e) オフィスDX
人手不足の解消や働き方改革が課題となるオフィス環境において、様々な文書管理に関する業務を同社が得意とするAIを活用することで効率よく、正確に処理することを可能にするサービスを提供する。代表例であるAI契約書管理サービス「OPTiM Contract」では、書類の検索、期限の管理などでAI技術が活躍する。
f) 映像管理DX
様々な産業で人手不足が深刻な課題となるなか、防犯カメラなどの分析を人間に変わりAIで実施することが期待されている。同社は、2018年に戦略商品「OPTiM AI Camera」及び派生サービスをリリースし、AIを用いた画像解析のデファクトスタンダードを目指している。「OPTiM AI Camera」は、既設の監視カメラを活用し、クラウド上で画像解析を行うサービスで、画像解析のための専用ハードウェア導入が不要なため、手軽に導入できる。「OPTiM AI Camera Enterprise」は、店舗や施設など業界別・利用目的別に設置された様々な種類のカメラからデータを収集し、学習済みモデルを活用して画像解析を行うことでマーケティング、セキュリティ、業務効率などの領域を支援するサービスである。「OPTiM AI Camera Enterprise」では「OPTiM Edge」などの専用ハードウェアを設置し、ネットワークカメラにて取得された画像を解析することで、高速かつ高度なAI画像解析が可能となる。最近では様々な業種での利用事例が増えており、「ダムの遮水壁点検業務の高度化・効率化」「車両検知による駐車場の混雑状況可視化」「観光スポットの滞在人数把握(感染拡大防止対策)」などが公表されている。2024年10月には、世界初となる撮りためた映像データをAIがあらゆる手法で 解析するサービス「OPTiM AI Camera Analytics」 を発表した。同社では、この分野の潜在市場規模を7,562億円と推定している。
(3) その他サービス
a) 「Optimal Remote」
「Optimal Remote」はカスタマーサポートなどのシーンで活躍しているサービスである。顧客デバイスの画面共有・遠隔操作により、これまで口頭説明に費やしていたサポート時間を大幅に削減でき、従来サポートの約60%の時間で問題を解決できる。
b) 「Optimal Second Sight」
「Optimal Second Sight」は、スマートグラス、スマートフォンやタブレットのカメラを用いて現場の映像を共有し、各種支援機能により現場作業をサポートできる遠隔作業支援サービスである。同サービスもコロナ禍以降における需要を取り込んだことにより、ライセンス数が増加した。拠点間の移動が減少するなか、従来は現地にて確認などを行っていた業務について、遠隔地から状況を確認しサポートを行うことができる点で、まさにニューノーマルのニーズに合致していると言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)