MF久保建英(レアル・ソシエダ)やMF堂安律(SCフライブルク)ら日本代表選手の活躍もあり、欧州移籍を果たす日本人選手は増加傾向に。FW福田翔生(湘南ベルマーレ)やGK野澤大志ブランドン(FC東京)ら複数選手に2025年夏の海外移籍が取りざたされる一方で、鹿島アントラーズOBのジーコ氏は、相次ぐ日本人選手の海外移籍に警鐘を鳴らしている。


 ブラジル『GAVEA』で6月3日に掲載されたインタビュー記事によると、ジーコ氏は「最近のブラジルの選手は、欧州へ行くのが早すぎる。欧州で自分自身のポテンシャルをフルに発揮できず、ブラジルに戻って来る選手も多い」と自国のサッカー事情に言及。その上で、「多くの日本人選手にも同じようなことが起こっている。彼らの欧州へ行くタイミングはあまりにも早すぎる。それがゆえに、向こうで自信を失って日本に戻って来るんだ」と語ったという。

 一方でJリーグクラブによる大物選手の獲得は歓迎。かつてヴィッセル神戸はアンドレス・イニエスタやルーカス・ポドルスキなど、欧州での実績が十分な選手を次々と獲得していたが、このような動きについてジーコ氏は「これは(未来の日本サッカー界に向けての)投資だ。イニエスタのような選手がクラブにいると、チームメイト全員のレベルアップになるし、サポーターのモチベーションも上がる」とコメント。神戸がイニエスタら大物選手が去った後にJ1連覇を成し遂げたことについて「偶然ではない」と私見を述べたという。

 日本人選手の海外移籍を巡っては、日本代表OBの槙野智章氏が自身のYouTubeチャンネルの企画で、U19日本代表FW高岡伶颯(現サウサンプトン)と対談した際に「海外でプレーしたい、W杯で優勝したい、UEFAチャンピオンズリーグで活躍したいという選手が増えてきている。一昔前ではW杯出場などが目標と言われていた。目標の視座が一昔前とは全然違う」とコメント。
Jリーグクラブを経由せず海外へ挑戦する選手が増加していることについて私見を述べている。

 なお、かつて鹿島でプレーしていた選手では、日本代表DF町田浩樹がユニオンSGで活躍。2024/25シーズンはベルギー1部リーグ優勝を成し遂げており、ステップアップ移籍の可能性も報じられている。また、MF佐野海舟はマインツでボール奪取能力や豊富な運動量を武器に台頭。ブンデスリーガ全34試合にスタメン出場し、リーグトップの走行距離(393.7km)をマークしている。
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