寒さを吹き飛ばす熱戦が繰り広げられた第103回全国高校サッカー選手権大会。1月13日には国立競技場(東京)で決勝戦が行われ、前橋育英高校(群馬県)と流通経済大学付属柏高校(千葉県)が対決した。
今大会を振り返ると、イングランド1部のサウサンプトンへ入団が内定している日章学園高校(宮崎県)のFW高岡怜颯や来季J1へと昇格する清水エスパルスへの加入が内定している大津高校(熊本県)のMF嶋本悠大などプロチーム内定者に大きな注目が集まっていた。高岡は今大会2試合で4得点(ハットトリック1回含む)を記録し大会得点ランキング2位に輝くなど期待通りの活躍をみせた。
そんな中、彼らを上回るプレーでインパクトを残したニューヒーローも数多く誕生している。ここでは、大会中に大きく株を上げたと感じる5選手を紹介していく。
なかでも印象的だったのが、東福岡高校(福岡県)との準決勝で見せた3点目のシーン。白井は後半からピッチに投入されると、13分に自陣で拾ったこぼれ球を回収。相手が奪いに来たところを華麗なターンで交わしてドリブルを開始すると、相手DFを背負いながら右サイドに走りこんでいたFWオノノジュ慶吏(3年)にパスを送る。
まだ2年生の白井。今後も高円宮杯プレミアリーグEASTをはじめ、夏のインターハイや来冬の選手権大会と大舞台での活躍に期待がかかる。
予選後の11月に行われたプレミアリーグEASTにおいて、インターハイ王者である昌平高校(埼玉県)との試合で初めてスタメンに抜擢された幸田は、1対1の強さを遺憾なく発揮。チームは強力なアタッカー陣を擁する昌平相手に見事完封勝利を収めた(3-0)。
途中出場ながら強靭な攻撃陣を前に対人の強さを見せつけ、守備職人としてチームに大きく貢献した幸田。流通経済大柏の躍進を語る上では欠かせないニューカマーとなった。
明秀学園日立高校(茨城県)との準々決勝では1点ビハインドの前半40分、相手DF2枚の間に潜り込み味方が供給したクロスを頭で叩き込んで同点ゴールを挙げると、さらに後半25分にはチャンスから絶妙なポジショニングで勝ち越しゴールをアシストするなどチームの逆転勝利に貢献する活躍をみせた。
松山北高校(愛媛県)と戦った3回戦(6-1)では、前半6分に相手コートでドリブルを開始すると味方とのワンツーで相手DFを崩し、最後はループシュートでGKの頭上を通過したボールがネットを揺らした。
今大会の覇者・前橋育英に0-1で敗戦しベスト8で姿を消した堀越だが、三鴨は全国に強烈なインパクトを残した。
滝川第二高校(兵庫県)と対戦した2回戦、試合前半にはキャッチミスやエリア外でハンドを取られるなどもあったが、持ち前の強靭なメンタルで引きずることなくすぐさま気持ちを切り替えた。強力な攻撃陣を誇る相手に何度も決定的なシーンを作られるが、その度に橋本のビッグセーブが光った。終わってみればシュート数では3対13と滝川第二が大きく上回っていた。しかし橋本のセービングやパンチングに加えチームを鼓舞する統率力などが随所で際立ち、強豪相手に1-0と完封勝利。懸命にゴールを守り抜いた守護神はチームのベスト16入りに大きく貢献した。
今回挙げた5選手のうち、前橋育英のMF白井や堀越のFW三鴨はまだ2年生であることから伸びしろが十分にあり、今後さらにインパクトを残せる可能性を秘めている。
試合は1-1で拮抗し延長戦へ突入。しかし、それでも決着がつかずPK戦では両チーム5人全員が成功しサドンデスへとなだれ込む展開に。最終的に10人にまで及んだPKを9-8で制した前橋育英が7大会ぶり2度目の優勝を果たした。
今大会を振り返ると、イングランド1部のサウサンプトンへ入団が内定している日章学園高校(宮崎県)のFW高岡怜颯や来季J1へと昇格する清水エスパルスへの加入が内定している大津高校(熊本県)のMF嶋本悠大などプロチーム内定者に大きな注目が集まっていた。高岡は今大会2試合で4得点(ハットトリック1回含む)を記録し大会得点ランキング2位に輝くなど期待通りの活躍をみせた。
そんな中、彼らを上回るプレーでインパクトを残したニューヒーローも数多く誕生している。ここでは、大会中に大きく株を上げたと感じる5選手を紹介していく。

