河川の流れの中にコイらしき姿を見つけることがあります。
止水域を好む魚なのに珍しいな!と眺めていると、ずいぶん口が尖っている様子。
どうやらコイではなく、ニゴイのようです。
ここでは、ニゴイの特徴や習性・釣り方などについて、詳しくご紹介しましょう。
寄生虫の恐れがあるのですが、食用としてもじゅうぶん楽しめる魚です。
ニゴイってどんな魚なの?
ニゴイは、潮の影響を受ける下流エリアでもその姿をみることができる、淡水魚の一種です。
コイ目コイ科に属しているので、見た目はコイにそっくり。
でもじっくり観察すると、ニゴイはその鼻先が長く突き出しています。
しかも下向きの口なので、コイとは異なる外観をしているといえるでしょう。
口に1対のヒゲがあります。
コイの場合は、2対のヒゲになるので、これも相違点です。
ニゴイの顔つきは、キツネのように尖っていて、唇は分厚くなっています。
魚体は、細長くてやせ型です。
パンパンに太ったコイはよく見ますが、太ったニゴイにはほとんど遭遇したことがありません。
尾ヒレは、二股に分かれています。
幼魚の間は、体表に黒い斑点が並んでいます。
ウロコは大きめで、表皮は分厚くて丈夫に出来ています。
ニゴイの成魚は、最大で50cmから60cm程度にまで大きくなります。
コイよりは、小さめといった感じでしょうか。
初夏になると、ニゴイのオスには婚姻色が発生し、とても美しいです。
ニゴイの生息域は、本州から四国・九州地方にかけて分布しています。
河川の中流から下流、そして潮の影響のある汽水域にまで、幅広く生息しているのが特徴的です。
ニゴイは、雑食性で何でも食べます。
特に、ボトムから生えている藻や水生昆虫が大好物。
塩水に強く、水質環境の悪化にも耐性を持っています。
汚れた都心部の河川に、ニゴイが泳いでいるのは、耐性が高いからでしょう。
基本的に夜行性なので、日中は日陰でじっとしていて、夜になると活発に泳ぎ回るイメージがあります。
とはいえ、昼間に釣れない魚ではありません。
ニゴイの釣り方はこちら!
ニゴイの釣り方は、エサ釣りよりもルアー釣りのほうが効率よく釣れるかもしれません。
キラキラと光るものに興味を持つ習性を持っていて、例えば、スプーンルアーをキャストすると、意外とカンタンに掛かってきます。
ただし、ニゴイはボトム周辺に落ちていることが多く、表層をスプーンルアーで通してもなかなか釣れません。
そこで使いたいのは、鉄板系のバイブレーションルアーです。
ボディカラーが、シルバーやゴールドなら、ボトム近くにまで落とし込んでも、しっかり光を反射してくれるでしょう。
ウエイトは、あまりに軽いとすぐに浮き上がってしまうので、7gから14g程度のものが扱いやすいです。
ボトムには、沈木などの障害物がたくさん転がっているので、それらに引っ掛からないために、鉄板系バイブレーションルアーのフックを交換しましょう。
具体的には、トレブルフックからダブルフックに換装して、ハリ先を上向きにすれば、根掛かりトラブルを抑えられます。
ニゴイは、止水域よりもしっかりと流れのある場所のほうが、居付いている可能性が高いです。
ルアーをキャストしてボトムまで落とし、ロッドを立ててリフトアップします。
それでニゴイが食い付いて来なければ、ロッドを倒してルアーを沈めます。
そのリフト&フォールの繰り返しをすれば、上から押さえ込まれたような重めのバイトが伝わってくるでしょう。
素早くフッキング動作へ移って、ラインテンションを下げずにランディングしてください。
スピニングタックルのほうがルアーを操りやすいですが、太いラインで何度もアプローチしたいなら、ベイトタックルが合います。
この釣り方を河川で実践していると、ニゴイ以外に、マルタ・バス・シーバス・ウグイ・カワムツ・サクラマスなどが釣れたりします。
ニゴイの食べ方!骨に注意!
ニゴイの食べ方について、深掘りしてみましょう。
他の淡水魚と同じく、寄生虫の処理から入ります。
必ず加熱処理を施して、調理に移りたいものです。
美しい水質の河川に棲むニゴイなら、さほどクセはなく美味しく食べられるでしょう。
ニゴイをさばいてみると、骨が多いことに気づきます。
なので骨切りをしっかりおこなってから、唐揚げなどに調理するのがおすすめです。
小さなニゴイなら、骨切りをおこなうほどではないかもしれません。
春から初夏にかけてが、食べて美味しい旬で、それ以外の季節でもよく釣れます。
特に冬場、ボトムをメタルジグなどで探っていると、ニゴイばかり掛かってくることがあります。
持ち帰って食べるつもりなら、その場で活け締め・血抜きをおこない、クーラーボックスで冷やして運ぶようにしましょう。

