東京都内の百貨店や商業施設が一部フロアの営業を拡大する動きを見せている。各社が生活必需品の範囲を見直していることから、小池百合子都知事は定例会見で「高級衣料品は生活必需品には当たらない」と見解を示した。

東京都と施設側で営業再開の判断基準に相違が生じている。

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 都内では、緊急事態宣言の発出および生活必需品以外の休業要請に伴い、4月25日から百貨店や大型商業施設が一斉に臨時休業。5月11日までを予定していた緊急事態宣言は5月末まで延期となったが、高島屋や三越伊勢丹などでは12日から段階的に一部フロアの営業を再開している。また、三越伊勢丹は顧客からの要望が多くあがっていた衣料品において、5月15日から販売を再開することを決めた。

 衣料品店に関して東京都は「生活必需物資販売施設(豪奢品を除く)」として休業要請対象外と位置付けているが、小池都知事は会見で「いわゆる高級衣料品などの豪奢品は生活必需品には当たらない。これは国から明確に通知がされているもの。

百貨店においては営業を行うに当たって生活必需品の趣旨を十分理解の上でご協力いただきたい」とコメント。生活必需品を巡ってはこれまでも基準の曖昧さが問題視されてきたが、今後は豪奢品の線引きについても取り沙汰されそうだ。