日本代表は2026FIFAワールドカップ(W杯)アジア最終予選の重要な局面を迎え、3月20日のバーレーン戦、25日のサウジアラビア戦に向けた最新メンバーを13日に発表した。日本は現在グループCで首位を走っており、W杯本大会出場へ向けラストスパートの段階だ。


本記事では「今回の日本代表メンバーで通算出場試合数が最も多いのは誰か?」という視点でのランキングを紹介する。長年チームを支えてきたベテランか、それとも意外な伏兵がいるのか?経験豊富な選手の存在は最終予選や本大会のようなプレッシャーのかかる試合で大きな意味を持つ。しかし、必要とされていても怪我などの離脱で思うように活動できない選手がいることも付け加えておきたい。

果たして、現在の日本代表メンバーで“最も多く国際舞台を踏んできた選手”は誰なのか?ランキング形式でチェックしていこう。※2025年3月15日時点のデータに基づく

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

10位タイ:田中碧(リーズ・ユナイテッド/イングランド2部)

出場試合数:30

若手のイメージがあったMF田中碧もすでに26歳を迎えている。代表の常連ともいえる田中は、今2024/25シーズンのリーズで好調な成績を残している。2部リーグとはいえイングランドでの活躍を見れば、”日本の頭脳”と呼ばれる彼が代表のレギュラーとして中心選手になる日も遠くはないだろう。本大会までにはプレミアリーグでプレーしている可能性が高く、今後最も期待される選手であることは間違いない。

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

10位タイ:上田綺世(フェイエノールト/オランダ1部)

出場試合数:30

2019年、当時まだ法政大学の学生だったFW上田綺世がコパ・アメリカに参加する日本代表に初めて選ばれたことは驚きをもって伝えられた。この選考に筆者は首を傾げ、同大会で幾度となく得点チャンスを逸する姿にイライラさせられたものだが、現在となってはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)やオランダでの活躍を通して、森保一監督の選択が間違っていなかったことが証明された。

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

9位:板倉滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ/ドイツ1部)

出場試合数:35

日本代表不動のセンターバックへと登り詰めたDF板倉滉。全盛期ともいえる28歳の板倉だが、過去にA代表ではDF吉田麻也(LAギャラクシー)とDF冨安健洋(アーセナル)の後塵を拝してきた。現在所属するボルシアMGとの契約は2026年6月までとなっているが、クラブは延長を希望しておりチームトップクラスの待遇を用意すると伝えられている。W杯本大会へ向け板倉がステップアップを図るのか注目が集まっている。


日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

8位:鎌田大地(クリスタル・パレス/イングランド1部)

出場試合数:38

好不調の波が激しい選手であったMF鎌田大地も28歳となり、ベルギーリーグ、ブンデスリーガ、セリエA、プレミアリーグ、そしてCLやUEFAヨーロッパリーグ(EL)など数多くの経験を積んできた。その経験が近年の鎌田の日本代表でのプレーに落ち着きをもたらしているのは間違いないだろう。特筆すべきは昨年10月10日に行われたアジア最終予選、アウェイで挑んだサウジアラビア戦(2-0)での貴重な先制ゴールだ。あのゴールが、最終予選におけるチームに絶対的な自信を持たせた要素の一つといっても過言ではないだろう。

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

7位:守田英正(スポルディングCP/ポルトガル1部)

出場試合数:39

”日本代表の心臓”であるMF守田英正も29歳となり、選手としてのピークを迎えている。的確な判断で相手チームの嫌がるポジションに侵入し発揮される得点能力に加え、的確なパスセンスと冷静な判断力を活かしボール奪取から素早くパスを供給してチームのリズムを整える。この一連の動きには優れた戦術眼がうかがえる。本大会では30歳を迎えており、より一層の熟練したプレーに期待したい。

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

6位:久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン1部)

出場試合数:40 

23歳ながらすでに日本代表の中心選手としての風格が漂うFW久保建英。所属するレアル・ソシエダでも替えの利かない選手となり、チームやファンから絶大な支持を集め圧倒的なスキルと年々高まる得点能力がアジアでは別格の域にある。上田同様、コパ・アメリカ2019でA代表として本格的に台頭した姿は強く印象に残る。同大会ではグループリーグ終了時点で最多となる8本のラストパスを記録し、日本代表の未来を担う存在としての可能性を示していた。W杯で日本がどこまで勝ち進めるかは、久保のパフォーマンスに大きく左右されることが予想される。

