前日の好地合いを次ぐ流れ。人民元安進行が一服したことや、中国景気の過度な減速懸念が後退したことなどが支えだ。足元の経済指標では、中国人民銀行(中央銀行)が13日発表した12月の金融統計で、人民元建ての新規融資額が11月から拡大し、予想も上回った。12月の貿易統計でも、輸出入が改善。中でも米ドル建て輸入は予想に反し拡大し、3カ月ぶりにプラス成長を回復している。
ただ、上値は重い。米長期金利の高止まりや、米国の対中圧力などがマイナス材料だ。米政府は14日、新疆ウイグル自治区の少数民族に対する人権侵害の疑いがあるとして、繊維、鉱業、太陽子発電などの中国企業37社からの輸入を新たに禁止。そのほか、中国製のソフトウエアを搭載したコネクテッドカー(つながる車)に対する規制も決定した。米政権はこのところ、通商上の対中圧力を強化している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.0%高、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が4.7%高、中国オンラインゲーム大手の網易(ネットイース:9999/HK)が4.0%高と上げが目立った。
セクター別では、太陽光発電関連が高い。
中国の銀行セクターもしっかり。招商銀行(3968/HK)が3.3%高、中国銀行(3988/HK)が1.9%高、中信銀行(998/HK)が1.7%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.0%高で取引を終えた。
半面、産金セクターはさえない。紫金鉱業集団(2899/HK)が5.9%安、山東黄金鉱業(1787/HK)が1.8%安、招金鉱業(1818/HK)が0.7%安で引けた。紫金鉱業は上述した米国の禁輸リストに追加されている。
自動車セクターも安い。浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.0%、長城汽車(2333/HK)が3.0%、吉利汽車HD(175/HK)が2.6%、蔚来集団(9866/HK)が2.3%ずつ下落した。
一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.43%安の3227.12ポイントで取引を終了した。自動車が安い。産金・非鉄、医薬、食品・酒造、公益、証券、空運なども売られた。
亜州リサーチ(株)