元日本代表MF坂元達裕が所属するイングランド2部コベントリー・シティは、日本時間5月10日、プレミアリーグ昇格を懸けたプレーオフの準決勝第1戦をホームで迎え、サンダーランドに1-2で敗れた。坂元は【4-2-3-1】の右サイドハーフで先発出場した。


 2024/25シーズンを5位で終了したコベントリーにとって、4位のサンダーランドはいわば「格上」。ラインを高くあげてくるサンダーランドに対し、ロングボールと細かい縦パスで相手ディフェンスラインの裏を狙う。坂元は右サイドでボールをキープしてためを作りながら、ドリブルの仕掛けや鋭いクロスなどでチャンスを演出していき、コベントリーが優位にゲームを進めた。

 しかし、試合の均衡を崩せないまま、68分にサンダーランドのカウンター攻撃で失点。3万1,293人のサポーターの熱狂的な声援も静まり返り、このまま拮抗状態が崩れると思われたが、わずか2分後にMFジャック・ルドニのヘディング弾で同点に。

 その後も両チームとも決め手に欠き、ネットを揺らすことができないが88分にDFミラン・ファン・エヴァイクの中途半端なバックパスが相手FWに奪われ、2失点目を献上してしまう痛恨のミスを犯す。その後、コベントリーは追加点を奪えず試合は1-2で終了した。

 フル出場した坂元は、攻撃だけでなく守備においても効果的なプレスバックでチームに貢献していただけに、コベントリーにとって痛い敗戦となった。現地紙『コベントリー・ライブ』は坂元のパフォーマンスを7点(10点満点)と採点し、「ファン・エヴァイクと縦のラインで素晴らしい関係を見せ、相手のマークを翻弄したようにボールを持った際はとてもエキサイティングな活躍を見せた」と敗戦したチームの中でも高パフォーマンスを見出したようだ。

 4月にはコベントリーとの契約を2027年までに延長したばかりの坂元。痛恨の2失点目の際も、ともに右サイドで連携プレーをしてきたファン・エヴァイクのもとに駆け寄って励ましていたのも坂元だった。試合後サポーターに挨拶回りをする選手たちの中で、日本人ウインガーの表情は決して暗いものではなかった。


 来2025/26シーズンをプレミアリーグで迎えるか、本人にとって3度目のチャンピオンシップで過ごすかはPO準決勝の第2戦(5月14日)に掛かっている。少なくとも坂元の目はまだ諦めていないようだ。
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