5月15日「Jリーグの日」に合わせて、昨年はJリーグカレー、今年はJリーグチップスが限定復刻された。来場者に無料配布されるキャンペーンが話題になり、全60クラブの現役選手180名のみならず、過去にJリーグを彩ったレジェンド選手のカードも封入されていることで、33年目を迎えたJリーグファンのノスタルジーを高めている。


Jリーグチップスは、1993年にリーグが創設され日本中を巻き込んだ大ブームを象徴するアイテムで、子どもから大人までが熱狂した。復刻版では、カズこと三浦知良(現JFLアトレチコ鈴鹿)などの“キラカード”が人気を集め、SNS上では今や親世代となったファンからも「子どもの頃の思い出が蘇る」「カード集めでスタジアムに行きたくなる」などの声が上がり、好評を博した。

それだけJリーグが歴史を歩んできた証しとも言えるエピソードだが、ここでは次の「Jリーグの日」に登場しそうなJリーグ関連商品を予想したい。

「Jリーグカレー」「Jリーグチップス」次なるJリーグ関連商品の復刻版は

Jリーグバー(森永乳業)

食べ物シリーズで企画するならば、Jリーグバーは外せない一品だ。10本入りのマルチパック「バニラ&ソーダ味」と、単品の「プリン味」が発売された角型のアイスバー。「スポーツドリンク味」「プリン味」にはホログラムカードが入り、さらに「当たり」が出ると、限定版テレホンカードがプレゼントされる。1本100円で発売されていた商品だった。

冷凍商品であるため配送コストが掛かり、無料配布するハードルはカレーやチップスより高くなる上、持ち帰り不可能とあって実現可能性は低いかも知れない。しかし、試合前のスタジアムで大人も子どももアイスを頬張る姿は、Jリーグの歴史を感じられるだけではなく、微笑ましい光景となることは必至だろう。

「Jリーグカレー」「Jリーグチップス」次なるJリーグ関連商品の復刻版は

カセットテープ CDixⅡ(SONY)

もはや令和生まれの若者に聞いても「カセットテープって何?」と言われそうだが、CD(コンパクトディスク)が登場する前の長い間、音楽を聴く主なメディアツールだった。

2019年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)と国際音声・視聴覚アーカイブ協会が「マグネティック・テープ・アラート」なる告知を行い、「カセットテープやビデオテープなどの磁気テープに収められたデータを2025年までにデジタルファイル化しなければ、テープ劣化に伴い失われる可能性が高い」とした。

しかしSONYは、今年2月にMD(ミニディスク)、BD(ブルーレイディスク)の生産を終了させた一方、カセットテープの生産は続けている。長距離トラック運転手を中心に、カセットテープにはまだ需要があることがその理由とされ、実際、高速道路のサービスエリアの片隅には、歌謡曲入りのカセットテープが売られている。

現在、Jリーグ各チームのマスコットキャラクターがデザインされたカセットテープ「CDixⅡ」がオークションサイトで売買されており、コレクターズアイテムとなっている。
JリーグがSONYに再生産を発注しなければならないが、実現すれば話題となるだろう。

「Jリーグカレー」「Jリーグチップス」次なるJリーグ関連商品の復刻版は

Jリーグコーラ(日本コカ・コーラ株式会社)

2009年から2015年までJリーグのトップパートナーを務めた日本コカ・コーラ株式会社。2007年には同社とJリーグのコラボ商品「コカ・コーラ ゼロ×フットボール」キャンペーンと題し、Jリーグのロゴ、そして地域限定商品として、各地の地元クラブのロゴをプリントしたJリーグコーラが発売された。

また同社は、月間MVP表彰スポンサーや得点王に輝いた選手に対し、ビン型コカ・コーラを模ったトロフィーだけではなく、副賞として「コカ・コーラ1年分」を贈呈していた。

現在、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社(日本コカ・コーラ株式会社とは別会社)がガンバ大阪や浦和レッズと、北陸コカ・コーラボトリング株式会社がカターレ富山とパートナー契約を結んでおり、東京コカ・コーラボトリング株式会社も町田ゼルビアのオフィシャルサプライヤーとして広告看板を掲出している。

ライバル企業の日本ペプシコーラ社は、鹿島アントラーズとスポンサー契約を結んでいる。よってカシマサッカースタジアムで日本コカ・コーラ製の商品を配布するのは難しいだろうが、鹿島のみペプシ製のJリーグコーラという形にすれば、実現の可能性が見えてくるのではないだろうか。

1993年当時のレトロな缶デザインを再現し、J1・J2・J3全60クラブのロゴをランダムに配した限定商品とすれば、大人も子どもも楽しめる無料配布イベントとなるはずだ。

「Jリーグカレー」「Jリーグチップス」次なるJリーグ関連商品の復刻版は

Jクラブのマスコットキャラクターグッズ

先に無料配布されたJリーグチップスで話題を集めたのは付録のカードだけではない。そのパッケージに古くからのJリーグファンがザワついた。

パッケージデザインの中には、1998年に消滅した横浜フリューゲルスのマスコット「とび丸」と「フリ丸」が登場し、さらにはG大阪のキャラクターがJリーグ発足当時の「ガンバボーイ」、東京ヴェルディのキャラクターもヴェルディ川崎時代の「ヴェルディくん」だったことで、オールドファンをエモーショナルな気持ちにさせた。

「Jリーグマスコット総選挙」は2023年を最後に終了したが、今でも選手以上に人気を集めるマスコットが存在。その中には“引退”し、姿を消したマスコットもいる。


59クラブのマスコット(FC今治にはマスコット不在)を大集合させ、ミニチュア版のぬいぐるみ、あるいはアクリルキーホルダー、ラバーチャームなどを製作し無料配布すれば、特に子どもファンへの訴求力は大きいだろう。

上記商品は、いずれもJリーグの歴史を反映しており、復刻がもたらすノスタルジーの力とサポーター文化をも含有しているものだ。さらに、Jリーグ創設とともにサッカーファンとなった世代が子連れでスタジアムを訪れるほどに歴史を積み重ねたことを意味する。

「Jリーグの日」を記念したこうした集客イベントは、ファンエンゲージメントの新たな形として、Jリーグの魅力をさらに深化させていくことを期待できるものだ。来年の「Jリーグの日」にはどんな仕掛けをするのか、今から楽しみにしたい。
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