レビュー

「ストレスはありますか?」という質問には、ほぼ100%の人が「YES」と答えるのではないだろうか。ストレスはあまりに身近な存在で、私たちは常に「ウィズ・ストレス」な生活を送っている。


適度なストレスは脳を活性化する、という学術的見解もあるが、あまりに増えすぎたらどうなるか。本書の著者である鎌田敏氏は、バブル経済の崩壊によるリストラ、阪神・淡路大震災など、数々の「想定外の出来事」に襲われる中、パニック障害を発症して長く苦しんだ経験を持つ。しかしその後「人生は心のあり方ひとつでガラリと変わる」ことに気づき、今ではメンタルヘルス講師として全国各地で講演・研修活動を行っている。
長引くコロナ禍において、ゴールの見えないマラソンを延々と走らされているような状況に、心身ともに疲弊している人は多いだろう。しかし、それでも前を向いていかなければならないのが人生だ。ならばできるだけ楽しみながら、ポジティブに生きたいと思うのが人情だろう。

本書では、ストレスを溜めないための考え方や行動習慣、心身を整えるコツなどが、テンポよく紹介されている。著者は、コントロールできることにフォーカスすることが、ストレス管理のポイントであると説く。「想定外の出来事」や「他者」はコントロールできなくても、自分の心持ちはコントロールできる。日々の生活が少しでも楽しいものになるように、ストレスフルな毎日を送るすべての方に届いてほしい一冊である。

本書の要点

・ストレスは日常のちょっとした行動や気持ちに紛れている。小さなストレスサインを見逃さず、早めに対処していくことが重要だ。


・苦しみや悲しみの感情を手放すためには、「『今、ここ』に集中する」「目標に集中し、行動する」「ポジティブな宣言をする」の3つの方法が効果的である。
・相手をコントロールすることはできないが、関係性は変えられる。人間関係に悩んだら、相手との距離感にフォーカスしてみよう。



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