レビュー

ビジネスモデルとは何か。言葉自体はもちろん知っているし、なんとなく意味も理解している。

一方で、抽象的でつかみどころがない――要約者にとっては、これが本書を読む前の「ビジネスモデル」に対するイメージだった。
そして読んだ後はというと、その輪郭がはっきりした。本書は頭のてっぺんからつまさきまでビジネスモデル一色であり、著者の言葉を借りれば「1冊まるまるビジネスモデル」の本である。ビジネスモデルについての本はあまたあるが、ここまで体系的にまとめられているものにはなかなかお目にかかれない。
著者の井上達彦氏は、10年以上にもわたってビジネスモデルを研究してきた人物だ。本書には、そんな著者によって、ビジネスモデルの定義から始まり、ビジネスモデルを考えるうえでのプロセス、アイディア発想のためのポイントなどが詳細に書かれている。特に「ビジネスモデルの創造サイクル」は必見で、アイディアを創出するところから、それを試作し、検証するところまでの一連のプロセスは非常に興味深い。
事例が豊富なのも本書の特徴だ。公文式で知られる「KUMON」や高級外車「メルセデス・ベンツ」といった大手企業から、「エムール」「HEROZ」といったベンチャー企業までを幅広く網羅している。
500ページ超と骨太な一冊なのだが、平易な言葉で書かれているため、その内容はいたってわかりやすい。自ら事業を起こしたい社会人や、将来起業を夢見る学生など、ビジネスに興味がある者であれば一度は読んでおきたい良書である。

本書の要点

・ビジネスモデルとは、「どのように価値を創造し顧客に届けるかを論理的に記述したもの」だ。


・ビジネスモデルを考える方法は、「要素に注目するアプローチ」と「関係に注目するアプローチ」の2種類に大別される。いずれも、「分析・発想・試作・検証」のプロセスに沿って考えていく。
・模倣は創造の母である。いい模倣をするためには、ビジネスモデルの本質を見極める必要がある。



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