中国景況感の改善が好感される流れ。1日に発表された2月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は50.2と市場予想(49.9)を上回り、景況判断の境目となる50を再び上回った。3日の取引時間中に公表された民間集計による財新中国製造業PMIも50.8に上昇し、市場予想(50.4)を上回っている。また、中国では今週5日、各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕する予定だ。多数のエコノミストは、景気浮揚のため、追加の消費刺激策が打ち出されると予想している。ただ、上値は限定的。米国の高関税政策が経済を下押すと不安視されている。指数はマイナス圏に沈む場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が8.5%高、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が5.0%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が3.4%高と上げが目立った。信義光能が報告した2024年通期決算は73.8%減益と苦戦。ただ、事前に純利益が前年比で70~80%減少するとの見通しを示していたこともあり、悪材料の出尽くし感が広がった。
セクター別では、消費が高い。
太陽光発電の関連銘柄も急伸。信義光能のほか、信義能源HD(3868/HK)が26.3%高、カ姆丹克太陽能系統集団(712/HK)が6.3%高、陽光能源HD(757/HK)が4.1%高、福莱特玻璃集団(6865/HK)が4.0%高と値を上げた。
マカオのカジノ株も物色される。新濠国際発展(200/HK)が7.5%高、永利澳門(1128/HK)が5.4%高、金沙中国(1928/HK)が2.8%高、銀河娯楽集団(27/HK)が1.4%高で取引を終えた。2月のマカオ域内カジノ売上高は3カ月ぶりのプラス成長に浮上している。
半面、半導体セクターは総じて安い。ASMPT(522/HK)が4.5%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が4.1%、華虹半導体(1347/HK)が2.6%、晶門半導体(2878/HK)が1.8%ずつ下落した。ハイテク株売りが響き。ハンセン科技(テック)指数は0.6%逆行安している。
一方、本土市場は小幅に続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.12%安の3316.93ポイントで取引を終了した。
亜州リサーチ(株)