レビュー

本書は、プロ1年目で20勝をあげて最多勝を獲得、メジャー移籍後も数々の球団を渡り歩いてアメリカン・リーグ制覇に貢献するなど、日米で活躍してきた上原浩治選手が、電撃引退への思いを語った一冊である。そこにはつねに、結果と向き合い、引退を見据えた野球人生があった。

先発・中継ぎ・抑えとして、与えられた場所を全うしてきたからこそ、日米通算134勝128セーブ104ホールドという結果を残すことができたのだ。
そんな上原選手は、なぜ電撃引退という結論を出したのか。引退はなぜ5月だったのか。本書には、そこにいたるまでのリアルな葛藤が克明に描かれている。
それと同時に、日本のプロ野球で12年間、メジャーリーグで9年間プレーしてきた選手として、自らの野球哲学についても熱く語っている。つねに目標と対峙していなければならない選手人生において、結果を出すにはどうすればいいのか、結果を求められる場所でどのように行動すればいいのかを、学生時代の経験とプロでの経験を踏まえて指南している。
結果にこだわり、第一線で活躍してきた上原選手の哲学は、野球をプレーする方だけではなく、組織で働く人にとっても大いに参考になるだろう。プロフェッショナルとしての誇りと想いが伝わってくる一冊である。

本書の要点

・著者は、メジャーにいられなければ引退すると宣言していたものの、その決断を翻した。「メジャーでやりたい」という気持ちよりも「野球がやりたい」という気持ちが勝っていたからだ。
・著者は、2019年5月に引退を発表した。悔しかったが、戦い終えたような感覚もあった。


・二軍とは経験をする場所、一軍とは結果を出す場所である。一軍は経験する場所ではないので、結果でのみ判断されるべきだ。
・自分を知ることができれば、行動指針が見えてくる。そうすれば、目標達成までのロスを削減できる。



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