ニゴイをルアーで釣るのにおすすめのタックルをピックアップ!
ニゴイを鉄板系バイブレーションルアーで釣るのに適している、おすすめのタックルをご紹介しましょう。
ロッドは、張りのあるスピニングロッドなら、飛距離を伸ばしやすく、アタリも取りやすいでしょう。
リールは、2500番から3000番程度のサイズのスピニングリールなら、モノフィラメントラインを大量に巻いて使うことができます。
PEラインにも、切り換えしやすいでしょう。

シマノ(SHIMANO) バス スピニングロッド 22 バンタム 264ML-G/2 ショートティップワン&ハーフ 2023追加モデル
シマノからリリースされているバス釣り用スピニングロッド・バンタムシリーズのラインナップから、264ML-G/2を選んでみました。
全長は1.93mと、とても取り回ししやすい長さのブランクスに作られています。
2ピース仕様で、仕舞寸法は130cmにまで縮まります。
ウエイトは102gで、ブランクスの先径は2.0mm。
適合するルアーウェイトは、4gから15gまで。
適合するラインは、モノフィラメントラインなら4lbから8lbまで。
PEラインなら、最大1.2号まで使えます。
ブランクスのカーボン素材含有率は、86.0%になっています。
実際に手に取って継いでみると、しっかりと張りのあるブランクスに仕上がっている印象を持ちました。
負荷に対しては、曲がり込みやすいです。
実売価格は3万円台と、購入を検討しやすい価格帯になっています。

シマノ(SHIMANO) スピニングリール シーバス 20 エクスセンス BB C3000MHG
シマノから発売されているシーバスゲーム用スピニングリール・エクスセンスBBシリーズの中から、C3000MHGを選んでみました。
ギア比は6.0対1なので、ハンドル1巻きにつき88cmのラインを巻き取ることができるようになっています。
実用ドラグ力/最大ドラグ力は、3.5/9.0kgです。
ウエイトは240gで、スプール寸法は直径/ストロークが、46.5/14.5mmです。
ラインキャパは、モノフィラメントラインなら10lbを110m、PEラインなら1.2号を150m巻けます。
ハンドルアームの長さは55mmで、ボールベアリングは5個搭載しています。
シーバスゲーム用に作られたスピニングリールですが、サイズ感といい、ラインキャパといい、ニゴイ釣りにぴったりです。
実売価格は1万円台と、とてもリーズナブルな価格帯に収まっています。
初夏の河川で大型のニゴイを釣り上げよう!
ニゴイの特徴や習性・釣り方・食べ方や、おすすめのスピニングタックルをご紹介しましたが、いかがでしたか?
河川の下流域から上がりながら釣り歩いていくと、ニゴイに出会える確率はグン!とアップするでしょう。
ヘビやハチなどの生き物が増える季節でもあるので、慎重に釣り進むようにしてください。
長靴や長袖シャツ・ズボンの着用は、トラブル回避のために必須です。