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

5位:堂安律(SCフライブルク/ドイツ1部)

出場試合数:55

26歳にして日本の10番を背負うMF堂安律。2022カタールW杯でのグループリーグ突破は、堂安の活躍無しでは成し得なかっただろう。彼の持ち味である右サイドのカットインから放たれる日本人離れした正確無比なシュート、独特のドリブル、さらに対人守備能力の成長には目を見張るものがある。
2019年1月、AFCアジアカップのメンバー選出以降に重ねてきた代表での経験は年齢以上の物を示しており「10番」に相応しい選手としての道を歩んでいる。UEFA主催の大会で今後経験をさらに積むために、所属クラブからのステップアップに期待したいところだ。

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

4位:伊東純也(スタッド・ランス/フランス1部)

出場試合数:60

無尽蔵のスタミナと相手を置き去りにするスピード、意表を突く洒落たスキルを武器にサイドラインを駆け上がり、日本のサイド攻撃の象徴的な選手として活躍してきたFW伊東純也。W杯本大会時には33歳を迎えベテランとしての役割が求められるだろう。しかし、今シーズンはリーグ・アンで所属チームが下位に低迷しており、チームに2部降格の危機が迫っている。もし、クラブが降格するとW杯を前に移籍も考えられるが、その去就が日本代表でのパフォーマンスにどう影響を与えるかは未知数だ。彼自身のコンディションを維持するためにもリーグ・アンへの残留は絶対条件となるだろう。

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

3位:南野拓実(ASモナコ/フランス1部)

出場試合数:65

プレミアリーグのリバプール在籍(2020-2022)を経て、2022年6月にモナコへ加入したFW南野拓実。モナコでは調子が上がらず、2022カタールW杯では日本代表の10番を背負ったが、目に見えた活躍は出来なかった。その悔しい思いを糧にリーグ・アンで奮闘する姿は見る者に南野という選手の本質を理解させる。30歳という節目を迎えた彼は、昨2023/24シーズンから現在まで強豪モナコで好調を維持。2026年のW杯本大会で、南野が再び日本代表の中心として輝き脚光を浴びることを切に願いたい。

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

2位:遠藤航(リバプール/イングランド1部)

出場試合数:67

プレミアリーグの名門リバプールで出場機会に苦しむ日本代表のキャプテンMF遠藤航。クローザーとして脚光を浴びる彼だが、日本代表がW杯で上位に進出するためにも90分間を通しての試合勘を遠藤が取り戻すことは必須だろう。吉田から日本代表の偉大なキャプテンマークを受け継いだ遠藤も本大会時には33歳となり、移動や年齢からくる疲労も考慮する必要がある。
しかし、ピッチ上での統率力、ボール奪取能力、そして対人守備の強さは唯一無二であり、日本がW杯で上位進出を狙う上で不可欠な存在となる。今後も日本代表のキャプテンとして、どこまで出場試合数を伸ばすのか期待したい。

日本代表最新メンバー、通算出場試合数ランキング

1位:長友佑都(FC東京/J1)

出場試合数:142

2008年5月24日に行われたキリンカップのコートジボワール代表戦(1-0)で国際Aマッチ初出場を果たしたDF長友佑都。38歳を迎えた現在もアジア最終予選に選出されているが、試合に出場するというより予選突破へ向けチームを陰から支える役割が大きい。4大会連続のW杯出場からなる経験値は誰もが持ち得るものではなく、チームに与える影響は計り知れない。ピッチ内外での振る舞いや戦い方を知り尽くした言葉の一つ一つが、若手にとって貴重な指針となっている。W杯本大会でのメンバー入りが現実的かどうかは未知数だが、長友が築き上げてきたものは次世代へと確実に受け継がれていくはずだ。日本代表での最多出場数を誇る遠藤保仁(2023年引退)の記録「152試合」を超えることができるか、また5大会連続W杯出場を叶えることができるのか高い注目が集まっている。
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