MF白井誠也(前橋育英高校)
1人目は今大会で最も株を上げたと言っても過言ではない前橋育英のMF白井誠也(2年)。身長165cm体重58kgと小柄ながら初速の速さで相手を置き去りにすることができる快速ドリブラー。ボールの置き所や瞬発力で対峙した相手DFを手玉に取ってきた。なかでも印象的だったのが、東福岡高校(福岡県)との準決勝で見せた3点目のシーン。白井は後半からピッチに投入されると、13分に自陣で拾ったこぼれ球を回収。相手が奪いに来たところを華麗なターンで交わしてドリブルを開始すると、相手DFを背負いながら右サイドに走りこんでいたFWオノノジュ慶吏(3年)にパスを送る。
オノノジュからのリターンパスを白井がゴール左隅に流し込み約31,000人の大観衆を沸かせた。
まだ2年生の白井。今後も高円宮杯プレミアリーグEASTをはじめ、夏のインターハイや来冬の選手権大会と大舞台での活躍に期待がかかる。

DF幸田爽良(流通経済大学付属柏高校)
2人目には今大会の千葉県予選が終わるまで流通経済大柏高校のBチームでプレーしていたDF幸田爽良(3年)を挙げる。センターバックやサイドバックとDFならどのポジションでもタスクをこなすことが出来るプレーヤーだ。予選後の11月に行われたプレミアリーグEASTにおいて、インターハイ王者である昌平高校(埼玉県)との試合で初めてスタメンに抜擢された幸田は、1対1の強さを遺憾なく発揮。チームは強力なアタッカー陣を擁する昌平相手に見事完封勝利を収めた(3-0)。
途中出場ながら強靭な攻撃陣を前に対人の強さを見せつけ、守備職人としてチームに大きく貢献した幸田。流通経済大柏の躍進を語る上では欠かせないニューカマーとなった。

MF沖本陸(東海大学付属相模高校)
3人目は選手権初出場ながらチームをベスト4へと導いた東海大学相模高校(神奈川県)のMF沖本陸(3年)。特徴は何といっても細かいタッチで相手をいなすドリブルや足元の技術の高さだが、今回さらに評価を上げたのが、相手DFが嫌がる場所への飛び出しや味方へのパスを供給できる「視野の広さ」だ。明秀学園日立高校(茨城県)との準々決勝では1点ビハインドの前半40分、相手DF2枚の間に潜り込み味方が供給したクロスを頭で叩き込んで同点ゴールを挙げると、さらに後半25分にはチャンスから絶妙なポジショニングで勝ち越しゴールをアシストするなどチームの逆転勝利に貢献する活躍をみせた。

FW三鴨奏太(堀越高校)
4人目は5得点で今大会の単独得点王に輝いた堀越高校(東京都)のFW三鴨奏太(2年)。両足共にパス、トラップ、シュートとどれをとっても高い技術が光る万能型FWだ。松山北高校(愛媛県)と戦った3回戦(6-1)では、前半6分に相手コートでドリブルを開始すると味方とのワンツーで相手DFを崩し、最後はループシュートでGKの頭上を通過したボールがネットを揺らした。
さらに15分にもペナルティエリア外から左足一閃の目が覚めるようなミドルシュートで2点目を記録。続く38分には味方のクロスをヘディングで合わせてハットトリックも達成した。三鴨はこの試合で4ゴール2アシストとチームの全得点に絡む大活躍をみせた。
今大会の覇者・前橋育英に0-1で敗戦しベスト8で姿を消した堀越だが、三鴨は全国に強烈なインパクトを残した。

GK橋本脩礼(東北学院高校)
最後は今大会を通じて大きな飛躍を遂げた東北学院高校(宮城県)からGK橋本脩礼(3年)を挙げる。屈強なメンタルや要所でのセービング能力が魅力的な選手だ。滝川第二高校(兵庫県)と対戦した2回戦、試合前半にはキャッチミスやエリア外でハンドを取られるなどもあったが、持ち前の強靭なメンタルで引きずることなくすぐさま気持ちを切り替えた。強力な攻撃陣を誇る相手に何度も決定的なシーンを作られるが、その度に橋本のビッグセーブが光った。終わってみればシュート数では3対13と滝川第二が大きく上回っていた。しかし橋本のセービングやパンチングに加えチームを鼓舞する統率力などが随所で際立ち、強豪相手に1-0と完封勝利。懸命にゴールを守り抜いた守護神はチームのベスト16入りに大きく貢献した。
今回挙げた5選手のうち、前橋育英のMF白井や堀越のFW三鴨はまだ2年生であることから伸びしろが十分にあり、今後さらにインパクトを残せる可能性を秘めている。
彼らの活躍に注目すると共に新たなヒーローの誕生に期待したい。
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