 勝ち点17
- 評価「今後に期待です」
4月5月の10試合で3勝3分4敗のガンバ大阪。片野坂知宏監督のサッカーが浸透するには時間がかかると想定していたが、それにしても順調とは言い難い。特に第14節セレッソ大阪との大阪ダービーで力負けしたことはダメージが大きい。2戦連発中の山見大登が起爆剤となれるか。

14位:浦和レッズ
- 16試合2勝9分5敗
- 勝ち点15
- 評価「今後に期待です」
4月5月の9試合で0勝8分1敗の浦和レッズ。リカルド・ロドリゲス監督に率いられたチームは、徐々に上向くかと思われた。だが開幕当初よりも白星が遠くなり、残留争いにさえ巻き込まれつつある。形は作りながらも決め手を欠くチームには、仕上げのできるプレーヤーが必要だ。

15位:ジュビロ磐田
- 16試合3勝6分7敗
- 勝ち点15
- 評価「まずまずです」
4月5月の11試合で2勝4分5敗。札幌に次ぐ失点数の多さが、勝ち点奪取の足を引っ張っているジュビロ磐田。守備組織が相手の攻撃に耐えきれない試合が多く、先制しても安心できない状況だ。プレーに波はあるものの、抜群の走力を持つ鹿沼直生は楽しみな存在。

16位:清水エスパルス
- 16試合2勝7分7敗
- 勝ち点13
- 評価「今後に期待です」
4月5月の11試合で1勝5分5敗の清水エスパルス。守備で後手を踏むことが多く、試合を難しくしている。幅を使った攻撃を意識するあまり、守備時までもコンパクトさを欠いてしまった。

17位:湘南ベルマーレ
- 16試合3勝4分9敗
- 勝ち点13
- 評価「今後に期待です」
4月5月の11試合で3勝2分6敗。大きく出遅れた湘南ベルマーレだったが、チームの状態は上向きつつある。第15節、川崎に4-0で大勝したゲームは大きな驚きをもたらした。好調な町野修斗が、得点力不足を解消するか。

18位:ヴィッセル神戸
- 16試合2勝5分9敗
- 勝ち点11
- 評価「今後に期待です」
4月5月の9試合で2勝1分6敗。4月よりミゲル・アンヘル・ロティーナ監督に代わるもなかなか結果に繋がらなかったヴィッセル神戸だが、直近2試合は1勝1分。最下位のため全く気は抜けないが、最悪な時期は脱したか。藁にすがりついてでも、降格は避けなければならない。