中国の景気支援スタンスが引き続き相場を支える流れ。
ただ、上値は限定的。中国経済の成長鈍化が不安視される中、指数は安く推移する場面もみられている。世界銀行は26日発表した最新リポートで、中国の2025年の国内総生産(GDP)成長率予想を従来の4.1%から、4.5%に上方修正したが、23年実績や24年予測からは鈍化する見通しだ。これ以外の国際機関やブローカーも25年の成長鈍化を予測している。今月に入り公表された11月の各種経済統計は、内需の弱さを印象付ける内容だった。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、不動産の上げが目立つ。信達地産(600657/SH)が2.8%高、京能置業(600791/SH)が2.4%高、金地集団(600383/SH)と臥龍地産(600173/SH)がそろって1.5%高、華麗家族(600503/SH)が1.1%高で取引を終えた。
証券株も高い。国聯証券(601456/SH)が7.1%、東方証券(600958/SH)と太平洋証券(601099/SH)がそろって1.3%、方正証券(601901/SH)と興業証券(601377/SH)がそろって1.2%ずつ上昇した。
軍事関連株も物色される。航空製品の中国航発航空科技(600391/SH)がストップ(10.0%)高、軍用電子機器の中国海防(600764/SH)が4.1%高、航空宇宙製品の江西洪都航空工業(600316/SH)が3.2%高、弾薬・ロケットの長城軍工(601606/SH)と航空機開発・製造・販売の中航瀋飛(600760/SH)がそろって1.7%高で引けた。医薬株、消費関連株、公益株、運輸株なども買われている。
半面、ハイテク株はさえない。スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が5.3%、IC設計の上海貝嶺(600171/SH)が4.0%、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が3.1%、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が2.6%ずつ下落した。エネルギー株、銀行・保険株、通信株も売られている。
一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.20ポイント(0.83%)高の269.24ポイント、深センB株指数が2.87ポイント(0.24%)高の1217.70ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)