イタリア1部のセリエAは12月20日~23日に2024/25シーズン第17節が行われ、アタランタはエンポリに3対2で勝利。怒涛の11連勝を達成し、2位ナポリとの勝ち点差2で首位をキープしている。
かつてはリーグで中位以下だったいわゆる“中堅クラブ”のアタランタが、なぜここまで躍進できたのか。ここでは、アタランタ躍進の要因や近年の戦い方、今後の対戦について紹介する。
2016年、そんなアタランタの監督に就任したのがパレルモ(現イタリア2部)やジェノア(現イタリア1部)などで指揮を執った経験を持つジャン・ピエロ・ガスペリーニ氏だ。3-4-3の攻撃的なサッカーを主軸とするガスペリーニ監督のサッカーはすぐにチームに浸透。就任1年目の2016/17シーズンはリーグ4位と、前シーズンの13位から大きく順位を上げた。
さらに象徴的なのが圧倒的な攻撃力だ。
FWアデモラ・ルックマンは、イングランドのチャールトン・アスレティック下部組織出身の27歳で、エバートン(イングランド1部)やRBライプツィヒ(ドイツ1部)などを経て、2022年8月にアタランタへ移籍。加入した2022/23シーズンから2年は安定して2桁得点を記録しているが、彼の名を一躍有名にしたのは2024年5月23日に行われたUEFAヨーロッパリーグ決勝でのハットトリックだろう。この決勝戦でアタランタは、公式戦51試合無敗のバイエル・レバークーゼン(ドイツ1部)と対戦。前半12分と26分にルックマンがゴールを奪うと、75分にもダメ押しの3点目を挙げハットトリックを達成し、アタランタのヨーロッパ初タイトル獲得に大きく貢献した。
他にもFWジャンルカ・スカマッカが昨2023/24シーズンのセリエAで12ゴール、ヨーロッパリーグでも6ゴールを挙げ、エースストライカーとして活躍している。現在負傷のため離脱中だが、2025年2月頃の復帰が報じられおり、絶対的ストライカーの帰還は好調のアタランタにとって更なる追い風になるだろう。また、第17節のエンポリ戦で2ゴールを挙げる活躍を見せたFWシャルル・デ・ケテラーレにも注目したい。
リーグ戦では今後、ラツィオ(12月28日)、ウディネーゼ・カルチョ(1月11日)、ユベントス(1月14日)と対戦後、1月18日にはナポリとの上位対決も控えている。他チームの状況もあるだろうが、この勢いのまま勝点を積み重ねていけば、ナポリとの直接対決がスクデット獲得の行方を大きく左右することとなるだろう。今後もアタランタの戦いに注目したい。
※スクデット:「小さな盾」という言葉でセリエAの優勝を意味する。
昨2023/24シーズンにはUEFAヨーロッパリーグ(EL)を制し、欧州初タイトルを獲得。さらにここ数年はリーグでも上位でシーズンを終えるなど、近年の躍進には目を見張るものがある。
かつてはリーグで中位以下だったいわゆる“中堅クラブ”のアタランタが、なぜここまで躍進できたのか。ここでは、アタランタ躍進の要因や近年の戦い方、今後の対戦について紹介する。

ガスペリーニ監督の就任
アタランタBC(アタランタ・ベルガマスカ・カルチョ)は、イタリアのロンバルディア州ベルガモを本拠地とするサッカークラブで、学生ら5人によって1907年に設立。1900年代は1部リーグ(セリエA)で戦うも、1962/63シーズンのコッパ・イタリアを制した他は目立った成績はなく、常に中位から下位で2部(セリエB)や3部(セリエC)への降格も経験している。2016年、そんなアタランタの監督に就任したのがパレルモ(現イタリア2部)やジェノア(現イタリア1部)などで指揮を執った経験を持つジャン・ピエロ・ガスペリーニ氏だ。3-4-3の攻撃的なサッカーを主軸とするガスペリーニ監督のサッカーはすぐにチームに浸透。就任1年目の2016/17シーズンはリーグ4位と、前シーズンの13位から大きく順位を上げた。

