イングランド2部EFLチャンピオンシップの第40節が日本時間4月5日に行われ、日本代表MF田中碧が所属するリーズ・ユナイテッドが、アウェイで日本代表DF橋岡大樹が所属するルートン・タウンと対戦した。田中は先発出場した一方、橋岡はベンチ外となり日本人対決は実現しなかった。


 リーズは今2024/25シーズン首位を走っていたものの、前39節で2位に陥落。3位バーンリーとも勝ち点81で並び、負けると自動昇格圏から転落する可能性が。降格圏の19位に沈むルートンにとっても決して負けられない対戦であった。

 試合開始時は格上チームであるリーズが優勢にボールを支配するも、中盤にスペースを作らないルートンのコンパクトな守備に遭い、チャンスを作ることができない。15分には中盤でボールを奪ったルートンFWに対し、ディフェンスに入った田中が競り合いに負け突破を許してしまい、ルートンが先制する。

 しかし、28分にはリーズMFのダニエル・ジェームズが鮮やかなミドルシュートを決め、試合を1−1の振り出しに戻す。後半に入ってもルートンの守備的な5バックを攻略できないリーズはロングボールとサイド攻撃を中心に攻めるが追加点を奪えない。

 田中は積極的に前線に上がるものの、中盤のスペースを消してくるルートンの布陣に対して持ち前の鋭いくさびのパスを入れることができず、決定機に繋げることができない。両チームとも幾度かチャンスがあったものの決め切ることができず、1-1のまま引き分けに終わり、勝ち点1を分け合った。

 リーズはこの引き分けにより、3位に転落。一方、ルートンは19位と順位に変動はなかった。

 リーズの地元紙『リーズ・ライブ』は田中のパフォーマンスに対し5の採点を与え、「デュエルに負けてルートンに先制点を許し、ボールを失う場面も数度見られた。
ポゼッションもできていなかった」と辛口評価。

 試合後、ピッチから足早に立ち去る田中。囲み取材の依頼に対してもリーズのメディア担当官が「失点の原因となってしまった彼(田中)にはインタビューさせられない」とし、チームとしても田中に失点の責任があることを認識していることが分かる。

 一時は首位を快走していたリーズだったが、直近3試合連続で引き分けてしまったことで勝ち点差が縮まり、バーンリーに首位を譲る結果に。今2024/25シーズンも残りわずか6試合となる中、勝ち点84のバーンリーに対し、リーズは勝ち点82と十分逆転できる位置につけているが、自動昇格圏と昇格プレーオフ進出とでは大きな違いがある。

 致命的ミスをしてしまった田中を見守るように、スタンドのメディア席の背後にはルートンでベンチ外となった橋岡が観戦する姿も確認された。試合に出場しなかった理由は明らかにされていないが、怪我などの理由ではなく戦術的理由が考えられる。

 日本人対決は実現しなかったものの、田中も橋岡も、チーム内での立ち位置が必ずしも安泰ではないことが伝わってしまった現地での一戦だった。
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