レビュー
毎日遅くまで仕事をしているのに、「やるべきことリスト」がいっこうに減らない。しまいには、元旦に誓いを立てた「一年の抱負」すら、どれも実現できないまま。
ご安心あれ。それはあなただけではない。本書の著者ランディ・ザッカーバーグも、まさにそれに苦しんでいた一人だ。彼女はこうした状況を変えるために、「ピック・スリー」という方法を編み出した。「仕事」「睡眠」「家族」「運動」「友人」の5つのカテゴリーから、その日に注力するものを3つだけ選び、それに集中するという方法だ。まさに「完璧なアンバランスのすすめ」である。これにより、「できなかったこと」に対してストレスや罪悪感を感じることがなくなる。さらには、やりたいことに熱中でき、長期的にはバランスのとれた幸せな人生を送れるのだ。
著者はピック・スリーに至るまでの苦労を含めて、自身の体験を等身大の言葉で綴っているため、読み手はその内容がストンと腑に落ちるだろう。くわえて、ピック・スリーの達人たちの事例が実に多彩だ。読む側も、まるで著者と一緒に「ピック・スリー」の極意を学んでいるような気分を味わえる。しかも、行動パターン別のアドバイスまで用意されているという充実ぶりだ。
著者はフェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグのお姉さんでもある。しかし、その「色」のついた家族背景などおかまいなしで、彼女だからこそ披露できた多くのエピソードは、実に魅力的だ。ぜひ彼女ならではの「節回し」を楽しんでいただきたい。
本書の要点
・「ピック・スリー」とは「仕事」「睡眠」「家族」「運動」「友人」の5つのカテゴリーから、その日に注力するものを3つだけ選び、それに集中する方法だ。
・著者は5つのカテゴリーについて、5つのペルソナごとに、その特徴とピック・スリーの達人の具体例、ピック・スリーをうまく行うためのアドバイスを紹介している。
・自分に近いペルソナを理解し、それに合わせて日々ピック・スリーを続けてみよう。「アンバランス」に生きることで、長期的には自分らしくバランスのとれた幸福な人生を送れるようになる。
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