変則的な3バック
アタランタのシステムは、ガスペリーニ監督の代名詞とも言える3-4-3をベースとしている。マンマーク(1対1)での守備を基本とし、試合の流れの中で最終ラインからの攻撃参加やシステム変更など可変的な戦術はまさにアタランタの特徴と言えるだろう。状況に応じて3-4-2-1や3-4-1-2といったシステムを使い分け、中盤でのパスコースを遮断する。さらにはマンマークで相手アタッカー陣に隙を与えない戦術がチームにしっかりフィットしていることもアタランタの強さの秘訣の1つだろう。さらに象徴的なのが圧倒的な攻撃力だ。
今季加入したばかりのFWマテオ・レテギはここまで12得点の活躍で現在セリエA得点ランクトップタイ。FWアデモラ・ルックマンも今季ここまで9ゴールとしっかり結果を出している。

攻撃陣の多彩な顔ぶれ
2024年8月にアタランタへ加入したFWマテオ・レテギはアルゼンチン出身の25歳。2018年にアルゼンチンの名門ボカ・ジュニアーズでプロデビューすると、その後はレンタル移籍にて国内複数クラブでプレーした。2022年に所属していたCAティグレでは19ゴールを挙げ、この年のアルゼンチン1部リーグ得点王を獲得。その活躍により、2023/24シーズンはジェノアへ移籍し初の欧州挑戦を果たすとセリエA初年度ながら9ゴールを挙げた。FWアデモラ・ルックマンは、イングランドのチャールトン・アスレティック下部組織出身の27歳で、エバートン(イングランド1部)やRBライプツィヒ(ドイツ1部)などを経て、2022年8月にアタランタへ移籍。加入した2022/23シーズンから2年は安定して2桁得点を記録しているが、彼の名を一躍有名にしたのは2024年5月23日に行われたUEFAヨーロッパリーグ決勝でのハットトリックだろう。この決勝戦でアタランタは、公式戦51試合無敗のバイエル・レバークーゼン(ドイツ1部)と対戦。前半12分と26分にルックマンがゴールを奪うと、75分にもダメ押しの3点目を挙げハットトリックを達成し、アタランタのヨーロッパ初タイトル獲得に大きく貢献した。
他にもFWジャンルカ・スカマッカが昨2023/24シーズンのセリエAで12ゴール、ヨーロッパリーグでも6ゴールを挙げ、エースストライカーとして活躍している。現在負傷のため離脱中だが、2025年2月頃の復帰が報じられおり、絶対的ストライカーの帰還は好調のアタランタにとって更なる追い風になるだろう。また、第17節のエンポリ戦で2ゴールを挙げる活躍を見せたFWシャルル・デ・ケテラーレにも注目したい。
エンポリ戦では前半の早い時間にレテギが負傷退場。万一離脱となるとデ・ケテラーレにより一層の期待がかかることだろう。

初のスクデット獲得なるか
現在勝点40でリーグトップに立つアタランタ。初のスクデット(※)獲得には何が必要なのだろうか。順位表を見ると得点は42でリーグトップ。一方、第17節終了時点での失点は19でリーグ7位とやや気になる多さだ。ここ数試合、エンポリ戦での2失点以外は複数失点はないが、優勝争いを見据えるなら無失点での勝利に期待したい。リーグ戦では今後、ラツィオ(12月28日)、ウディネーゼ・カルチョ(1月11日)、ユベントス(1月14日)と対戦後、1月18日にはナポリとの上位対決も控えている。他チームの状況もあるだろうが、この勢いのまま勝点を積み重ねていけば、ナポリとの直接対決がスクデット獲得の行方を大きく左右することとなるだろう。今後もアタランタの戦いに注目したい。
※スクデット:「小さな盾」という言葉でセリエAの優勝を意味する。
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