投資家のリスク選好が強まる流れ。米長期金利の低下や、中国の政策に対する期待感が支えとなっている。昨夜の米債券市場では、米利下げ観測が再び強まり、米10年債利回りが大幅に低下。一時、約2カ月半ぶりの低い水準を付けた。また、各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は来週(3月5日)に開幕。市場には、消費促進に向けた対策や、テック産業の支援策が打ち出されるとの観測もある。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が10.7%高、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が10.5%高、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が9.8%高で引けた。バドワイザーの通期決算は15%減益とさえなかったものの、期末配当の増額方針などが好感されている。
セクター別では、中国の不動産が高い。龍湖のほか、世茂集団HD(813/HK)が25.8%、旭輝(884/HK)が14.0%、雅居楽集団HD(3383/HK)が11.7%ずつ上昇した。
鉄鋼セクターも急伸。
中国の証券・保険セクターも買われる。中国国際金融(3908/HK)が19.1%高、中信建投証券(6066/HK)が9.6%高、中信証券(6030/HK)が7.1%高、新華人寿保険(1336/HK)が6.3%高、中国太平洋保険(2601/HK)が5.6%高、中国人寿保険(2628/HK)が4.1%高で引けた。
半導体やスマートドライブ関連銘柄の一角も物色される。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が5.9%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が4.9%高、知行汽車科技(蘇州)(1274/HK)が6.0%高、地平線(9660/HK)が5.7%高。そのほか、スマートカーに注力する小鵬汽車(9868/HK)が8.3%高、理想汽車(2015/HK)が7.7%高、小米集団(1810/HK)が5.8%高と値を上げた。SMIC、地平線、小米は上場来高値を更新。新興EVやハイテクが買われる中、ハンセン科技(テック)指数は4.5%高と他の主要指数をアウトパフォームした。
一方、本土市場も3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.02%高の3380.21ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。鉄鋼、不動産、金融、医薬、インフラ関連、公益、食品・酒造なども買われている。
亜州リサーチ(株)