2025年9月、パリで発表されたサンローラン(SAINT LAURENT)2026年夏ウィメンズコレクション。アーティスティック・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロによる今回のショーは、「美学は言語である」というブランドの根幹を静かに再定義するものでした。


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Courtesy of SAINT LAURENT

美学が語る、言葉を超えた対話
本コレクションの出発点となったのは、「スタイルが対話の手段となる」という思想です。分断が進み、言葉がときに鋭利な境界を生む時代において、ヴァカレロはファッションを“呼吸する余裕”として提示しました。それは他者と繋がり、共感を生み出すための静かな言語。サンローランにおける美学は、単なる装飾ではなく、存在のあり方そのものを語る手段として再び息づいています。

【ルック】サンローランが2026年夏ウィメンズコレクションを発表。アンソニー・ヴァカレロが描く時代を超える「美学という言語」
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対照の中に宿る力──クラシックとモダンの融解
映画的な光と影が交錯する舞台に登場したのは、クラシックでありながら反逆的なサンローラン・ウーマンたち。彼女たちはブラックレザーを纏いながら、王冠を飾る宝石のように気品を放ちます。流麗なファブリック、構築的なショルダーライン、そしてアーストーンを基調とした色彩が、強さと柔らかさの境界を軽やかに越えていきます。そこには、リヴ・ゴーシュの精神を継ぎながらも、自由な感性で現代を生きる女性像が投影されています。

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歴史を継ぎ、技術で更新する
ゲルマント公爵夫人やジョン・シンガー・サージェントの名画《マダムX》など、古典絵画に描かれた女性像も今回のインスピレーションとなっています。しかし、彼女たちが身にまとうのはもはや絹ではなく、現代的なテクニカルファブリック。素材が更新されることで、女性像もまた再定義されていきます。過去への敬意と現代への挑戦、その両方がこのコレクションには力強く息づいています。


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美学という抵抗の言語
サンローランが語る「美学」は、抵抗であり、敬意であり、そして包括性そのものです。ファッションを通じて社会と対話し、美の多様性を肯定する姿勢は、ヴァカレロのクリエイションの中核にあります。言葉を超えて、服そのものが語りかける。2026年夏コレクションが示したのは、まさにその“沈黙の中のメッセージ”でした。

アンソニー・ヴァカレロによるサンローランは、常に静かな強さを放ち続けています。それは声高な主張ではなく、沈黙の奥に潜む意志。ファッションが再び語るための言語を、彼は確かに取り戻しているのです。

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