中国ハイテク産業の成長期待が相場を押し上げる流れ。米アップルは阿里巴巴集団HD(アリババ9988/HK)と提携し、中国で販売するiPhoneの利用者向けに人工知能(AI)機能を搭載すると報じられた。ほか、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が公表した10~12月期決算は純利益が38%減少したものの、売上高は32%増加し、過去最高を記録。2025年通期の投資額は24年並みの高水準を維持するとの見通しも明らかにしている。また、中国のスタートアップ企業(DeepSeek)が低コスト、かつ高性能な生成AI(人工知能)の大規模言語モデル(LLM)を開発したことも改めて材料視された。指数は引けにかけて一段高となっている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が10.8%高、電子機器受託製造サービス(EMS)の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が10%高、中国電子商取引(EC)最大手のアリババが8.5%高と上げが目立った。BYDエレクに関しては、自動車の比亜迪(BYD:1211/HK)が先進運転支援システム(ADAS)の導入を拡大する方針を示したことで、自動車事業の売上拡大が期待されている(BYDは7.4%高)。BYDエレクの終値は60.60香港ドル。2021年1月に付けた上場来高値(63.10香港ドル)に接近した。
セクター別では、半導体が高い。
中国不動産セクターも急伸。融創中国HD(1918/HK)が20.8%高、中国奥園集団(3883/HK)が18.9%高、万科企業(2202/HK)が16.7%高、合景泰富地産(1813/HK)が13.2%高と値を上げた。「万科企業に対し、中国当局が支援策を検討しているもよう」と報じられたことが業界全体の支援材料となっている。同セクターは引けにかけて急速に上げ幅を広げた。
半面、デリバリー事業部門を有する美団(3690/HK)が4.1%逆行安。中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)がフードデリバリー事業に正式参入すると発表し、同事業の競争激化が警戒された(京東も1.5%値下がり)。
一方、本土市場も反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.85%高の3346.39ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。重電・産業用電気機器、不動産、金融、医薬、食品・酒造、不動産、軍事関連なども買われた。半面、自動車は安い。
亜州リサーチ(株)