3. 2025年11月期の業績見通し
2025年11月期の業績について同社は、売上高46,000百万円(前期比10.5%増)、営業利益1,640百万円(同20.4%増)、経常利益1,230百万円(同20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益730百万円(同15.0%増)と、2ケタ増収増益を見込んでいる。中古住宅再生事業の属する市場の見通しは、引き続き安定的な需要を見込むものの、流通在庫の高止まりや金利上昇などによる慎重な購買行動が想定されることから、より良いものが選別される傾向が一層強まると考えられる。
売上面では、マンション買取再販事業について、スタンダードマンションは、安定した需要はあるものの流通在庫が相当水準残っているうえ金利上昇への懸念から、選別的で慎重な購買行動となることを前提に、高回転、高粗利物件に絞った厳選仕入を継続する。長期在庫に関しては適正水準を目指し、上期に販売を強力に推進する。プレミアムマンションは、実需及び資産運用面で高い購入意欲が継続すると想定し、強みの資金調達力を生かしてラインアップの拡充を急ぐなど積極的に販売を拡大する。戸建住宅は、過剰な流通在庫に対する調整が当面継続すると想定するが、前期並みの引渡戸数は確保可能と見込む。在庫量については、スタンダードマンションは若干減らし、戸建住宅は横ばいを予想、プレミアムマンションは増やす方針である。なお、プレミアムマンションの2025年11月期の販売予定分の在庫は、2024年中に確保済みである。開発については、オーナーチェンジ※や一棟賃貸など仕込んでいる物件はあるものの、業績見通しの外数としている。
※ オーナーチェンジ:賃貸としても魅力がある物件に関して、同社がリフォームし販売までの保有期間中に賃料を得る方式。長期在庫の有効な活用方法でもある。
利益面では、スタンダードマンションは在庫期間に応じた前期並みの粗利率を設定するが、上期中に長期在庫の販売を加速して在庫水準の適正化を図るため、粗利ミックスの悪化が見込まれる。一方、売上構成比が高まるプレミアムマンションは比較的高粗利率、戸建は競争激化による若干の粗利率低下を想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)