消化試合数に差はあれど、2022シーズン第25節まで終えた明治安田生命J1リーグ。首位を快走するのは横浜F・マリノスで、2019シーズン以来の優勝を目指す。
現在のJ1得点ランキング上位4人は、レオ・セアラと同じく10得点でトップの上田綺世(7月ベルギーのサークル・ブルッヘに移籍)を除き、全て外国籍選手だ。どれだけ優秀で自チームに合う外国籍選手を獲得できるかは、チームの成績に直結する。
2019年に大きく改正されたJリーグの外国籍選手枠。J1では試合当日のベンチ入りも含む出場外国籍選手が最大5人(J2、J3では最大4人)に定められているが、チームの最大登録人数25人(A契約)以内であれば外国籍選手の登録人数には制限はない。
そこでここでは、J1に所属する全18クラブを、外国籍枠を有効に活用している順にランク付けした。そもそも方針として日本人選手に重点的に費用をかけているであろうクラブもあるだろうが、ここでは単純に外国籍選手の今季の活躍度を比較している(2022年8月15日時点)。
関連記事:J1クラブ別、外国籍選手活躍度ランキング【18~10位】

9位:清水エスパルス
外国籍選手:8人
- DF:ヴァウド(ブラジル)
- MF:ホナウド(ブラジル)
- MF:ヘナト・アウグスト(ブラジル)
- MF:ヤゴ・ピカチュウ(ブラジル)
- MF:ベンジャミン・コロリ(コソボ)
- FW:チアゴ・サンタナ(ブラジル)
- FW:カルリーニョス・ジュニオ(ブラジル)
- FW:オ・セフン(韓国)
9位は清水エスパルス。外国籍選手の国籍の内訳は、ブラジル6人、コソボと韓国が1人ずつ。得点王争いを演じるチアゴ・サンタナの活躍を高く評価してこの順位だが、他の選手は怪我も多く定位置をつかめているとは言い難い。それでもこの夏に加入しさっそくスタメン出場しているヤゴ・ピカチュウ、夏場に入りコンディションを上げているカルリーニョス・ジュニオ、途中出場から得点を増やしているベンジャミン・コロリらの巻き返しに期待が集まる。

8位:アビスパ福岡
外国籍選手:5人
- DF:ドウグラス・グローリ(ブラジル)
- MF:ジョルディ・クルークス(ベルギー)
- FW:フアンマ・デルガド(スペイン)
- FW:ルキアン(ブラジル)
- FW:ジョン・マリ(カメルーン)
8位はアビスパ福岡。国籍の内訳は、ブラジル2人、スペインとベルギー、カメルーンが1人ずつと多国籍だ。

7位:鹿島アントラーズ
外国籍選手:6人
- GK:クォン・スンテ(韓国)
- DF:ブエノ(ブラジル)
- DF:キム・ミンテ(韓国)
- MF:アルトゥール・カイキ(ブラジル)
- MF:ディエゴ・ピトゥカ(ブラジル)
- FW:エヴェラウド(ブラジル)
7位は鹿島アントラーズ。国籍の内訳はブラジル4人、韓国2人だ。全試合フルタイム出場を続けるGKクォン・スンテ、中盤で安定したプレーをみせるディエゴ・ピトゥカ、左サイドからゴール前に侵入しゴールを奪うアルトゥール・カイキ、上田綺世の(ベルギー)移籍後出場機会を増やしているエヴェラウドと多くが戦力に。出場機会を減らしていたファン・アラーノはこの夏ガンバ大阪への完全移籍となったが、第16節のFC東京戦以降出場機会を得られていないCBブエノはどうなるだろうか。

6位:セレッソ大阪
外国籍選手:7人
- GK:ダン・バン・ラム(ベトナム)
- GK:キム・ジンヒョン(韓国)
- DF:マテイ・ヨニッチ(クロアチア)
- MF:チャウワット(タイ)
- FW:アダム・タガ―ト(オーストラリア)
- FW:ブルーノ・メンデス(ブラジル)
- FW:ジェアン・パトリッキ(ブラジル)
6位は、セレッソ大阪。非常に多国籍で、ブラジル2人、クロアチア、オーストラリア、韓国、タイ、ベトナムが1人ずつ。プロキャリアはC大阪一筋のGKキム・ジンヒョン、CBに立ちはだかるマテイ・ヨニッチ、リーグ屈指のスピードを武器にスーパーサブの役割を担うジェアン・パトリッキ、得点のペースが上がっているFWアダム・タガ―ト、一定のペースで得点を奪っているFWブルーノ・メンデスと実力者が多い。この夏に期限付き移籍で加入したチャウワットは出場機会を得られるか。ダン・バン・ラムは執筆後の16日、ビンディン(ベトナム)への完全移籍が発表された。

