横浜美術館では現在、映像作家でコミュニケーション・デザイナーの佐藤雅彦初となる大規模な回顧展「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」が開催されています。CMやテレビ番組からメディアアートに至るまで、ジャンルを横断して時代に残る作品を発表し続けてきた佐藤氏。
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あのCMも、「ピタゴラスイッチ」も──“知ってる”が連鎖する、記憶の迷宮
「佐藤雅彦」という名前にピンとこなくても、佐藤氏の手がけた作品に無意識に触れている人は多いはず。たとえば、記憶に残るテレビCM、教育番組『ピタゴラスイッチ』、直感を刺激する映像作品、さらには書籍やゲーム、映画など──会場に一歩足を踏み入れた瞬間から、「これ懐かしい」「あ、これも!?」という驚きと共感の連続が始まります。
本展の最大の特徴は、そうした“懐かしさ”を入り口に、創作の奥に潜む「考え方」「伝え方」へと鑑賞者の視点を導く構成にあります。ただ作品を並べるだけではなく、その作品がどのような「作り方」で生まれたのか、思考のプロセスそのものを展示するという試みは、アートの枠を超えた佐藤雅彦という表現者の全貌に迫るものです。
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創造の核心は、「作り方を作ること」
本展のキーフレーズとも言えるこの一文は、佐藤氏の創作を貫く哲学を端的に表しています。表現の手段が何であれ、その根底には「分かるように伝えるにはどうすればよいか」という問いがあり、そのための手法や構造自体をつくり出すところから作品が始まっているのです。つまり彼にとって「アート」とは、手段ではなく思考そのもの。作品は、“分かり方”を発見するためのコミュニケーションツールであり、観る者自身が「自分ならどう考えるか」を引き出すきっかけでもあります。
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「アート」とは何かを問い直す、新生・横浜美術館の挑戦
この展覧会は、リニューアルを終えた横浜美術館の記念すべき第2弾企画展として開催されました。「おかえり、ヨコハマ」展に続き、美術という枠組みにとらわれない多様性を体現する展示として位置付けられています。
インスタレーション、アニメーション、インタラクティブな映像コンテンツ、グラフィックデザイン……ジャンルの壁を越えて並ぶ作品群は、どれもが異なる顔を持ちながらも、佐藤という一人の作り手によって繋がれています。その一貫性こそが、“作り方”の結晶であることに気づくとき、見る者のなかにも新たな「観察」と「創造」の芽が育ち始めるはずです。
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横浜美術館リニューアルオープン記念展
佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)
会 場:横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
横浜市西区みなとみらい3-4-1
会 期:2025年6月28日(土)~11月3日(月・祝) (開館日数:111日)
開館時間:10:00~18:00 (入館は閉館の30分前まで)
休 館 日:木曜日
主 催:横浜美術館、TOPICS
特別協賛:株式会社電通、株式会社サイバーエージェント、DNP大日本印刷
協 賛:株式会社湖池屋、株式会社ビームス
協 力:NHKエデュケーショナル、アドミュージアム東京、NEC、東京藝術大学大学院映像研究科、佐藤雅彦教育文化財団、みなとみらい線
観 覧 料:一般2,000(1,900)円/大学生1,600(1,500)円/中学・高校生1,000(900)円/小学生以下無料
※チケットはオンラインにて発売中。券売所は混雑が予想されるため、オンラインチケットの事前購入をおすすめします。
※()内は有料20名以上の団体料金[要事前予約(TEL:045-221-0300)、美術館券売所でのみ販売]
※障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料(ミライロID可)
※同時開催のコレクション展も、「佐藤雅彦展」チケットで観覧当日に限り入場可能です。
お問い合わせ:
横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
TEL 045-221-0300(代表)
その創作の裏側にある独自の思考方法=“作り方”に焦点を当てた本展は、見る者の「分かりたい」という好奇心に火をつけます。
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あのCMも、「ピタゴラスイッチ」も──“知ってる”が連鎖する、記憶の迷宮
「佐藤雅彦」という名前にピンとこなくても、佐藤氏の手がけた作品に無意識に触れている人は多いはず。たとえば、記憶に残るテレビCM、教育番組『ピタゴラスイッチ』、直感を刺激する映像作品、さらには書籍やゲーム、映画など──会場に一歩足を踏み入れた瞬間から、「これ懐かしい」「あ、これも!?」という驚きと共感の連続が始まります。
本展の最大の特徴は、そうした“懐かしさ”を入り口に、創作の奥に潜む「考え方」「伝え方」へと鑑賞者の視点を導く構成にあります。ただ作品を並べるだけではなく、その作品がどのような「作り方」で生まれたのか、思考のプロセスそのものを展示するという試みは、アートの枠を超えた佐藤雅彦という表現者の全貌に迫るものです。


創造の核心は、「作り方を作ること」
「私は、作り方を作っているんです。
作り方が新しければ、出来たものはおのずと新しいものになります」
本展のキーフレーズとも言えるこの一文は、佐藤氏の創作を貫く哲学を端的に表しています。表現の手段が何であれ、その根底には「分かるように伝えるにはどうすればよいか」という問いがあり、そのための手法や構造自体をつくり出すところから作品が始まっているのです。つまり彼にとって「アート」とは、手段ではなく思考そのもの。作品は、“分かり方”を発見するためのコミュニケーションツールであり、観る者自身が「自分ならどう考えるか」を引き出すきっかけでもあります。

「アート」とは何かを問い直す、新生・横浜美術館の挑戦
この展覧会は、リニューアルを終えた横浜美術館の記念すべき第2弾企画展として開催されました。「おかえり、ヨコハマ」展に続き、美術という枠組みにとらわれない多様性を体現する展示として位置付けられています。
インスタレーション、アニメーション、インタラクティブな映像コンテンツ、グラフィックデザイン……ジャンルの壁を越えて並ぶ作品群は、どれもが異なる顔を持ちながらも、佐藤という一人の作り手によって繋がれています。その一貫性こそが、“作り方”の結晶であることに気づくとき、見る者のなかにも新たな「観察」と「創造」の芽が育ち始めるはずです。

横浜美術館リニューアルオープン記念展
佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)
会 場:横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
横浜市西区みなとみらい3-4-1
会 期:2025年6月28日(土)~11月3日(月・祝) (開館日数:111日)
開館時間:10:00~18:00 (入館は閉館の30分前まで)
休 館 日:木曜日
主 催:横浜美術館、TOPICS
特別協賛:株式会社電通、株式会社サイバーエージェント、DNP大日本印刷
協 賛:株式会社湖池屋、株式会社ビームス
協 力:NHKエデュケーショナル、アドミュージアム東京、NEC、東京藝術大学大学院映像研究科、佐藤雅彦教育文化財団、みなとみらい線
観 覧 料:一般2,000(1,900)円/大学生1,600(1,500)円/中学・高校生1,000(900)円/小学生以下無料
※チケットはオンラインにて発売中。券売所は混雑が予想されるため、オンラインチケットの事前購入をおすすめします。
※()内は有料20名以上の団体料金[要事前予約(TEL:045-221-0300)、美術館券売所でのみ販売]
※障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料(ミライロID可)
※同時開催のコレクション展も、「佐藤雅彦展」チケットで観覧当日に限り入場可能です。
お問い合わせ:
横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
TEL 045-221-0300(代表)
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