レビュー
松下幸之助氏は、明治に生まれ、平成元年に没した実業家である。一代にしてパナソニックを築きあげたその手腕から「経営の神様」と称えられる、日本の誇る偉人のひとりといっていい人物だろう。
本書『道をひらく』は、松下幸之助氏がPHP研究所の機関誌「PHP」に寄せた短文をまとめたものだ。「その一篇一篇は、時にふれ折りにふれての感懐をそのまま綴ったものである」と本人はまえがきで語っているが、その考え方やものの見方には、松下幸之助氏の成功の裏側にあった、普遍的な哲学が流れている。
本書の持つ意味について、要約者が語るべきことは多くない。代わりに本書の序文の一部を以下に引用しよう。
「雨がふれば 人はなにげなく 傘をひらく/この 自然な心の働きに その素直さに/私たちは日ごろ あまり気づいてはいない/だが この素直な心 自然な心のなかにこそ/物事のありのままの姿 真実をつかむ/偉大な力があることを 学びたい」
本書の要点
・人には、与えられた道がある。歩いているときは遠い道のように思えても、休まず歩いていれば、必ず新しい道がひらけてくる。
・雨が降った時、傘や風呂敷がなければぬれるしかない。雨があがったら、もう二度とぬれないために用意しよう。
・人より一時間多く働くことは尊い。一方で、一時間少なく働いて、それでいてより多くの成果をあげることも、同じように尊い。楽々と働き、それでいてすばらしい成果があげられるよう、くふうをこらしたいものだ。
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