5位:浦和レッズ
外国籍選手:5人
- DF:アレクサンダー・ショルツ(デンマーク)
- MF:ダヴィド・モーベルグ(スウェーデン)
- FW:キャスパー・ユンカー(デンマーク)
- FW:ブライアン・リンセン(オランダ)
- FW:アレックス・シャルク(オランダ)
5位は浦和レッズ。外国籍選手は5人と多くないが、粒ぞろいだ。国籍の内訳は、オランダとデンマークが2人ずつ、スウェーデン1人と欧州路線を採っている。

4位:名古屋グランパス
外国籍選手:6人
- GK:ランゲラック(オーストラリア)
- DF:チアゴ(ブラジル)
- MF:レオ・シルバ(ブラジル)
- FW:マテウス・カストロ(ブラジル)
- FW:レオナルド(ブラジル)
- FW:シュヴィルツォク(ポーランド)
4位は、名古屋グランパス。国籍の内訳は、ブラジル4人、オーストラリアとポーランド1人ずつの編成。守護神のランゲラック、中盤のフィルター役であるレオ・シルバ、得点とアシストでチームの総得点の約半数をたたき出すマテウス・カストロはいずれもチームの中心。シュヴィルツォクの活動停止は大きな誤算だが、この夏加入したレオナルド、CBチアゴの定位置確保に期待だ。

3位:FC東京
外国籍選手:6人
- GK:ヤクブ・スウォビク(ポーランド)
- DF:エンリケ・トレヴィザン(ブラジル)
- MF:アダイウトン(ブラジル)
- MF:レアンドロ(ブラジル)
- FW:ディエゴ・オリヴェイラ(ブラジル)
- FW:ルイス・フェリッピ(ブラジル)
3位はFC東京。リーグ順位こそ中位(8位)に甘んじているが、さまざまなポジションの選手を揃えた外国籍選手の質はリーグ屈指だ。国籍の内訳は、ブラジル5人、ポーランド1人。今季加入しすぐにポジションを掴んだGKヤクブ・スウォビク、爆発的なスピードからチームトップの7得点を挙げているアダイウトン、CFの軸となっているディエゴ・オリヴェイラ、定位置の確保はできていないものの攻撃的な複数ポジションでプレーできるレアンドロと、いずれも貴重な戦力。あとは左肩の脱臼に悩まされているエンリケ・トレヴィザンの復帰、この夏にスポルティングCP(ポルトガル)から期限付き移籍で加わったルイス・フェリッピの爆発が待たれる。

2位:川崎フロンターレ
外国籍選手:6人
- GK:チョン・ソンリョン(韓国)
- DF:ジェジエウ(ブラジル)
- MF:ジョアン・シミッチ(ブラジル)
- MF:チャナティップ(タイ)
- FW:レアンドロ・ダミアン(ブラジル)
- FW:マルシーニョ(ブラジル)
2位は、川崎フロンターレ。各ポジションに外国籍選手を配置している。国籍の内訳はブラジル4人、韓国とタイが1人ずつとやや多国籍。全試合スタメンのGKチョン・ソンリョン、抜群のスピードとでサイドを制す左WGのマルシーニョ、5得点のレアンドロ・ダミアンと貢献度は高い。

1位:横浜F・マリノス
外国籍選手:6人
- DF:エドゥアルド(ブラジル)
- FW:エウベル(ブラジル)
- FW:レオ・セアラ(ブラジル)
- FW:マルコス・ジュニオール(ブラジル)
- FW:アンデルソン・ロペス(ブラジル)
- FW:ヤン・マテウス(ブラジル)
そして1位となったのは、リーグ順位でも首位に位置する横浜F・マリノス。国籍の内訳は、6人全員がブラジル人と方針は明確だ。J1得点ランキングトップのレオ・セアラを筆頭に、7得点を決めているアンデルソン・ロペス、4得点のエウベルと、攻撃陣に数多くのタレントを揃えている。またエドゥアルドも、出場数こそあまり多くないがリーグ屈指のCB。WGが主戦場でこの夏にモレイレンセ(ポルトガル2部)から加入したヤン・マテウスが、優勝へのラストピースとなるか。