サッカー界において若手選手の出場機会は、クラブの方針や育成制度の透明な指標となる。今、どのクラブが最も21歳以下の選手を起用しているのか。
世界規模での調査結果から、その傾向が明らかになった。

 国際サッカー連盟(FIFA)の教育研究機関でもあるサッカー関連調査機関「CIESフットボール・オブザーバトリー」が5月7日、世界65リーグのクラブを対象に、リーグ戦における出場時間のうち各試合に出場した時点で21歳以下だった選手の出場時間の割合に基づいて作成したランキングを発表している。

 この中、最も高い数値を記録したのは、シティ・グループ傘下のベルギー2部ロメルSKで、全出場時間の69.6%を21歳以下の選手が占めた。

 欧州5大リーグ内では、リーグ・アンのストラスブール(59.4%)、ラ・リーガのバルセロナ(38.3%)、リーグ・アンのスタッド・ランス(29.7%)が上位を占めている。特にストラスブールに関しては、25歳以下の選手が98.8%の出場時間を記録しており、若手起用の世界記録を樹立したクラブとしても注目されている。

 日本ではJ1リーグのクラブが調査対象となっており、最も21歳以下選手の出場割合が高かったのは湘南ベルマーレで17.9%。以下、FC東京が16.2%、横浜F・マリノスが15.1%、セレッソ大阪が14.6%と続いた。

 逆に最も21歳以下選手の出場割合が低かったのは、町田ゼルビア、横浜FC、そして浦和レッズが0%で並んだ。特に浦和に関しては、22~25歳の割合が14.1%、26~29歳の割合が53.2%、30歳以上が32.7%となっており、経験豊富な選手を中心にチームを構成していることが分かる。

 アジアや南米でも、若手起用率の高いクラブが確認されており、ウルグアイ1部のリーベル・プレート、コロンビア1部のエンビガド、ウズベキスタン1部のPFCソグディアナ・ジザフがそれに該当する。
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